ダイゴくんがオキナワの地から帰ってきてしばらく経ちます。
毎日楽しくはしゃぐダイゴくんと、
身体と魂を共有している私は、
オキナワの楽しい記憶と、帰ってきてからの楽しい日常を一杯に感じて、
心より幸せだと感じています。
ダイゴくんのイメージは、いつでもキラキラと輝いています。
ただ、排泄をした時などは気持ち悪いイメージになりますし、
眠い時などはモヤモヤしたものになります。
お父様もお母様も、ダイゴくんのその様子を的確にとらえてくださっていて、
イメージの共有ができる私以上に、
ダイゴくんをしっかりお世話してくださっています。
素晴らしいご両親であると改めて思います。
ご両親というものは、
ダイゴくんとイメージの共有ができていないというのに、
こんなにもダイゴくんを理解しているのだなと、
しみじみと、親という存在の偉大さを思います。
私はダイゴくんを、みんなに愛される勇者に導きたいと思うのですが、
このご両親の導きがあれば、
ダイゴくんはすくすく成長していって、
立派な大人になりそうな気がします。
ただ、立派なだけでなく、
私はダイゴくんをみんなに愛される勇者にしたいと思うのです。
そこに私の導きが役に立てればいいのですが、
私にどれほどの力があるでしょうか。
魂が落ち込んだ私を、
ダイゴくんの魂のイメージが包み込んでくれます。
言葉はまだ持っていませんが、
親御さんがなされるように、
心地よく撫でるようなイメージです。
なんて優しいのでしょうか。
私の力は微々たるものかもしれません。
すごい力を持って、こちらの世界にやってきたわけではありません。
ただ、ダイゴくんを幸せにしたいと思うのです。
それが私の幸せです。
ダイゴくんはハイハイをしていろいろなところに向かいます。
お家の中をダイゴくんは探検します。
いろいろなものを映しだすものは、
テレビと言うと、私は最近理解しました。
いろいろな声が流れてきますので、
ついつい注目するものです。
ダイゴくんもテレビには興味を持っているようです。
しかし、テレビはどんな仕組みなのでしょうか。
そこまではよくわかりませんが、
この世界なりの技術で作られたものかもしれませんし、
わからなくてもテレビに映っているものは楽しめます。
ダイゴくんはハイハイして、テレビの裏に入ります。
そこには、もじゃもじゃがたくさんです。
これはテレビが出したものでしょうか。
テレビは何かを映し出すという力を持った生き物で、
その生き物が裏に隠し持っている宝物であるのでしようか。
ダイゴくんはもじゃもじゃをつかんでテレビの裏から出ます。
冒険で得た宝物です。
お家という場所を冒険して、
こんな宝物を獲得して戻ってきました。
ダイゴくんは、その宝物を口にしようとします。
ダイゴくんは物を知る時に、
とりあえず口で確かめます。
身体を共有しているからわかりますが、
口が一番敏感で、物を理解するには一番いいのです。
もじゃもじゃを口にしようとしたら、
お父様にもじゃもじゃを没収されました。
お父様が言うには、
もじゃもじゃは埃であるようでした。
テレビの後ろは大人では入れないものであるらしく、
埃が溜まっていたようでした。
なるほど、小さなダイゴくんであるから、
テレビの後ろに入れたのだと私は理解します。
そして、埃ということは汚れであり、
ダイゴくんが口にしてはいけないということも理解しました。
大冒険で得たお宝が、
呪われていたものである可能性もあるということです。
これはお父様の判断が正しいです。
ダイゴくんが元気でいるためには、
呪われたお宝は処分するべきです。
ダイゴくんはちょっと不満げでしたが、
美味しいおやつをいただいたらすっかり忘れました。
楽しいことを考えていた方がずっといいですね。
ダイゴくんは空も飛びました。
ダイゴくんは海にも行きました。
ダイゴくんは親御さんの車に乗って、
いろいろなところにも行けます。
まだまだ親御さんに守られてではありますが、
ダイゴくんはどこにでも行けそうな気がします。
この世界がどれほど広いかはわかりませんが、
小さなダイゴくんからすれば、それこそ無限に広いような気がします。
ハイハイで行ける範囲よりも、さらにさらに広い世界。
その世界のみんなから愛されたら、それは素晴らしいだろうなと私は思うのです。
広い世界のどこに行っても、
ダイゴくんを見たら笑顔になって、幸せになってくれたら、
それこそがダイゴくんが愛される勇者であろうと思うのです。
そして、広い広い世界には、
たくさんの宝物があるのだと私は思います。
お家にあるおもちゃもダイゴくんの宝物ですが、
形あるものないものにかかわらず、
たくさんの宝物があるのだろうなと思います。
高価な宝物をたくさん手にすることばかりでなく、
本当に守るべきものを守って得た宝物は、
かけがえのない財産になるであろうと思います。
この世界にどれほどのものがあるかは、まだよくわかりませんが、
ダイゴくんの小さな手は、たくさんの大事なものを握るためにあるのだと思います。
お父様に取り上げられた埃のもじゃもじゃのようなものでなく、
本当の誇りをつかむための手であろうと思います。
ダイゴくんには、たくさんの宝物を手にして欲しいと願うのです。
たくさん冒険をして、苦難も乗り越えて、
喜びも手にして欲しいのです。
私の中では勇者とはそんなものであり、
また、世界のどこに行っても、
勇者であるというだけで歓迎され、愛される存在です。
ダイゴくんもそうなって欲しいと願います。
もしかしたら、ダイゴくんはダイゴくんというだけで、
すでに誰からも愛される存在になっているのかもしれません。
愛とは、宝物であると私は思うのです。
その宝物を、すでにたくさん持っている存在であるのかもしれないと思います。
ダイゴくんはキラキラと笑います。
そのダイゴくんを見てみんなもニコニコ笑っています。
ああ、宝物がたくさんあると私は感じます。
愛してくれているみんなが宝物ですし、
ダイゴくん自身も大事な宝物です。
ダイゴくんは大きくなったら、
もっといろいろなものを守れるようになるでしょう。
宝物は、ダイゴくんが求めるだけ、得られるのだと思います。
大丈夫。ダイゴくんはきっと何でもできます。
ダイゴくんは今日もハイハイしてお家の中を探検します。
時々面白そうな宝物を見つけては、
お父様やお母様から没収されます。
宝物はまだまだ小さなダイゴくんに早いものもあるようです。
それでもダイゴくんはお家の中をハイハイします。
見るものすべてが興味深いもので満ちています。
私もダイゴくんとイメージを共有してお家の中を見ます。
こちらの世界はきっともっといろいろなものがある。
私もダイゴくんも、この世界の宝物を見出せる日を楽しみにしています。