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ARA本社ビル脱出作戦 14

 よもや今まであたしの指示通りの動いてきた自分が死にかけるとは思っても無かったのだろう、目の前を弾丸が横切った事実、そしてあたしが体を引き戻さなければ確実にお陀仏だったことを認識したとたん、その場に崩れ落ちると震え始めた。


「あ……あ……ごめんなさい」

「気にしないでいいよ」


 もし他の四人組の誰かなら躊躇なく見送って仏になるのを見送ったが美優はそうはいかない。


 だがまあ……戦闘員の悲鳴、銃声によりこちらに対して警戒するのは当然だし、味方でないと判断されている以上、見つけ次第撃つのは当然だ。


 さて……どうするか。


「へいヘイ嬢ちゃんたち!撃たないから出ておいで!」

「ここまで来れたのは褒めてやるから大人しく出てきな!」


 ほほう……ここまで信用できない降伏宣告は聞くだけなら面白いな。今の射撃を見て降伏する人がいるのか?いやもしあたしがいない状態でここまで来た人間がいたなら降伏するか。


 それよりもまず駐車場に居るだろう戦闘員の数だ。


 杖を構えながらゆっくりと角から顔を出し駐車場の様子を見る。


 ババババ!


「だー!」


 いくら杖があるとは言え目の前のシールドが銃弾を次々と弾いている光景は新鮮なものだということと同時に少し恐怖を感じる。


 映画だと暗い場所ではマズルフラッシュ……つまり撃つときに銃口が光る場面があるが実際はそこまで明るくはならない。だがそこから撃っているだろうレベルで視認は出来る。


 だが逆にここまである程度明るいとマズルフラッシュは見えない。でも一発撃つごとにとんでもない量の硝煙が出る黒色火薬とは違い、現代の一般的な銃に使われる無煙火薬でも撃ちまくってれば硝煙は出るしそこを見ればある程度どこから撃っているのか把握は可能だ。


 杖で防ぎながら見てみると通路を挟むように二つの柱が存在しているが、そこに一人ずつ配置しておりそこからこちらに向けて撃っているのが確認できた。


 出来ればゆっくりと攻略するのが一般的だが、ここは地下駐車場であり一階上に昇れば6人ほどの戦闘員がいる正面入り口がある。距離の問題や壁の問題があろうが銃声が一階の連中に聞こえている可能性も考えると応援に来るまでに早急に片を付けなければならない。


「埒があかねえな……こいつを使うぞ」

「了解援護する」

「……は?」


 増援を呼ぶ素振りは見せなかった替わりにこちらから見て右側の戦闘員が射撃を辞めて何かを取り出したようだ。


 ピン!


 何かを抜き、それが地面に落ちる音がする。


 ……まさか……グレネードか!?


 やばいぞ!杖を持っているのはあたしだけだ、距離は十メートル、もし投げられれば杖一本で防ぎきるのは無理だ!どうする?


 ……またもや賭けになるけど、やってみるか?距離は十メートル、ゴム弾は性質上恐らく五メートルあたりから真っすぐ飛ばなくなってしまう、しかも一発一発がどこに飛ぶか分からないおまけつきだ。


 だがやる価値は……いや必要はある!


「投げるぞ!」

「おう!」


 君たちねえ、こういう時ぐらい投げるときに叫ぶの辞めない?


 急いで杖と銃を構え、角から顔を出し構える。


 ババババババ!


 無数の銃弾がシールドに防がれていくがもはや恐怖を感じる暇はない。


「グレネー……」


 男が叫びグレネードを投げようとする。それに合わせてあたしもじっくりと銃の照準を合わせる。


 そしてグレネードを持つ右腕を認識した瞬間。


 バンバンバンバンバンバン!


 もはや一発で良いから当たってくれという思いで右手に向けて銃を乱射した。


 ピュン!ピュン!ピュン!……バス!


