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怨霊・呪詛の一因。 ~30年間、放置したパワーストーン。3~(2025-5-2)

 -30年間も放置したパワーストーンを塩で封じて神棚の前に置いた、その日の晩-


 明け方までは、ごく普通の夢だったし、その内容を覚えていない程度に、平和な内容でした。


 しかし、明け方に目が覚めた直後、2~3つぐらい黒い影が天井を飛んでるのが散見したのが見えて、次の瞬間です。


 天井に筆文字の漢文のようなモノがA2サイズ程度で浮かび上がって、以前の呪詛とは違って、その文字がスクロールせず、私を脅すように、少しずつ近づくではありませんか!。


 私が眠気をこらえながら唱えたのは、豊川稲荷の吒枳尼真天様のご真言でした。


 尸羅婆陀尼黎吽娑婆訶オンシラバッタニリウンソワカ


 余談ですが、成田山の吒枳尼天様のご真言は宗派の関係もあるのか、かなり違います。


 『ノーマク サンマンダ ボダナン キリカク ソワカ』


 その状況にて、私が咄嗟に出てきたのは、無論、豊川稲荷の『尸羅婆陀尼黎吽娑婆訶オンシラバッタニリウンソワカ』です。


 それを何度か唱えると、漢文の一部の文字が薄くなって消え、その先頭に梵字のようなものがポンと1つ出てきました。


 『流石は吒枳尼真天様だ…。』


 豊川稲荷の吒枳尼真天様には、窮地を救い、私たちを守って頂いて、ほんとうに感謝しきりなのです。


 この呪詛は、私の寝起きを狙ってくるから、容赦がありません。


 午前3時~4時前後では、丑三つ時に近いので、神仏の力がとても弱いときに、隙を突かれるのですから。


 夜が明けた後に、妻の目が覚めると、私は真っ先にこのことを伝えます。


 もう、平日だろうが、仕事だろうが、こうなったら全く関係ありません。


 『一刻も早く、この石を供養する!!!』


 ◇


 朝になってから、神棚の水を取り替えて、蝋燭に火を付けて拝むのですが、榊の水を交換しようとしたときに、真っ先に、この禍々しいパワーストーンが及ぼした大異変に気付きます。


 … … … … … …。


 神棚から向かって右の榊だけが吃驚するぐらい、異様に枯れていました!!。


 向かって右側の榊が枯れる現象については、数話前の与太話で説明した通りです。


 氏神や土地神様が、お力を使うときに、右側の榊が枯れやすくなることが多く、この場合は良いとされるのですが…。


 一晩で、榊が劇的に枯れるのは、それを通り越して異常事態です!!。


『氏神様が、呪われた石の力が、私たちに影響しないよう、必死に抑えてくれた。』


 私は感謝しきりでした。


 呪詛を見る前に、その晩の夢が普通だったのは、氏神様のお力があったからこそです。


 普通、神棚は1日と15日に、酒や米を交換しますが、真っ先に米と塩、お酒を交換しました。


 この禍々しいパワーストーンを何処かで供養した後に、榊を買ってきて交換しなくてはダメでしょう。


 神棚のお参りが終わった後、私は隣にある、吒枳尼真天様がある棚に、油揚げやお餅を供えて、感謝の気持ちを込めながらご真言を唱えます。


 尸羅婆陀尼黎吽娑婆訶オンシラバッタニリウンソワカ


 それが終わると、今度は実家に行って、線香に火を付けて仏壇に手を合わせます。


 朝食をとった後に、私と妻は言うまでもなく、このパワーストーンを然るべき場所に持ち込んで、供養をするべく必死にネットで検索をして、この石を供養する為に適切な場所を探します。


 先ず私は、妻が5歳の娘を幼稚園に送っている間に、塩漬けになったパワーストーンを箱から取り出して、ひたすら水で洗い流します。


 それを丹念に拭いて、小箱に移しました。


 浄化や封印の意味を込めて使用した塩や箱は、その日が燃えるゴミの日だったために、塩をビニール袋に入れて、箱もゴミ袋に入れて出してしまいます。


 この塩ですら、何日か置いておけば、障るような気がしたからです。


 やっぱり、この石がある限り、家の中の空気が悪い気もしますし、妻は、気分がすぐれず、明らかに顔を曇らせています。


 この時点で、このパワーストーンを通じて、私に何か悪いモノが憑いていた感じはありましたし、妻も私を見ると、しばらく嫌悪感のようなものを抱いていたので、やっぱりこれが、家や会社の中を悪くしている『一因』であったのは間違いありません。


 パワーストーンの処理は、私と妻が行うことにして、弟は仕事もあることから、留守番という形になりました。


 行き先は、ウチからだと車で1時間半程度かかる、人形やモノを供養を得意とする、神社になりました。


 パワーストーンの供養が可能な寺社の中で、車で普通に行ける距離を考えると、その神社しか選択肢がなかった感じです。


 先に結論を言えば、これが大当たりでした。


 車の中で、妻が、最近、私が嫌になって避けたい気持ちが出てきてしまった事を打ち明けられ、何かあると、苛つくようになった…と、涙ながらに言われました。


 それは、私が色々と忙しすぎて、なかなか家のことが見られない事が原因ではあるのですが、やっぱり、このパワーストーンによる呪いの影響が一因としてあるでしょう。


 この石を見ると、何か無性に苛つくような、そして、このまま不幸のドン底に落ちてしまう感じが常にするから、とても怖くなりました。


 ◇


 パワーストーンを供養してくれる神社に着くと、駐車場に入った瞬間から、車の中の空気が違います。


『ここの神社の空気だけで祓われそうだ…。』


 私は石を小箱に上手く詰めたので、祈祷料も数千円で済みました。


 神社にパワーストーンを預けた瞬間から、私と妻は気が抜けたように、全身の力が抜けていまっています。


 一方で、会社の事務所にいた、弟は異変を感じ取りました。


 弟は、会社の事務所のPCでCADを操作していた最中に、目の前を黒い影が横切ったと思ったら、断末魔の叫び声のようなものが聞こえて、白い光の中に黒い影が消えていったのが見えたようです…。


 これにて、30年間も放置して禍々しくなったパワーストーンの騒動が終わりました。


 しかし…この、1週間後に、とんでもないモノが出てきてしまい、私たちを悩ませますが、次話にて、この騒動の完結を見ます。


 ついでにいえば、この話は、後で実話として改めて、新たに作品として起こす予定ですが、今の術後の体力を考えて見て、書けるかどうか…。


 今回の与太話は、私のメモ書きを綴ったものであると言えます。


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