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第14話 お、お風呂はイヤ――ッ!?(しょ、少年……? キノコはどうした?)

 ミヒャエル少年と一緒に脱衣所へ突撃して3分。


 俺は冷や汗でドロドロになった衣服をさっさと脱ぎ捨て、文字通り一糸まとわぬ素っ裸になった。




「ひ、ひぇぇ~っ!?」




 瞬間、ミヒャエル少年がボッ! とトマトのように顔を真っ赤にして、俺の恥部を凝視し始める。


 大人の男の裸体がそんなに珍しいのだろうか?




「??? 何やってんだ少年? はやく脱げよ?」

「ぼきゅっ!?」




 謎の悲鳴をあげながらカッチーン! と直立不動で固まるミヒャエル少年。


 そのまま一向に動く気配がなかったので、俺は仕方なく少年が着ているオーバーオールの肩紐に手をかけた。




「しょうがねぇなぁ。今回だけだぞ?」

「???」




 何が? とでも言いたげなつぶらな瞳で俺を見上げるミヒャエル少年。


 そんな少年の疑問に口ではなく行動で示すべく俺は、


 ――ズルッ!


 勢いよく煤だらけのオーバーオールを一気に下までズリ下ろした。




「~~~~~ッ!?!?」




 刹那、声にならない悲鳴をあげるミヒャエル少年。


 俺はシャツと下着1枚だけの姿となった少年の姿をマジマジと観察しながら、「おぉ~?」と小首を傾げた。




「お前、男にしては綺麗な肌をしているな? 太ももなんか真っ白じゃないか」

「や、やぁ~……」




 弱々しい声をあげながら『見ないで……』と言わんばかりにシャツの裾を引っ張るミヒャエル少年。


 そんな少年の姿に不覚にもドキンチュッ!? と心臓が高鳴った。


 クッ!? ガキンチョのクセに妙な色気を出しやがって……。


 おかしい? 俺はノーマルなハズなのに、なんだこの妙に高鳴る胸の鼓動は!?


 扉の向こう側でアリアさんが『に……っちゃり♪』と邪悪に微笑んだ気がした。




「って、うん? あれ? お前……そのパンツ?」

「ッ!?」




 ビックーン! と突然お股に仕込んだ大人のオモチャをONにされた女子高生のように身体が撥ねるミヒャエル少年。


 少年の男とは思えない綺麗な真っ白な太ももに気を取られて見えていなかったが、なんか履いているパンツ、少しおかしくね?


 いや、シャツの裾からチラチラと見える少年のパンツなんだが……妙に布面積が少ないというか、ブリーフにしては鋭角過ぎるというか……う~ん?




「まぁいいか。ほれ次はシャツだ。バンザイしろ、バンザーイッ!」

「うぅ……」




 ミヒャエル少年は今にも爆発してしまいそうなくらい顔を真っ赤にしながら、震える指先をシャツの裾から離して、ゆっくりと両手を上に上げた。


 ……なんかエロいな、コイツ?


 まだ少年だというのに、このナチュラルに滲み出るエロさは一体なんなのだろうか?


 気を抜くと変な扉が開いてしまいそうだ。


 気をしっかり持てよ、俺っ!




「それキャスト・オフッ!」

「うぷっ!?」




 スポーンッ! と胸に芽生えた特殊性癖の目覚めを握り潰すように、勢いよくシャツを脱がせる。


 途端に少年とは思えない雪原のような白い肌が俺の目に飛び込んで来た。




「お、おぉ……服が汚かったけど身体は綺麗だな。って、うん?」

「あぅぅ……」




 身体を小刻みに痙攣させながら、真っ赤な顔をして俺から顔を逸らすミヒャエル少年。


 その目尻には若干涙が滲んでいるような気がしたが……そんな事よりも俺の意識を引っ張ったのは少年のっぱいだった。


 なんかこの雄っぱい……おかしくね?




「んん~?」

「~~~~~~~ッッ!?」




 俺の瞳に反応して、少年の身体が小刻みにふるふると揺れる。


 その度に少年の雄っぱいもふるふると揺れた。


 そう、この雄っぱい揺れているのだ!


 胸筋が発達しているのか、普通の少年のソレより若干大っきいミヒャエル少年の雄っぱい。


 明らかにふっくら♪ している少年の胸の先端には色素の薄い桜色の蕾がぷっくり♪ と膨らんでいて……んん~?




「筋肉質……とは少し違うよな?」

「み、見ないでぇ……」




 今にも泣きそうな声でそう口にするミヒャエル少年。


『イジメないで……』と男の嗜虐心しぎゃくしんを煽るような態度でご主人様の【オシオキ】を待つメス豚のように身体を震えさせる少年。


 気のせいか、俺の視線が肌を刺す度にミヒャエル少年の胸の先端にあるぷっくり♪ と膨らんだ貝柱が、



 ――ビキビキビキッ!



 とその存在感を主張するかのように膨張していくような……?