「がっ!いっだ!」


 あたしの願いが届いたのだろう。撃ちまくった銃弾の内の一発が男の右腕に命中した。


 ガラガラガラ!


 同時に何かが床に落ちて転がる音もする。


「大丈夫か!……ん!お前!足元!」

「へ?……あ……やっべ」


 ドーン!


 男が床に落ちたグレネードに気づいた瞬間、グレネードは無慈悲にも爆発。悲鳴も聞こえないことから……うん、良くて気絶して瀕死……普通に考えれば至近距離だ、お陀仏だろう。


「くそったれが」


 バババ!


 仲間を殺されキレたのかこちらに乱射を始めた。


 いやいやいや、あたしは右手を撃っただけで……グレネードが爆発したのは……その男がグレネードを離したからですやん!最後までグレネードを掴んでいるように言うのが筋ですやん!


 さて残りは一人、時間制限まで時間はない。急いで脱出しなければ……何か……ん?


 一個使い、予備として腰に付けた……スタングレネードが右手に触れた。ここまで使わなくて良かったぜ。


 それを取ると、雪たちに話しかける。


「いいかい?あたしが走れって言ったら、この通路を出口まで全力疾走!オーケー?」

「あいつがあたしたちに撃ってくる可能性は?」

「あるけどあいつの今の目標は何故か手榴弾で自爆してしまった仲間の敵討ちだ。あたしから近づけばあんたらには撃ってこないよ」

「わかったわ……気を付けてね」

「うっす」


 スタングレネードのピンを抜く。


「あ……忘れてたけど。このグレネード……凄い音なるから耳塞いどいてね!」

「言うのが遅すぎるわ!」

「……さーせん」


 ババババババ!……カチっ!


 相手の銃撃が止まった。弾切れでリロードに入るだろう。今だ。


「ボールを……相手のゴールにシュゥゥゥゥ!」


 スタングレネードを投げる、同時に安全レバーが開外れ地面を転がって行った。


「……待ってろ今ぶち殺してや……ん?」


 男のリロードする手が止まった。目の前にスタングレネードが転がってきたのだ。


「…………やっべ!」


 バン!


 男が伏せたのかは定かではないが転がった場所にて爆発が起きたのは事実、あいつは蹴り飛ばさなかったようだ。だが好都合。


「……走れ……走れ走れ走れえええ!」


 銃を構え叫びながらあたしは飛び出した。同時に男がいるであろう左の柱を風の魔法で加速しながら裏から時計回りで回り込んだ。


 そして視界の端ではあたしの合図とともに必死の表情で通路をダッシュする雪たちの姿がある。それでいい……ていうかドレス姿で激走する姿……正直つぼるなこれ、写真撮りたい。


 さて恐らく最後の戦闘だ。


 順調に柱の……裏側に回り込んだ。そしてそこに居たのは突然の事にも関わらず聴覚と視覚を失っているのかは定かではないが、ちょうどM4のリロードを終え後はチャンバーを閉じるだけの戦闘員だった。


 タイミング……向いてる方向、スタングレネードに背を向けるようにこちらを向いている……完璧だ。


 カチン!


 リロードを終えた男がこちらに銃口を向けるが、同時にあたしも杖を構える。


「残念だったな!少なくともお前は道ずれにしてやる!」

「……」


 バンバンバン!


 銃撃があたしに向かってくるが全弾シールドが弾いていく。あたしも応戦として撃とうするがここで問題が発生していた。このまま撃つと仮に一発でも弾がそれれば現在絶賛ダッシュ中の雪たちに誤射る可能性があったのだ。


 なら残る手段は……一つだ。


 ドン!


 あたしは一気に男との距離を詰めると右手で銃を右側にずらしてそのまま左足で蹴上げる体制を取った。


「お?……ほう?やってみろや!か弱い女ごときの蹴りなんぞ効くわけねえだろ!」


 ほう?言ったな?ならちゃんと耐えろよ?


