「わたしと旅をしない?
リビエラさまなんか忘れてさ。」
いつになく真剣な顔で、
リッタは続けた。
リッタは。
唯一、
リビエラを説得できる、
切り札だという。
何でも返すスキル。
それは、
相手が強大であるほど、
威力を期待できる。
うまくすれば、
騙して無力化できる。
それを盾に脅して、
うまく説得できる。
まさに魔女の良心であり、
今までもそれで、
説得して収めてきた。
が。
もうガマンの限界であると。
だから、
猫たちと反旗を翻って、
何とかしたい。
しかしながら、
とてもリスキーだ。
しくじったら、どうなるか。
次はない。
でも、
遅かれ早かれ、避けられない。
だったら、任せてほしい。
ありがたい提案だが、
まずは。
「ふうーっ。」
と、
大きな延びをしてから、
ズズーっ。
何杯目かわからない、
フルーツいっぱいジュースを
乾いた口へ流し込む。
さて、どうする?