 俺の目の錯覚か?




「なんか違和感があるけど……まぁいいか。ほれ、最後はパンツだ」

「~~~~~ッ!?」




 もう声すら出ないのか、目尻に涙の珠を浮かばせながら俺にされるがままの状態になるパンツ一丁のミヒャエル少年。


 ……なんだろう? ただ同性の服を脱がせてあげているだけなのに、この胸に去来する圧倒的な興奮は一体?


 もしかして俺は本当に変態になってしまったのではなかろうか?


 そんな不安を振り切るように、俺はミヒャエル少年のパンツの裾に指先をかけた。




「……やっぱりこのブリーフ、男物にしては形が変だよなぁ?」

「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ……ッ!?」




 ビクビクッ!? と小刻みに身体を痙攣させながら、荒い呼吸を繰り返すミヒャエル少年。


 今にもぶっ倒れそうなくらい呼吸が荒い少年の姿には少々引っかかるモノがある。


 何だろう? 俺は何か重大な『ナニカ』を見落としているような……?


 頭の隅っこにシコリのような謎の引っかかりを覚えつつも、俺は気にすることなく少年のパンツをズリ下ろした。






 ――瞬間、俺は自分が禁断パンドラの箱を開けてしまった事を悟った。






「よし、全部脱いだな。それじゃ風呂に……えっ?」




 少年からパンツを脱がせ、ふと視線を上げると……そこには見たことがない景色が広がっていた。




「えっ? あれっ? えっ?」

「ひ、ひぅぅ……ッ!?」




 ビクビクビクッ!? と生まれたままの姿で硬直するミヒャエル少年。


 その少年の股下には……無かったのだ。


 男として生まれたからには絶対に『ある』であろう例のアレが。


 そう、パオーン的なアレが無かったのだ!




「えっ? えっ? み、ミヒャエル少年? その……お股のパオーンは一体どこへ?」




 少年の何もない股下と少女のように整った容姿を何度も見返す。


 もう意味が分からなかった。


 百戦錬磨のキャバ嬢を童貞が手玉に取るくらい意味が分からなかった。




「な、無いです……」




 混乱する俺に、フルフルと首を横に振るミヒャエル少年。


 その動きに合わせて、少年の妙にふっくら♪ しているお胸も左右にふるふると揺れた。


 俺は少年のお胸の放つ謎の引力を意思の力でなんとか蹴散らし、震える唇を必死に動かした。




「な、無い? 無いの? パオーン?」




 コクリと頷く少年。




「それはそのぅ……手術で取ったから的なアレかい?」

「ち、ちがいます。元々ないんです。ついてないんです……」




 目尻に大粒の涙を浮かべながら、顔を真っ赤にしてそう口にするミヒャエル少年。


 刹那、俺の心臓がドンドットットッ♪ と解放のドラムを奏で始める。


 少年の衝撃発言にギア5に突入していないのに、驚きで髪の毛が真っ白になるかと思った。




「ついてない……?」

「ついてないです……」

「元から?」

「も、もとから……」

Oh,really本当に?」

「ほ、本当に……」




 妙にふっくら♪ している胸の前で手を組みながら、コクンと頷くミヒャエル少年。


 俺は「ふぅ~」と大きく吐息を溢しながら、神に祈りを捧げるように天を仰いだ。


 つまり、これはアレですか?


 ミヒャエル少年は実は『ミヒャエル少年』ではなかったと。


 なんなら男ですらなかったと。


 そういう事ですか?




「あ、あの……? 金城さん……?」




 急にムッツリと押し黙ってしまった俺の態度に不安を覚えたのだろう。


 ミヒャエル少年……いや、ミヒャエル少年(仮)は不安そうに俺を見下ろしていた。


 そんな彼(?)を尻目に俺は背筋から嫌な汗が止まらなくなる。


 あぁ、確かめるのが怖い。


 怖いが確かめずにはいられない。




「もしかして少年は『少年』じゃなくて、そのぅ……『女の子』だった?」

「…………」




 コクリ。


 ミヒャエル少年(仮)、もといミヒャエルちゃんが小さく頷いた。


 その顔を可哀そうなくらい真っ赤に染まっていて――いや待て、落ち着けタマオ・キンジョーよ?

 果たしてミヒャエルちゃんは本当に女の子なのか?


 実はマイペニーを股の間に挟んで『女の子』のフリをしているイタズラ小僧の可能性はないのか?


 むしろその可能性こそが真実なんじゃないのか?


 気になり出したら試してガッテン♪ してみたくなるのが『男』という生き物なワケで……。


 気がつくと俺は身体中に宿る勇気を総動員して、禁忌へと切り込んでいた。




「えっ? えっ!? あのっ!?」




 キンジョーさんっ!? と慌てるミヒャエル少年を無視して俺は少年の何もないお股を指先でツンツンした。


 ――瞬間、絹を裂いたような乙女の悲鳴が脱衣所に木霊した。

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