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記憶喪失の私を「知らない人」のふりした彼氏――なら私はこの機会に、ずっと私を想っていた隣人のイケメンと恋を始めます
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記憶喪失の私を「知らない人」のふりした彼氏――なら私はこの機会に、ずっと私を想っていた隣人のイケメンと恋を始めます
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現代恋愛
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最近更新:第10話 気を失う
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2026年09月10日 13:14
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記憶を失った私は、恋人と過ごした三年間の記憶を忘れてしまった。 けれど、忘れなかったものが一つだけある。 ――私は、銀髪の男の人が好きだということ。 退院の日。 元恋人は黒髪に戻し、私のことを知らないふりをした。 そして友人たちと賭けをしていた。 「彼女は絶対に、もう一度俺を好きになる」 でも彼は知らなかった。 私は病院を出たその日に、銀髪の隣人と出会い、一瞬で恋に落ちたことを。 その人の名前は、御堂怜徹。 十五階に住む、無愛想で口数の少ない男性。 でも、料理だけは驚くほど上手だった。 彼が作ってくれる味噌汁も、親子丼も、すべて私の好きな味だった。 「偶然だよ」 そう言う彼を、私は信じていた。 けれど、スマホを修理した日。 LINEグループに残されていた賭けの記録を見てしまった。 「彼女は記憶を失っても、絶対にまた俺を好きになる」 「スマホの履歴を見れば、きっと俺のところへ戻ってくる」 その瞬間、私は倒れた。 目を覚ますと、御堂がベッドのそばに座っていた。 彼は何も聞かなかった。 ただ一言だけ言った。 「……君は、どうするつもり?」 私は別れのメッセージを送った。 相谷くん。 もう、あなたは自由です。 その夜。 御堂は味噌汁を持って、私の家の前に立っていた。 そして、静かに言った。 「まだご飯を食べてない気がしたから」 後になって、私は知った。 三年前の新歓コンパの日。 私は、低血糖で倒れそうになっていた一人の男の子に、何気なく一粒の飴を渡した。 彼はその飴を三年間ずっと大切にしていた。 私が好きだと言った銀髪に染めた。 一度手放した家を買い戻した。 コンビニの窓際に座って、私が来るのを二十一日間待ち続けた。 あの時の飴は、三年前に賞味期限が切れていた。 それでも彼は―― ちゃんと受け取ってくれた。
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「契約でいい、俺のものになれ」そう言った社長に拾われた私。でも私はただの田舎娘なんです
稲橋有梨は、静岡の田舎から東京へ出てきた。 仕事先の住所を書いた小さなメモを握りしめ、慣れない街で必死に会社を探していた時、一人のスーツ姿の男に拾われた。 彼は「恋人のふりをしてほしい」と言い、三か月限定の契約書を差し出した。 有梨は、ごく普通の仕事だと思っていた。 毎日ご飯を作り、シャツにアイロンをかけ、彼と一緒に家族の食事会へ出席する。 それだけだと思っていた。 契約書の表紙には、大きくこう書かれていた。 「恋人契約」 条項にははっきりと記されている。 乙は甲の恋人役として各種社交の場に同行し、親密なパートナーを演じること。 契約期間は三か月。 期間満了と同時に、本契約は自動的に終了する。 彼にとって、彼女の想いは最初から最後まで――値段のついた契約でしかなかったのだ。 彼が静岡まで追いかけてきたあの夜。 有梨の実家の縁側に座り、彼は胸の内をすべて打ち明けた。 「君のことは、ずっと前から好きだった」 「でも言えなかった」 「口にした瞬間、君に『これは契約でしょう』って言われるのが怖かった」 「どうしたら、本気だって信じてもらえるのか分からなかった」 前日の夕暮れ。 二人は石段に並んで座り、沈む夕日を眺めていた。 有梨がぽつりと呟く。 「東京なんて、別にいいところじゃないよ」 彼は静かに笑った。 「じゃあ、静岡にいよう」 「会社はどうするの?」 そう聞くと、彼は彼女の手を少しだけ強く握り、優しく答えた。 「会社は遠隔でも経営できる」 「でも、君は一人しかいないんだ」
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