 そうは言ったが男もちゃんと蹴りを受け止める体制を取る。


 あたしはそのまま男の右腹部に向けて蹴りを放つ。左足は特に支障もなく男の腹部……いやわき腹に向かって行く。


 そして男の体に衝突する瞬間、左足に溜めていた魔素を……五センチ程度放出した。


 ドン!……バキャア!


「がっ!」


 まさかただの蹴りですぐそばの壁に吹き飛ぶほどの衝撃を受けるとは思ってなったのだろう。男は短い悲鳴だけを残して壁に激突、壁に少々亀裂を入れると気絶したのかその場に崩れ落ちた。


「おーい……受け止められるんじゃなかったんですかー?か弱いあたしの蹴りごとき効くわけないんじゃなかったの?おっかしいなー」


 床で伸びている男の顔をぺちぺち叩きながら尋ねるが反応はない。


「……言っとくぞ?旧日本ならともかく、体格……見た目だけで戦闘力を図っちゃいかんよ。魔法っつー便利なもんがあんだからさ、もうちょい人を観察しないと。さーて行くかね」


 気絶している男を横目についにあたしはビルから脱出した。



「はぁはぁはぁ……ここまで来れば……大丈夫かしら。時間ギリギリ」


 ARA本社ビルから500メートルは離れた商業ビルの一角、残り時間が無かったため直線的に逃げるしか方法が無かった。


「まあ……爆破の種類にもよるけどね。後一分か……ほんとにギリギリだった」


 もしアメリカで起きた911のようにビルそのものが倒壊するような爆発であれば倒壊による砂埃でここもある程度被害を受けるだろうがビルの中よりは大分ましだ。


 雪を除く、五人は完全に脱出出来た喜びと緊張から解放のためかビルとビルの隙間でへたり込んで座っている。


「あと十秒」

「この際だからビルが無くなるのを含めて見守ることにするわ」


 時計のタイマーが爆破までの十秒だと表示していた。


 十、九、八、七、六、五、四、三、二、……爆破。


 ピー!ピー!ピー!


 タイマーが時間切れを知らせた。


 ……シーン。


 が何も起こらない。


「あれ?……雪さん、なんか音する?」

「いえ、爆発物でしょう?ならビルから何かしら音がするのが普通でしょ?ここまで何も起きないのは異常よ?タイマーが間違ってる可能性は?」

「いや……十分あるよ。九十分っていう時間も偶々戦闘員から聞いただけだし、多少のずれはあるでしょうけど……それにしてはおかしいな」

「どうするの?」

「んまあ……爆破するのは作戦に無いし……今はとにかくあたしの目的完了の報告をするよ」


 そういって携帯を開くと三穂さんの電話番号にかけた。


 プルルル!プルルル!プルルル!


 数回のコール音が耳に響くが出る様子が無い。


「あれ?おかしいな……出ない」


 その時だった。


 ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!


「アリス!」

「ん?何さ」


 雪に声でもう一度、ビルを見る……するとどうだろうか、先ほどまで静かだったビルから何やら破裂音……というよりは……爆発音がここまで響いてくる。


 そして……。


 ゴゴゴゴゴゴ!


 次の瞬間、轟音と共にARA本社ビルが砂煙を上げながらゆっくりとその高かった背が縮んでいく。正確に何階建てなのかは把握してはいなかったがものすごい勢いで零階建てに向かって崩れ落ちていく。


「…………うっそん」


 何が起きたのかと視線を崩れ行くビル、携帯の画面と繰り返して見ながら眺めていた。


 ていうかそれどころではない。現に倒壊による砂煙と爆風がこちらに向かっているのだ。


「雪!」

「え……ちょっ!」


 急いで雪の体を掴むと五人がいるビルとビルの隙間に連れ込む。同時に杖を道路側に向けた。


 バーン!


