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第11話 宿を取ろう

さて。


おなかいっぱい、夢うつつ、

汗だくで、夢中になった喉を、

冷えたラッシーで。


あ?


汗だく=においだらけ?


まずいなあ、

ルシオロ族に気づかれるかも。


あ?


そういえば名前!


ポチ?のままじゃまずいなあ。


ポチ、ポトフ、ボルシチ、、、。


ポルミオ・ルジオ・シレトス。


こんな感じでどうだろう?


アナグラム?


まあいい。


主さま、良きお名前ですね!


意識が伝わってくる。


柔和な笑みがとなりにあった。


考えて、


藪にわけ入り、

猫に戻り、

川辺で汗をぬぐい去り、

藪に忍び入り、

ヒト型に化身し、

ロストの街に帰った。


またまた、頭が痛い。


めんどくさいが。しょうがない。


まずは宿を取ろう。


「旅の方ですか?」


「ああ、今晩一晩だけ頼む」


「ではお名前をお願いいたします」


主さま、ポルミオ・ルジオ・シレトスですよ!


「ぽ、ポルミオ・ルジオ・シレトス」


助かったよ桜皮(おうひ)。


「わたしは桜の姫で桜姫です♪」


「あらかわいらしいお嬢さん、笑顔がすてきね!」


「ありがとうございますおかみさま」


「いやだわおかみさま、だなんて。

よし、いくらか負けておくわね♪」


「助かる、恩に着るよおかみ」


役得だなあ。まあいいか。


にっこり微笑みあう。


さて。


宿も決まったので、買い出しに出かけよう!


まだ昼を回ってから、夕暮れまでには小一時間ほど残っている。


「あ。お二人さん。

お風呂入るなら、夕飯ごろすぐにお願いね?」


「はい、おかみさま。お夕食前には

戻りますゆえ」


コミュ力高いなあ。さすが相方。


ありがとうございます♪

いつもお慕いしております、

ポルミオさま。


意識が伝わってくる。


平和だなあ。いつまでも続けばいいなあ。


そうして市場へ向かった。

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