エジプトの文明に関して疎かったので中々手が出せなかったのですが、思い切って「閑話」と「最初のテキスト3つ」を除いて拝読しました。
比較的ネット等で目に入りやすいハトシェプスト周辺の話題だったのでちょっと安心しつつ、「タイトルはファラオの寵姫……ということは?」と、冒頭の登場人物からの主人公カップルに移動する目線が楽しかったです。
言葉が難しいのはそうですが、しかし丁寧に文中やあとがきに解説が入っているので普通にファンタジーのように読み進められますし、読み終わった後に登場人物紹介等「最初のテキスト3つ」を読むのは、逆に凄く新鮮で面白かったです。
最初に本編を読み進め、その後登場人物紹介・用語リストを読み、もう一度本編を読むと、見える世界がパーっと一気に広がる心地になります。
最初は「どういう世界観なんだろう?」と探り探り読んでいたのが、2周目には広がる砂漠や広大な宮殿、沢山の人々の生活が見えてきます。
ここから彼らはどうなるのだろう?
本人の体質や血縁や……いろいろな意味で障壁の多いトトメスとネフェルウラーは果たしてどんな人生を歩み、現代につながるのだろうと、不思議な心地になれます。
知らない国の歴史にふれるのも面白いなと思いました。新たな世界を頂きましたっ。
続きを楽しみにしています。