実話を元にしたエッセイ小説ということで、表題の「ウンコ」にまつわる一人の女性の物語が、かなり具体的で生々しく描かれています。
なにより言葉が的確で読みやすく、次から次へと読み進めてしまう力強さがありました。
内容は、壮絶の一言。最初はユーモアたっぷりな文章に惹かれて読んでいたものが、気がつけばあまりの展開に引き込まれてしまう自分がいました。
目を引く表題に、驚きの展開。ですが、その背景には誰にでも少なくとも一つや二つは心当たりのある、家族や学校での人間関係など普遍的な問題が浮かび上がります。
個人的には、この作品からは、同調圧力や迎合気質、排除志向の今の日本社会の縮図が透けて見えました。
最後に、この物語を書き、公開することはとても勇気のいることだと思います。
物語はまだ続くと思いますが、この先も楽しみにお待ちしています。