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第8話 ダイゴくんと猫さんたちのいる日常

季節は日々移り変わっていて、

少しあたたかさが増したように思います。

肌寒さがなくなって、

心地いい風を感じます。

花に満ちていた季節から一転して、

お散歩に出ているあたりでは、

木々が若い緑の葉をつけています。

生まれたての葉という意味では、

なんだかダイゴくんを思わせます。

今日も親御様たちとお散歩をして、

道行く人にご挨拶されたり、かわいいと言われたりしました。

ダイゴくんは、みんなが笑顔であるので、

気持ちよく笑顔で愛想を振りまきます。

心地いい季節の中、ダイゴくんは今日も元気です。


さて、ダイゴくんと親御様が暮らしているお家には、

なかなか会わせてもらえなかった生き物がいます。

それは猫さんたちです。

私はダイゴくんの身体に一緒におりますので、

ダイゴくんが会わなければなかなか会えないものです。

親御様たちは、猫さんたちが、

ダイゴくんに何かしないか、

あるいは、加減をまだよくわからないダイゴくんが、

猫さんに大変なことをして猫さんが引っかかないかなどを考慮して、

なかなか顔を合わせることがなかったようでした。

ダイゴくんもちょっと成長しました。

親御様たちのお話では、

ダイゴくんはもうすぐホイクエンに行くようなので、

ホイクエンのお子様たちとともに加減を知っていくことと、

猫さんたちをご兄弟としてもらいたい思いがあるのかもしれません。


ダイゴくんはいつもの力強いハイハイで猫さんたちに近づきます。

どうやら、オスの猫さんとメスの猫さんのようです。

オスの猫さんは、ダイゴくんをなんだこいつはという対応をされています。

まだ警戒をなされているようです。

メスの猫さんは、ダイゴくんのそばにやってきます。

ダイゴくんは猫さんをつかんだりもします。

つかみながら、猫さんというものを知っていきます。

メスの猫さんは、

ダイゴくんを猫の子どもの大きなものだと思っているのかもしれません。

私の子どもみたいなお顔をされています。

ダイゴくんには親御様がおられるのですが、

メスの猫さんは、ダイゴくんの良きお姉さまであるのかもしれません。

オスの猫さんも、じきにダイゴくんに馴染むことでしょう。

ダイゴくんのイメージの中で、

猫さんというイメージもできてきていて、

あいかわらずダイゴくんの中で言語にはなっていませんが、

親御様とは違う、モフモフした感触というイメージがあります。

にゃーと鳴くものということや、

猫という生き物であるということ、

人とは違うものだと理解するには、時間がかかるかもしれません。

それでも、無垢なダイゴくんのことです。

猫さんも敵ではないと理解するのに、

それほど時間はかからないような気がします。


ダイゴくんの周りには、ダイゴくんに害をなす存在はありません。

まだまだダイゴくんの世界は小さいかもしれませんが、

小さな世界であっても、すべてが自分を愛してくれたという記憶は、

ダイゴくんにとってきっと財産になろうと思います。

勇者ダイゴくんが持っている、とても強い力であると思います。

勇者というものは、きっと世界中に名がとどろくでしよう。

名前だけでは、勇者のことを悪く言う存在もあるかもしれません。

それでも、ダイゴくんが勇者になるほどの存在になりましたら、

ダイゴくんは、まず、幼い頃にしっかり愛されていて、

その場所にいる人たちや、いろいろな存在は、

確実にダイゴくんを愛していると感じながら大人になると思うのです。

愛が土台にあるということは、とても強いものであると思います。

その強さを持った勇者ダイゴくんは、

勇者ダイゴくんを悪く言う誰かを黙らせるくらいになりましょう。


いくつもの愛を感じて、確認して、

これほどしっかりとした愛があるということを勇者ダイゴくんの土台にして、

勇者ダイゴくんはさらにのびのびと健やかに成長していきます。

愛とはそれだけの力があると私は感じています。

確実に愛されたダイゴくんは、

どんなことがありましても土台が盤石です。

これから成長をしていき、勇者になるほどになるダイゴくんには、

この確かな愛というものが、不可欠になります。

ダイゴくんを害する存在があらわれましても、

ダイゴくん自身を作ってきた愛という土台と、

強く優しく健やかに成長するダイゴくんを前にして、

害する間もなく、味方になってしまうに違いありません。

無敵とはそういうことであるのだと私は思います。


ダイゴくんと、猫さんたちと、親御様たちと、

心地いい日常が流れていきます。

ダイゴくんはつい最近、

ホイクエンに入る式を執り行いました。

もうすぐ、親御様たちとしばし離れて、

先生たちやお子様たちと生活する時間ができるようです。

そして、ダイゴくんはもうすぐ一歳であるようです。

おばあ様のお家でみんなで何かをするようであるのですが、

どんなことをするのか、

私ではわからない言葉が飛び交っています。

飛び交う言葉の中で、

パーティーはなんとなくわかります。

楽しいことですね。

もしかしたら、ダイゴくんの一歳をお祝いしたパーティーでしようか。

それならばわかる気がします。

このダイゴくんを祝うのに、

いろいろな方がお目見えして祝ってくださるのかもしれません。

どれほどの方がいらっしゃるのかわかりませんが、

パーティーは楽しいもののはずです。

ダイゴくんが楽しいと、私も嬉しいです。


ダイゴくんはもうすぐ生まれて一年になるのですね。

毎日が新しいことに満ちていて、

ダイゴくんの身体でダイゴくんの意識を感じている私も、

毎日が新鮮な驚きです。

ダイゴくんの中のイメージでは、

次は何が起きるのだろうかと、

いつもワクワクしています。

この無垢な魂を守り、導いてあげたいと願います。

ダイゴくんが傷つくことがないように祈ります。

そんな願いや祈りをしているのは、

きっと私だけでなく、

たくさんの存在が願い、祈っているのだと思います。


ダイゴくんの一歳を祝うパーティーはどんなものでしょうか。

また、ホイクエンでお友達はこれからできるでしようか。

ダイゴくんは何を学んでどんな楽しいことを覚えるでしようか。

私もダイゴくんが何を感じるのかが今から楽しみです。


ダイゴくんの勇者への道はまだまだ続きます。

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