そうして、月日は流れた。
幸いなことに。
人里からも、猫の村はずれからも、遠いので、誰も来なかった。
相方は、桜の妖精。
桜皮(おうひ)と名付けた、桜姫。
かれこれ5年くらいたったろうか?
彼女は、美しい少女になった。
ありがとうございます、、、。
また、意識が伝わってくる。
こんな調子で、会話はいらない。
でも、
ちょっぴりさみしいかも、、、。
あ、こんなことを思わず。
はい、大丈夫ですよ?
そろそろ人里恋しいでしょう?
そうですね、、、。
そのままの姿では、危ないでしょうね、、、。
ですがご安心を。
主さまも、わたしのように、ヒト型に化身できますよ?
耳を、ふさふさの髪の毛で隠しましょう。
そんなことできるんだった?
よーし、魔力を込めて、
いざ、化身!
光の渦に飲まれ、姿を変える。
また、頭が痛い。
鏡を見ると、
お年頃の猫娘になった。
樹齢レベルは5。
どんどん技がお互いに増えている。
エアカッターも覚えた。
これで。
伐採と採取のスキルは、格段に上がった。
魔法適性が高いのは、妖精ならではだろうか?
魔力を共有しているので、ある程度は底なしである。
これなら、いわゆる冒険者になれるかな?
はい、大丈夫です。
主さまなら間違いありませんよ?
簡単な採取のクエストをこなして。
まずは生計を立てないと。
斧がほしいし。
やっぱりサバイバルと言えば、斧である。
真新しい、ピカピカの斧が。
鍬やなんかも。
山小屋のボロいリュックに、ありったけの野菜を詰めて。
あるいは、ピカピカの夢を乗せて。
猫娘と鉢植えの妖精少女は、人里へ。
さあ、いざ参りましょう!