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第5話 気づくと、ポチになっていた。

うーん。頭が重い。

ぐわんぐわんする。

どれだけたったのだろうか?

ここがあの世か。

猫しかいない、、、。

色とりどり、模様も毛づやも違えば、当然においも違う、、、。


ん?におい?


こんなに暗やみで見えて、におうものだったっけ?


灯りをつけて、鏡を探す。


川辺に出ると。水面に映るそれは、見たことがあった。


ポチ?


毛繕いしている。自分が?


どうなっている?


するとにおいを嗅ぎ付けたのか、

オス猫たちに取り囲まれた。


「今日こそ返事を聞かせてくれ。」

「何の話?」

「忘れたふりか。まあいい。ここであったが吉日。俺らのものになってもらうぜっ!」

「何を!我に触れるな!」

咄嗟に臨戦体勢を取る。

そして襲いくるオス猫たちを従え、必死に逃げ回る。


いつしか人里へ。

すると近づいて来ず、散り散りになって逃げていった。


「おお?ずいぶん高そうな猫だ。

捕まえてペットショップに売り飛ばそう!」

「いたぞ!」


今度は、人から追われ、また逃げ回る。


傷つき、足も弱り、気づくと、大きな桜の木のある、芝生の丘に辿り着いた。


人の気配も、生き物の気配もない。


芝生のいいにおいがする。


今夜の宿は、この木の上かな。


一周すると。


猫の足で。100歩かかった。


そして、うとうとし始めた。

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