 数秒後、倒壊による爆風が背後を通過していく。杖によってある程度風圧は防ぐことに成功しているが上から下からなど砂塵があたしたちを襲った。



 十数分後、あたしたちは事前に打ち合わせた集合場所の本来であれば立派なARA本社ビルが眺められたはずの公園に居た……砂埃を全身に浴びた状態で。


「おや、ありすはん。待っとったで」

「橋本さん」


 そこに居たのは何故か橋本さんだった。


「あらら、皆どうしたん?偉い埃まみれやなあ」

「最後の最期でビルの爆破の爆風に巻き込まれました。まあ杖である程度は防ぎましたけど……おかげで全身砂まみれです」


 爆風は一瞬だけだった。杖で爆風を防いだことと、全員が本能的にだろうかあたしの下に集まったことにより爆風に巻き込まれる人は居なかったのだ。


「そうなんや。なら良かった!美優は役に立ったん?」

「ええまあ」


 そういうとあたしは美優の頭を撫でてやる。美優は照れくさそうにあたしに体を預けてきた。まあ正直、役に立ったかと言われれば良く分からん、途中から付いてきた女性陣からも有力な情報を得ていたためだ。


 だがこういうパーティーでの振舞い方や場面場面での演技などはこの作戦で学んだ気がするので役立ったと言えるだろう。


 因みに雪は助かった事をあたしに礼を言って一人帰路について行った。


「ふーん、それでそっちのドレスを着た人たちは?」

「ああ、恐らくですが色々あったらしく麻沼に裏切られた人たちでしょうね。ビル爆破を利用しようとしてあわよくば殺害……っていう筋書きなんでしょう。なんかついてきました」

「ん?助けたんやなく?ただ着いてきただけ?」

「はい、作戦にないので。ただ着いてきただけです」

「ふふふ、素直やないねアリスはん、助けたかったから助けたって言えばええのに」

「いや?助ける気なんてさらさらなかったですよ?その証拠に一人勝手に敵に前に出た人撃ち殺されましたけど、助けようとはしませんでしたし」

「え」


 その一言を聞いた橋本さんがドン引きの表情を見せる。そりゃあそうだろ、助ける義理なんぞ持っとらんわ、何で助ける必要あるん?


「そ、そうかいな。まあええけど。じゃあ美優帰るで?後の報告は龍さんから受けさせてもらいますんで」

「分かりました」

「それと君たち」


 橋本さんが残って不安そうな四人組に目を向ける。


「どうするん?ARAビルも無くなった。麻沼ももう居ないも同然やろ?契約も無くなったと見てええな。何処か行く事務所あるんか?」

「えっと……」


 四人は何も言えなかった。


 恐らく契約を保留にはしていたがまたすぐに契約更新出来ると思っていたのだろう、だから別の事務所を探すことなどなどしてなかったはずだ。


「もしよければやけど……うち来る?」

「え?」

「タレント事務所京華、ARAに比べればまだまだ中堅やけど、これからおっきくなるで?まあそれまでギャラも少し下がるとは思うけど……行く場所がないよりましやろ?ここでおうたのも何かの縁や!どうする?」

「良いんですか?」

「かまへんかまへん!じゃあこれからの事について事務所に行こか?……いやその前に君たちごっつ汚れてるやないの!まずは身だしなみ整えるところからやな!美優行くで!じゃあアリスはんこの度がありがとうな!」

「はい」


 美優と四人のタレント陣が深々と頭を下げると橋本さんについて行くようにこの場を後にした。


 数分後。


「アリス」

「お、師匠」


 まるであたしと橋本さんの会話を聞いていたかのように橋本さんが居なくなった直後に師匠が現れた。


「アリスちゃん!大丈夫だった?」

「三穂さん!」


 三穂さんに抱き着こうとするが埃まみれだということ、そして三穂さんの方も一戦闘があったようで服が汚れていたのでやめておく……ていうより一切負傷しているようには見えなかったのだが何故かあたしが使った血糊とは違う……本物の血が付着しているので何かあったのだろう。だが同時に三穂さんに聞いて起きた事があったためそれを優先することにした。


