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第7話 未開の森にて

いくつもの川をわたり、山を越え、谷をゆく。

そこには人の手入れされていない、未開の森があった。

近くの廃屋となった山小屋に忍び入り、軽そうななたと木の小づちを借りた。

これでも猫の身体には大きいが、背に腹は代えられぬ。


なたで小枝を打って柵をこしらえ、

杭を打って、荒れ果てた畑だったところを手入れし、ならしていく。


頭身を振り上げ、重みを叩きつける。


基本は、この繰り返し。


このなたは便利アイテムだなあ。


ふかふかになったところで、花を摘む。


なぜか、幸せいっぱいになった。


種は、そこかしこに自生した野菜がいいだろう。


いくらかは、山小屋から借りた種だったけど。


まだ何ができるか、わからない。


楽しみだなあ。


それから、獣害との戦いに暮れた。


小枝の弓矢で射貫く。


右に流れたが、あらかじめ左を狙い打ちした。


簡単な罠も仕掛けた。


掘りを作り、出入口には鈴をつける。


そこで鳴ったら、弓矢で射貫く。


面白いように、獲物が取れた。


そんなこんなで、山小屋暮らし。


お掃除して、きれいに片付ける。


魚を捌き、獣を蒸し焼きに。


美味しい!


岩塩がきいてる!


楽しいなあ。


こんな日々が一生続けばいいなあ。



そして。


かれこれ一年が経とうとしていた。


また、意識が伝わってくる。


やりましたね!


樹齢レベルがアップしました!


弓矢も、農耕も、お掃除も、お料理も、レベルアップします。


魔力を込めてみてくださいませ。


んー?


曲がった?


しかも早く、正確に、急所をつける!


しかも、何本も同時にできる!


これは確かに、矢の雨だ。


魔力を込めて、アンテッドにも通用しそう。


マジックレイン、かな?


ますます、楽しみだなあ。



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