神社に珍しく人がいなかったことが幸いして、私は老齢のベテラン巫女から『悪縁切りのからわけ』に関して、割る前に唱える呪言や、作法などを詳しく聞くことができたのです。
私は、巫女に教わったやり方を、キチンとやることにしました。
まずは、本殿に今日、参拝に来た趣旨を説明した後に、『からわけ』を手にして、指定された場所に行くと、教えられた呪言を唱えつつも、心の中で縁を切りたい事を浮かべながら、『からわけ』に嫌なコトを移すイメージを描きます。
『会社や家にいる貧乏神や疫病神、1ヶ月前に出てきた呪いの人形、そして30年間、放置していた禍々しいパワーストーン、私や母親の息子の病気、私が見た呪詛と怨霊。』
これらの悪い念を『からわけ』に移動させるイメージを浮かべます。
順を追って、これらのコトは詳しく書きますが、1~2年前ぐらいから、目を覆いたくなるぐらい、不運なことが次々と重なって、家族全員がとても苦しんでいたのです。
-それらのコトをザッと説明すると-
私の町工場は、自動車の不正問題や、ウクライナ戦争での電子部品不足などが影響し、本当に疫病神や貧乏神に取り憑かれているのか…というぐらい、危機的でかつ、とても辛く厳しい状況が続いています。
○呪いの人形は、私の実家を片付けている際に出てきましたが、その人形が入った段ボール箱に手をかけた瞬間に、家の中がカタカタと揺れました。
人形が入った段ボール箱を持ったとき、少し離れた場所にいた妻は、どこからともなく、お経の声が聞こえたと言って震えていました。
○禍々しいパワーストーンに関しては、同じく実家にあった30年間も放置していたアメジストの大きなクラスタを3個見つけた時は、近くに寄っただけで目眩がして、妻がそれを見ると自然にイライラしてしまう現象がありました。
○病気については、私は胸腺腫という病気で大きな手術になりましたし、母は去年の暮れに敗血症で倒れて、下半身が動かなくなって要介護5の状態です。
私の息子は中学3年生の受験をひかえた夏休みの終わりに、起立性調節障害を患って、学校に全く行けなくなって、卒業するまで苦しんだのです。
○呪詛に関しては、私がある日の夜中に目が覚めると、墨字の草書で書かれた呪詛のような文字がスクロールして流れると同時に、ベッドのそばに半透明の女性の幽霊が浮かび上がる騒動があって、それを4回も見ているから、怖くて仕方ありません。
最初に見た呪詛は、幽霊がいない状態で天井に呪詛が出たのみでしたが、その時は『たぶん、目が覚めたばかりだし、寝ぼけていたのと同時に、色々と疲れが出ただけだろう』と、思っていました。
2度目は、天井と壁全体に呪詛が出て、ベッドの脇に幽霊が見えたので、流石に、お寺に駆け込んで祈祷をしてもらいました。
3度目は、幽霊はいませんでしたが、天井や壁全体に呪詛が見えましたが、呪詛の文字が小さい上に、梵字が呪詛の先頭にのっているのです。
そのせいか、恐怖心が全くなかったので、それを見ながらトイレに行く為に立ち上がりましたが、トイレから戻ると呪詛は消えていました。
4度目は、色々な効果があったお陰なのか、幽霊もいなくて、呪詛が小さくなった上に、呪詛の上に梵字がポンとのっていて、呪詛の文字が砂のように崩れていました…。
あとは、コンビニの駐車場で接触事故を起こしたり、工場や家の中の機械や機器、モノが相次いで壊れる現象が驚くほどに多発して、もう泣きたくなるぐらい、大変なことが、次々と起こり続けていたのです。
◇
それらのコトを頭の中に浮かべながら、悪いことを『からわけ』にうつすイメージを浮かべつつ、『からわけ』を地面に叩き付けると、綺麗に砕けました。
-その『からわけ』を割ったのと同時刻…。
私の家にいた妻は、家の中で強風でもないのに、窓や網戸が「カタカタ」と揺れる音を聞きます。
会社の事務所で仕事をしていた弟は、皿が割れたような「カシャン」という空耳が聞こえたそうです。
その後、母親の病院に行って入院費を払って母を見舞った後に、家に戻った訳ですが、私の顔を見ると、妻や弟が、奇妙な現象を次々と口にするので、内心、とても怖くなってきました。
2人の「気のせい」である懸念を払拭するために、私は妻と弟に対して神社に行って『からわけ』を割った時間を伏せています。
私が神社に直前まで、母の病院に行って入院費の支払いを先にするか、神社に行くのを先にするのかを迷っていたので、2人は、私が何時頃に神社に行ったのかは分かりません。
そして、その現象が起こった時間を2人に尋ねると、私が『からわけ』を割った時間だったのです。
『参ったなぁ…。何か、悪いモノが、家や会社にズッといたのだろうなぁ…。』
その後は、背筋が寒くなる想いをしながら、仕事をしていました。
後日、私は『からわけ』を割った神社とは別の、かなり大きな神社に行って、『悪いモノを祓う』目的で、神棚のお札を頂いたのは言うまでもありません。
要するに、会社や家の中に『疫病神』や『怨霊』的な何か悪いモノが、長年に渡って住み着いていたのでしょう。
それを『からわけ』に移して『割った』から、『それらの悪い奴らとの縁が切れた』というコトでしょうから。
くわばら…くわばら…。