「嫌です! 絶対に嫌ですっ!」
「そこを何とか! お願いしますっ!」
「嫌ですっ! ワタクシがそんな勇者様のビニ本代わりになるなんて、そんなの絶対に嫌ぁぁぁぁぁぁ――ッ!」
一通り俺のお願いを聞き終えて、突如アリアさんが絶叫し始めた。
「ヤァ――ヤァ――ヤァ――ッ!」と今から一緒に、これから一緒に俺を殴りに行こうか! と言わんばかりに声を張り上げる。
その爆乳ボインを両手で
そんなアリアさんに俺は縋るような思いで声をかけた。
「頼むよぉ~!? こんなこと、もうアリアさんにしかお願い出来ないんだよぉ~!?」
「それでもっ! 絶対に嫌ですっ! ヤーッ!」
「そんなぁ~っ!?」
俺の悲し気な声音が牢屋へと木霊する。
「別に揉んだり触ったり吸ったりしようとしているワケじゃないんだ! ただ見るだけなんだ、それでもダメ?」
「ダメです!」
「うぅ~っ!? この嘘吐きプリンセス! さっきは『見せてくれる』って言ったじゃないか!」
「ソレとコレとは話が違います!」
キッ! とド変態を見つめるような目つきで俺を睨むアリアさん。
ドMじゃないのが悔やまれる所だ。
「わかった! なら太もも! いや、パンツ! いや下着で手を打とう! どうだ!?」
「『どうだ!?』ではありません! 嫌です! 絶対に、ぜっっっっっっっっっったいに! い・や・で・すっ!」
「そ、そんな……」
気がつくと俺は重度のスランプに陥ったスポーツ選手のように頭を抱えて
あれ? おかしいな?
瞳から涙が止まらないよ?
ナニコレ?
「な、泣いたって駄目ですよ? 絶対に見せませんからね!?」
「ハハ……そっかぁ。俺、アリアさんにこの異世界に飛ばされてからロクな目に遭ってねぇなぁ……」
うっ!? と顔をしかめるアリアさんの隣で、俺はここ2カ月の思い出に1人浸り始めた。
いやぁ、ホントこの異世界に飛ばされてからというもの、ロクな目に遭ってこなかったなぁ。
半ば無理やり異世界に飛ばされて、ファーストキスを奪われ、元気玉を奪われ、挙句の果てには生命線である魔法の力も奪われて……ハハッ。
「今度は一体ナニを奪われるんだろうなぁ、俺? 命かな? ハハハ……」
「うぐぐぐぐ……っ!?」
1人静かに涙を流す俺の隣で、罪悪感でいっぱいの顔になるアリアさん。
アリアさんは暫し
「分かりました! 見せるだけ、見せるだけですよ!?」