いくつもの川をわたり、山を越え、谷をゆく。
そこには人の手入れされていない、未開の森があった。
近くの廃屋となった山小屋に忍び入り、軽そうななたと木の小づちを借りた。
これでも猫の身体には大きいが、背に腹は代えられぬ。
なたで小枝を打って柵をこしらえ、
杭を打って、荒れ果てた畑だったところを手入れし、ならしていく。
頭身を振り上げ、重みを叩きつける。
基本は、この繰り返し。
このなたは便利アイテムだなあ。
ふかふかになったところで、花を摘む。
なぜか、幸せいっぱいになった。
種は、そこかしこに自生した野菜がいいだろう。
いくらかは、山小屋から借りた種だったけど。
まだ何ができるか、わからない。
楽しみだなあ。
それから、獣害との戦いに暮れた。
小枝の弓矢で射貫く。
右に流れたが、あらかじめ左を狙い打ちした。
簡単な罠も仕掛けた。
掘りを作り、出入口には鈴をつける。
そこで鳴ったら、弓矢で射貫く。
面白いように、獲物が取れた。
そんなこんなで、山小屋暮らし。
お掃除して、きれいに片付ける。
魚を捌き、獣を蒸し焼きに。
美味しい!
岩塩がきいてる!
楽しいなあ。
こんな日々が一生続けばいいなあ。
そして。
かれこれ一年が経とうとしていた。
また、意識が伝わってくる。
やりましたね!
樹齢レベルがアップしました!
弓矢も、農耕も、お掃除も、お料理も、レベルアップします。
魔力を込めてみてくださいませ。
んー?
曲がった?
しかも早く、正確に、急所をつける!
しかも、何本も同時にできる!
これは確かに、矢の雨だ。
魔力を込めて、アンテッドにも通用しそう。
マジックレイン、かな?
ますます、楽しみだなあ。