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第9話 初めての街

そこは、名もなき街。

どこの国や地域にも属さぬ、中立地帯。

そこがおすすめだと、桜皮(おうひ)が教えてくれた。


昔は、ルーダの街、今は名を捨てて失なわれた。


ロストの街。

あえていうなれば、これである。


相次ぐ争いの末に、中立を選ぶ。


だから、

さまざまな国や地域からも、行商がやってくる。


人とは限らない。

当然ながら、喋る猫もいる、、、。


ルシオロ族と言うらしい。


他にも、人外の、獣族、妖精族。


いろんな種族がいて、さまざまなものを取り扱いしている。


ここならば。

カレーもあるはず。


「カレーとは何でしょう?」


「簡単に言うと、スパイス入り野菜煮込みかな?」


「ああ、漬物でしょうか?」


いあ、それはキムチ鍋、、、。

というのは、伝わらないか。


キムチ鍋はあるんだな。


でも、カレーが食べたい!


お寿司は、我が捌き作ればよいが、

カツカレーが食べたいのだ。


「そんなに美味しいのでしょうか?」


「たぶんね。君の舌に合えば」


「楽しみですね!カレー!」


カツカレーね、、、。


酒場に着くと、カウンターへ。


とりあえずお酒。じゃないジュースを。


未成年とかあるんだったかな?


まあいい。


「スパイス入りの料理ってある?」


「ごめんなさい、ここにはないの。

でも、

あの人なら何か知っているかも!」


見ると手を振る白髪の男。


「情報屋か?」


「タダでは何も教えてやれないな。

あー、喉が乾いたなあ。」


仕方ない。

店員に合図して、ごちそうする。


「ああ、そうだ。町外れに、ホッと亭という、舌も焼ける小料理屋ができたらしい」


「ありがとう」


合図して、立ち去る。


舌も焼ける?

どれだけスパイシーなんだろうか?


期待を胸に、町外れに向かう。


今からならば、夕暮れまでには、

ロストの街に帰れるだろう。

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