うーん。頭が重い。
ぐわんぐわんする。
どれだけたったのだろうか?
ここがあの世か。
猫しかいない、、、。
色とりどり、模様も毛づやも違えば、当然においも違う、、、。
ん?におい?
こんなに暗やみで見えて、におうものだったっけ?
灯りをつけて、鏡を探す。
川辺に出ると。水面に映るそれは、見たことがあった。
ポチ?
毛繕いしている。自分が?
どうなっている?
するとにおいを嗅ぎ付けたのか、
オス猫たちに取り囲まれた。
「今日こそ返事を聞かせてくれ。」
「何の話?」
「忘れたふりか。まあいい。ここであったが吉日。俺らのものになってもらうぜっ!」
「何を!我に触れるな!」
咄嗟に臨戦体勢を取る。
そして襲いくるオス猫たちを従え、必死に逃げ回る。
いつしか人里へ。
すると近づいて来ず、散り散りになって逃げていった。
「おお?ずいぶん高そうな猫だ。
捕まえてペットショップに売り飛ばそう!」
「いたぞ!」
今度は、人から追われ、また逃げ回る。
傷つき、足も弱り、気づくと、大きな桜の木のある、芝生の丘に辿り着いた。
人の気配も、生き物の気配もない。
芝生のいいにおいがする。
今夜の宿は、この木の上かな。
一周すると。
猫の足で。100歩かかった。
そして、うとうとし始めた。