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第8話 それは始まりの物語

そうして、月日は流れた。


幸いなことに。


人里からも、猫の村はずれからも、遠いので、誰も来なかった。


相方は、桜の妖精。


桜皮(おうひ)と名付けた、桜姫。


かれこれ5年くらいたったろうか?


彼女は、美しい少女になった。


ありがとうございます、、、。


また、意識が伝わってくる。


こんな調子で、会話はいらない。


でも、

ちょっぴりさみしいかも、、、。


あ、こんなことを思わず。


はい、大丈夫ですよ?

そろそろ人里恋しいでしょう?


そうですね、、、。


そのままの姿では、危ないでしょうね、、、。


ですがご安心を。


主さまも、わたしのように、ヒト型に化身できますよ?


耳を、ふさふさの髪の毛で隠しましょう。


そんなことできるんだった?


よーし、魔力を込めて、


いざ、化身!


光の渦に飲まれ、姿を変える。


また、頭が痛い。


鏡を見ると、

お年頃の猫娘になった。


樹齢レベルは5。


どんどん技がお互いに増えている。


エアカッターも覚えた。


これで。

伐採と採取のスキルは、格段に上がった。


魔法適性が高いのは、妖精ならではだろうか?


魔力を共有しているので、ある程度は底なしである。


これなら、いわゆる冒険者になれるかな?


はい、大丈夫です。

主さまなら間違いありませんよ?


簡単な採取のクエストをこなして。


まずは生計を立てないと。


斧がほしいし。


やっぱりサバイバルと言えば、斧である。


真新しい、ピカピカの斧が。


鍬やなんかも。


山小屋のボロいリュックに、ありったけの野菜を詰めて。


あるいは、ピカピカの夢を乗せて。


猫娘と鉢植えの妖精少女は、人里へ。


さあ、いざ参りましょう!

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