「フフフ、ボクをブッ殺すだって? これを受けても、同じ台詞が吐けるかな?」
ブルーノは【
「悪意の数だけ罪は増し
罪の数だけ鎖は増し
鎖の数だけ未来は減る
――拘束魔法【
「「「――!」」」
ブルーノの影から、夥しい数の黒い鎖のようなものが生えてきて、それがヴェルナーお兄様の手足をガチガチに拘束しました。
「どうだい!? 自らの犯した罪を認識できたかい!? その鎖は身体を拘束するだけでなく、懺悔する時間を与える役割もあるんだよ! さあ! 悔い改めたまえ! 神に許しを請うんだッ!」
「フン、この程度で私を縛った気でいるとは――滑稽だな」
「……何? む!?」
ヴェルナーお兄様は、【
これは――!
「光さえ届かぬ奈落
その国には霧が立ち込め
凍りながら北上する川には
死の女神を乗せた船が浮かぶ
――氷鎧魔法【
「「「――!!」」」
ヴェルナーお兄様の全身が、見る見るうちに氷の鎧で覆われました。
「な、なにィ!?」
するとヴェルナーお兄様を拘束していた鎖も瞬時に凍りつき、粉々に砕け散ってしまったのですわ!
これぞヴェルナーお兄様の奥の手である、【
【
「クッ、これならどうですか!?」
今度はイルメラが【
ですが――。
「無駄だ」
「なっ!?」
【
これは、勝負ありましたわね。
最早今のヴェルナーお兄様は、無敵ですわ!
「私は優しくはないからな。ブルーノ、貴様に懺悔する時間など与えないぞ」
「ぐっ……!」
ヴェルナーお兄様は【
「氷狼の牙は天にも届き
全てを吞み込み闇へと還す
永劫の闇で心まで凍る
夢さえ見れぬ 零度の揺籃
――絶技【
「ぬあああああ!!?」
凍てつく鋭い氷を刀身に纏った【
ヴェルナーお兄様――!!
「ブルーノ様ッ!」
「「「――!!」」」
「なっ……!」
その時でした。
ブルーノを庇うように両手を広げてブルーノの前に立ったイルメラが、【
「イ、イルメラッ!!」
「お、お怪我はございませんか、ブルーノ様……」
「ああ! ボクは無事だ!」
「フフ……それは……よかった……です……」
イルメラの全身は瞬く間に凍りつき、粉々に砕け散ってしまいました――。
クッ、イルメラ、そこまでして、ブルーノのことを……。
「う、うおおおおお、よくもイルメラををををを!!!!」
「ぐあっ!?」
「ヴェルナーお兄様ッ!?」
【
そんな――!?
【
「フン、この【
クッ、まさかそれほどまでとは――!
「ク……ソ……! ヴィ……ク……! ……うっ」
ヴェルナーお兄様は気を失ってしまいました。
嗚呼、ヴェルナーお兄様が戦えないなら、最早誰がブルーノを――!
「あの人が怒ってる」
「愛する人を傷付けた
「あの人は決して許しはしない」
「この風はその怒りの顕現」
「「――竜巻魔法【
「「「――!!」」」
その時でした。
ブルーノの周りを取り囲むように、四つの竜巻が発生したのですわ!
これはッ!
「へっへーん! 後のことは、オレたちに任せておくじゃん!」
「任せておくの!」
そうでしたわ!