ダイゴくんはもうすぐ一歳になります。
少し前のパーティーは、どうやら皆様のご都合があったことと、
どうやらおやすみの日であったとのことで、
ダイゴくんのお誕生日の少し前に、皆様で集まれたようでした。
たくさんの人でお祝いされることは、
とても幸せなことだと思います。
ダイゴくんは覚えていないかもしれませんが、
私は覚えていようと思います。
ダイゴくんの誕生日まであと少しのようです。
お父様は、一歳になる前のダイゴくんと遊べるのも、
あと少しと言われています。
そんな考え方もおありなのですね。
ダイゴくんが一歳になりましたら、
一歳のダイゴくんと遊べるのは間違いないのですが、
今この時のダイゴくんと遊べるのは、
今この時だけだと考えるのも、素敵なことだと思います。
ダイゴくんのすべての瞬間を大切にしている考え方のように思います。
それこそが、愛なのでしょう。
素晴らしいことです。
ダイゴくんはホイクエンに通います。
会話を聞いていると、慣らしホイクというものらしいです。
慣らしはなんとなくわかります。
ホイクエンになれるまでのお試しと言った感じだとわかります。
あいかわらずホイクエンというものが、
お子様と先生のいる場所以外のことがわかりませんが、
親御様たちに代わってお子様たちを預かるということ、
それくらいはなんとなくわかってきました。
ダイゴくんはホイクエンでのびのびと過ごしています。
おもちゃもありますし、お子様たちもたくさんいます。
楽しいことがいっぱいです。
ダイゴくんはおばあ様も大好きです。
おばあ様のお家に行きますと、
ダイゴくんは甲高い歓声をあげます。
あまりにも甲高すぎる歓声でありますので、
ともすれば悲鳴にも聞こえるほどです。
ダイゴくんのお家の猫さんたちなどは、
ダイゴくんの甲高すぎる歓声は苦手のようです。
それでもダイゴくんは、おばあ様を目にしますと、
声が抑えられません。
楽しいという気持ちでいっぱいになってしまいます。
おばあ様もダイゴくんのことが大好きで、
たくさん遊んでくださいます。
ダイゴくんの中にいます私にも、
ダイゴくんの楽しいという気持ちが伝わってきます。
言葉よりも鮮やかな、楽しいというイメージです。
まだ言語になっていない、
言語よりも前の段階の、すべてが詰まっているイメージです。
純粋な、楽しいや幸せだけを感じているイメージです。
このまま濁ることなく大人になって欲しいと願ってしまうのは、
この世界に来る前に私が、
いろいろなことを経験してしまったからかもしれません。
ダイゴくんはそんなことお構いなしです。
ダイゴくんの中にいる私のことも、
ダイゴくんの異物としてでなく、
ずっと一緒にいるものとして受け入れてくれているのかもしれません。
私が以前のことを思い出して、
以前のことと、今のことを比べて、
悲しいことを思い出してしまったり、
逆にダイゴくんの純粋さに心打たれることがあっても、
ダイゴくんは以前の私の境遇など関係ないとでも言いたげに、
今を感じています。
楽しいことであったり、
美味しいものであったり、
おむつが不快になれば泣きますし、
もやもやと眠たい時にもぐずります。
ダイゴくんには今があります。
将来勇者になるというのは、私が思っていることであり、
ダイゴくんは今を懸命に生きています。
この一瞬を生きている。
だからダイゴくんはこんなにも輝いているのかもしれません。
この笑顔を曇らせたくないと、やはり私は願ってしまいますし、
幸せなまま成長していって、
みんなに愛される勇者になってほしいと願ってしまうのです。
悪と呼ばれた私のエゴでもあります。
エゴでもありますが、祈りでもあります。
どうか、ずっと幸せだけを感じて欲しいと祈るのです。
ダイゴくんと親御様たちは、
