桜はシリルの腕の中
連載中·新着更新:第8話 迷子の桜·2025年06月27日 22:00
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あらすじ
詳細
大学二年生の東雲桜。大学へ遅刻しそうなため、近道の神社の階段を駆け上がっていると、寝不足のせいか目まいを起こして階段から落ち、異世界へと飛ばされてしまう。実はこの神社では昔から神隠しの噂があった場所で、桜は運悪くこの場所の不思議な現象に巻き込まれてしまった。飛ばされた先で最初に出会ったのは、金持ちの息子のシリルだ。シリルは今まで誰にも叱られたことがないのか、他人に対してとても偉そうで、桜は助けてくれたことには感謝したが、あまりにも思いやりに欠ける態度や言葉を吐くシリルに、ことあるごとに怒った。桜は短期で気が強く、思ったことをはっきりと言う性格なのだ。そのせいもあり、元の世界では孤立しがちだったけど。そんな桜にも優しく接してくれたのが相沢先輩だ。シリルに怒り傷つけられるたびに相沢先輩を思い出し、帰りたいと泣いた。 シリルに怒りながらも、こちらの世界では行くあてのない桜は、使用人達の手伝いをして屋敷に住まわせてもらっていた。シリルも言い返してくる桜を嫌ってるようなのに、屋敷を追い出すようなことはしない。なぜかと考え気づいた。こちらの世界の人達は、様々な髪色をしている。赤や青、緑や黄、紫まである。シリルも美しいターコイズブルーの髪色だ。その髪色が余計に端正な顔を際立たせている。癪だけど。しかし目の色は一つしかない。琥珀色だ。透明感のある茶色が美しいと桜は思うのだが、こちらの人々は、桜の青い目が神々しく見えるらしい。桜は祖母がイギリス人のクオーターで、黒髪に青い目をしている。その青い目のためか、桜は使用人達と同じような身分だというのに、皆に一目置かれた態度をとられている。シリルが屋敷に置いてくれる理由も、たぶんそうだ。青い目が珍しいからだ。気に入った玩具を手放したくない理由と同じだ、と桜は思っている。ただ、唯一シリルに対して好意的に思っていることがある。それは誰もが「サクラ」と呼びにくいらしく「サーラ」と呼ぶのに、シリルだけは正しく「サクラ」と呼ぶこと。「本当の名を呼ばれないのは、寂しいだろう」と言われた時、桜の胸がキュンと鳴ったのだが、気のせいだと思うことにした。 桜はシリルに屋敷から出るなと言われていたが、持ち前の好奇心から、せっかく異世界に来たのだから色んなものを見てみたいと思う。ある日、シリルが留守の時を狙って、屋敷を抜け出し街に出た。そこで攫われてしまう。閉じる
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創意工夫ありし者創意工夫ありし者2025-06-27 22:00ネオ・デビューネオ・デビュー2025-05-18 00:00作者のひとりごと作者のひとりごと
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