≪第一章まで≫
緻密な設定、キャラクターの心理描写、そして哲学的テーマが見事に融合したSF作品でした。
「0.3%の誤差」という小さなきっかけが、人類の未来や個人の使命を問い直す大きな物語へと発展していく様は圧巻。
緊張感と感動を巧みに織り交ぜた物語の展開は、読後に深い余韻を残します。
第二章はこれからですが、今後のストーリー展開が非常に楽しみですね。
私自身はSF作品にあまり触れていなかったためか「なんちゃって」のものが多かったのですが、ラディ氏が持たれているであろう科学的考証とリアルな描写は本格SFと言えるものだと感じて参考になりました。
最後に第一章の締めくくりとして、「Why are you here?」に対するビリィの答え「for people in the society」という言葉は人類全体に対する希望と使命は読者に対するメッセージとして響きました。