ベッドに一緒になって眠ります。
右に左に親御様たち、
真ん中にダイゴくんが寝ています。
ダイゴくんの意識が眠りにつきますと、
ダイゴくんの夢の中で、ダイゴくんの夢の意識と、
ダイゴくんの中にいる私とで、
その日あったことや、楽しいことなどを思い返します。
ダイゴくんの中で楽しいことは毎日たくさんです。
記憶は毎日たくさん増えていきます。
経験することも毎日たくさんです。
ダイゴくんの成長のスピードもとても速いです。
ダイゴくんの夢の中で、たくさんの物事が思い返されます。
言語になっていないので、イメージがたくさん渦巻いています。
中にいる私でも時々追いきれなくなるほどのイメージです。
ダイゴくんの夢の中は、起きているとき以上に、
おもちゃ箱をひっくり返したようなものです。
毎日経験する楽しいがめちゃくちゃになっています。
夢の中のダイゴくんは、楽しいをたくさん思い返して、
それはそれは楽しい夢を見ます。
見守る私もとても楽しいです。
しかし不意に、ごつんとなって夢が途切れてしまいました。
ダイゴくんの夢の意識がなくなってしまい、
突然ベッドの下にダイゴくんはいました。
ダイゴくんは訳が分からずびっくりして泣いてしまいます。
お父様がベッドから起き出して、
ダイゴくんを抱えて寝かしつけようとしてくれます。
どうやら、ダイゴくんが楽しい夢を見ている間、
ダイゴくんはベッドを転がるように移動していたようで、
最後にベッドから落ちてしまったようでした。
あまりにもめちゃくちゃで、とても楽しい夢でしたので、
身体の方も止まらなかったのかもしれません。
寝相という言葉を確か聞いたことがあります。
寝相が悪いとは、ベッドの上で寝返りをうちすぎて、
変な方向に行ってしまうと聞いたことがあります。
ダイゴくんの寝返りは、かなりの数であったのでしょうし、
今のダイゴくんは寝相が悪いのかもしれません。
ただ、それはとても楽しい夢を見ていたためです。
楽しい夢を見ていると同時に、
ダイゴくんの夢の中で、
いろいろな物事をイメージとして整頓しようとしているのだと思います。
ダイゴくん自身は整頓の意識は無いかもしれませんが、
いろいろな経験を覚えようと、定着させようとしているのだと、
私はなんとなく思います。
それはあまりにも自由なイメージの渦ですので、
まだまだめちゃくちゃな楽しい夢です。
ダイゴくんはそんな楽しい夢を見ながら、
ちょっとずつ成長しているのだと思います。
楽しい夢が、ベッドから落ちて途切れてしまうこともあるかもしれませんが、
ダイゴくんの楽しいことはまだまだたくさんあるのだと思います。
何度転げ落ちても、楽しい夢を見るのは止まらないと思うのです。
転げ落ちて泣いてしまっても、
まだしばらく寝相が落ち着いて眠ることはなさそうだと思うのです。
親御様たちはなかなか大変かもしれませんが、
これもダイゴくんの成長として、お世話をして欲しいと思うのです。
ダイゴくんの中にいますので、私からお礼は言えませんが、
親御様たちにはとても感謝をしています。
いつかダイゴくんが大きくなった際には、
ダイゴくんも親御様たちの愛の大きさがわかるかもしれません。
それまでまっすぐに育ってほしいと私は願うのです。
愛に包まれて育ち、愛することをちゃんと覚えて育つ。
そうすることにより、
人々に愛され、人々をちゃんと愛せる、
この世界の勇者になれるのだと思います。
勇者として、いろいろな能力が必要かもしれませんが、
まずは愛し愛されることが必要であると思うのです。
ダイゴくんは成長するにしたがい、いろいろな能力を備えていくでしょう。
まずは、愛されることをしっかり感じて欲しいと私は思うのです。
愛が勇者の土台であると思うのです。
ダイゴくんの勇者への道はまだまだ続きます。