「さあ覚悟するじゃんブルーノ! 可愛い後輩たちをイジメた罪は、麩菓子より重いじゃん!」
「麩菓子より重いの!」
それ重いですかね???
「クッ! ぐあああああああああああああ」
ブルーノを取り囲んでいた四つの竜巻が、ブルーノの全身をズタズタに斬り裂きました。
よし、これでピロス隊長とピピナ副隊長の勝ちですわ!
「フ……フフ……、甘いよ……」
「「「――!!」」」
竜巻が治まると、そこには両腕が切断され身体中がボロボロのブルーノが、不敵な笑みを浮かべていました。
……くっ!
「これが所詮、人間の限界だねぇ!!」
「「「――!!」」」
ブルーノの腕は一瞬で生えてきて、全身の傷も元通りになってしまいました。
相変わらず、驚異の回復能力ですわね……。
やはりこの悪魔化した人間を倒すためには、首を刎ねるか全身を一瞬で消滅させるしかないようですわね……。
「さあ、今度はこちらの番だ!」
ブルーノは【
「悪意の数だけ罪は増し
罪の数だけ鎖は増し
鎖の数だけ未来は減る
――拘束魔法【
「「「――!」」」
ブルーノの影から、夥しい数の黒い鎖のようなものが生えてきて、それがピロス隊長とピピナ副隊長の手足をガチガチに拘束しました。
くっ……!
「全然動けないじゃん!」
「全然動けないの!」
「フハハハハハ!!! これでチェックメイトだよッ!」
ブルーノの【
「しょうがないじゃん。
「アレを使うの」
……え?
アレ、とは……?
「もうこの世界に興味はない」
「君がいないこの世界には」
「だから一度創り直そう」
「斜線を引いて はいおしまい」
「「――風刃魔法【
「か……はっ……!?」
「「「――!!!」」」
その時でした。
一陣の風が吹いたかと思うと、ブルーノの首が宙を舞っていたのでした――。
なっ……!?
「【
「ほとんどないの」
そ、それは、とんでもない魔法ですわね……。
流石大先輩。
頼りになりますわ!
「……その代わり、もう魔力が残ってないじゃん……。ちょっと……休ませて……もらう……じゃん……」
「休ませて……もらう……の……」
お二人はその場に仰向けに倒れ、スウスウと寝息を立て始めました。
本当にお疲れ様でございました、お二人とも。
お二人のお陰で、この場の脅威は退けることができましたわ――。
「クッ、まだだよ――! ゴットハルト、せめてお前の命だけでも――!」
「「「――!!」」」
「なにィ!?」
その時でした。
首だけになったブルーノが舌を槍のように伸ばし、その槍が陛下を襲ったのです――。
嗚呼、もう、隊長格で動ける人はいませんわ――!
――陛下!!
「陛下ぁ!!」
「「「――!!!」」」
なっ――!!
グスタフさんが陛下を庇うように立ちはだかり、舌の槍がグスタフさんの心臓を貫いたのですわ――。
「グ、グスタフさあああああん!!!!」