「三穂さん聞きたいことが」

「ん?なんだろ?」


 あたしは携帯を取り出した。


 一般的に爆発物を起動するにはいくつもの選択肢がある。タイマーを利用する方法、米軍等が使うコードを伸ばし確実に爆破する方法、または中東等で行われている携帯を爆発物に携帯を取り付けてその携帯電話に掛けることで起動する方法だ。


 ドラマや映画だと、衝撃を与えたり傾けると爆破するユニークな物もあるが一般的にはコードを伸ばしたり携帯を付けるのが普通だろう。


 でだ、今回の爆破……間違ってなければあたしの携帯が数コールした後に爆破されたのだ。三穂さんには確実に脱出してから携帯に電話してと言われたのだ。龍炎部隊が爆発物を自分たちで制御できるように改造したとしてあたしが脱出しないと爆破できない。ならあたしがかける電話番号の携帯を起動スイッチにすれば万事解決なのだ。


 逆に言えばあたしは爆破の片棒を担いだことになる。それはどうなのかということなのだ。


「もしかしてあたしがかけた番号……爆破起動用の番号じゃないの?番号にかけた途端に爆破したんだけど!」

「え?ああ!もう一度かけてみて?」

「え?はあ」


 先ほど電話した番号にもう一度かける。


 ピリリリ!


「え?」


 三穂さんのポケットから着信がした。三穂さんが携帯を取り出すと確かに前に見た携帯だ。


「ありぇえええ?」

「あははは!この番号を起爆スイッチにするわけないじゃん!もしアリスちゃんがビルの中でかけてきたら終わりだよ?本当はアリスちゃんが掛けてきて脱出できたと判断して点火!これが事実」

「あーなるほど」

「それで?アリス作戦完了か?」

「え?まあ道中想定外もあったけど……とりあえず完了かな。あ、これお土産」

「あ?パーティーの食べ物なんぞいらんぞ?」

「そうじゃないよ」


 あたしはショルダーポーチからあいつが入った袋を地面に置いた。


「なんだこれ……は?」

「匂ってないかな?こいつ失禁しやがったから」

「うっそ!なんで!?」


 中で気絶……白目を向いて失神している人物に師匠はおろか三穂さんさえも驚いている。そりゃあそうだ、あたしに託された任務は脱出、あわよくば麻沼が関与しているだろう証拠を見つけることだ。捕縛しろなどという命令は受けていない。


「どうやって!?」

「いや階段降りている最中にエレベーターが動いてたんですよ。下に降りるならまだしもあの状況で上に行こうとする奴っておかしいでしょ?だからワンチャンあるかなって思ってエレベーター止めたら中に居ました」

「でもなんで気絶してんの?」

「さあ?たまたまあたしがエレベーターの扉を開けて認識阻害を掛けたらその中に向かって投身自殺したので助けただけです」

「なる……ほど。落としたわけでなく……勝手に落ちたと」

「はい何故か勢いよく。それとこれも」


 あたしは師匠にとあるものを渡した。ボイスレコーダーだ。


「これは?あいつとのやり取りです。これを聞けばまあ……この爆破事件が麻沼によるものだという証拠になるかなって」

「凄いよ!アリスちゃん!」


 今度は三穂さんからあたしに抱き着いてきた。……正直装備が当たって痛い……ていうか!血が!何者かの血が!あたしの服に付いちゃう!洗ってもとれなさそうな液体があ!


 まあ三穂さんの匂いで相殺だ。……この服捨てるか。同じの買い足さないと。


「アリス……よくやった期待以上の戦果だ。今日はもう帰って良いぞ。ゆっくり休め。追って連絡する」

「了解……おつかれしたー」


 あたしは激しい戦闘後の後でアドレナリンが切れた影響だろうか一気に疲労が襲ってくるのを耐えながら箒で帰路に就いた。


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