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12.実家から出てきた呪いの人形。 ~その7~ 呪いの人形の後日談。

 先に書いておきますが、『後日談を交えたウンチク話』になってしまった件は申し訳なく…。 


 その後、人形に憑いていた悪霊の残滓に関しては、とくに体の悪いところもなく、会社や家庭に大きな不運が訪れる事もありませんでした。


 頭痛に関しては、2~3日ぐらい経つと徐々におさまりましたが、仕事ができないほどではありません。


 ごくたまに、突拍子もなく痛むこともありますが、しばらくすれば、痛みもなくなります。


 念の為に、私が胸腺腫の手術をした際のフォロー診察を受けた時に、主治医に頭痛を訴えてみますが、どこも悪くない感じですから、単なる偏頭痛で済みました。


 私も色々とあって、肉体的・精神的にも疲れが溜まっていますし、人形に憑いていた怨霊の霊障の影響も強かったのでしょう。


 余談ですが、一般常識的に体の具合が悪い場合、自然治癒で治らないと判断すれば、まず始めに医者に行って、治療を受けて病気を治すのが、ごく普通のあり方です。


 スピリチュアルに傾倒をしている人は、どうも初っ端からソッチ方面に走りがちですが、それは絶対にダメです。


 ちゃんと医師の診察通りに薬も飲んでみて、治らなかったり、何らかの疑問があるなら、医師を変えてみたり、セカンドピニオンも受けてみて、それでも治らない場合は初めてソッチを疑いましょう。


 末期癌のような、現代医学でも根治が無理な不治の病はともかくですが…。


 おっと、脱線しそうなので、話を戻します。


 週末になって家族全員で成田山に参拝に行って、できる限り呪いの人形に憑いた悪霊の残滓を祓い除ける努力をした後に、弟と私だけで香取神宮に参拝をしました。


 高校生の息子と、5歳の娘と一緒に寺社を巡るのは、子供たちにとってストレスになってしまうので、子供達は妻と一緒にショッピングセンターで遊ぶのは仕方がないことかと…。


 ここで、成田山はともかく、香取神宮の解説をしますと、香取神宮は、経津主大神ふつぬしのおおかみが主祭神で、創建は神武天皇18年と伝わっているぐらい、とても古くて由緒正しき神社であります。


 この香取神宮の周辺地域は、江戸時代まで霞ヶ浦が『香取海』という大きな海であったことから、その対岸にある鹿島神宮と対をなす神社として、古来からこの2つの神宮は、時の権力者からも重要視されてきました。


 ちなみに、鹿島神宮と香取神宮、それに2つの神社の間にある息栖神社は、『東国三社』と呼ばれていて、江戸時代からセットで巡拝されるルートでして、三社を巡れば絶大な御利益があると言われています。


 参拝の順番は問わないようですが、鹿島神宮→息栖神社→香取神宮のルートでお参りするのが無難なようです。


 また、話が大きく脱線しそうだし、このままだと本題に入る前に鹿島神宮と息栖神社まで語ることになりそうなので、先に結論から言うと、今回は時間の関係もあって香取神宮のみ参拝します。


 そして話を戻すと、香取神宮を訪れた目的は無論、『人形に憑いていた悪霊の残滓を祓う』ための参拝でした。


 香取神宮は、本殿の他に、色々な神が祀られた社などもありますが、本宮はもちろん、奥宮にある、経津主大神の荒魂あらみたまに参拝することが最大の目的でして…。


 経津主大神は、日本神話にて、武甕槌大神たけみかずちのおおかみと共に、大国主命に国譲りをするように説得をしたと言われていますし、経津主大神は剣の神様とも呼ばれています。


 その香取神宮の奥宮にある荒魂のお力は強く、奥宮の入口にある看板には『荒ぶる魂は邪気を祓い、霊妙なご神気のもと、破邪顕正の働きも活発に、開運厄除心願成就のご加護を得られます』などと書かれているぐらい御利益があるのですが…。


 荒魂は本殿の平時の神様とは違って、裏表情を持つ側面の神様なんて意味もありますから、何か自身に不手際があって怒られた場合、とても恐ろしい部分があります。


 だからこそ、奥宮までキチンとお参りをするのが当然でありまして…。


 弟と一緒に、香取神宮の本殿を参拝した直後から、その神気の強さに気触りがして、頭がクラクラする状態でしたから、やはり、私に憑いているものが神様によって祓われているような気がしてました。


 そして、次は少し離れた所にある奥宮に向かいます。


 この奥宮は本殿から外れて、民家が建ち並ぶ道路を歩くような場所にありますが、奥宮の入口には社務所があるほど、シッカリとした造りになっています。


 その奥宮を弟と一緒に参拝している時でした。


 私や家族に憑いている悪いモノを祓って頂くように、そして、私たち家族や会社の運気が上がることも合わせて願を掛けたのですが…。


 参拝している最中に、頭から何か重たいものがフッと抜ける気がして、奥宮の上を見ると、白くぼやけている感じではありますが、神様のような影が、一瞬だけ見えたのです。


『…布津主様の荒魂が祓ってくれたのか…。』


 私は意図的に霊や神仏なんて見えませんから、偶然に見えてしまっただけでしょう。


 おそらく、私に憑いているものが酷くて、神様が見かねて祓ってくれたのは明らかですから、有り難かったと感じた瞬間でした。


 それ以降、肩が重かったり、首を締め付けられるような感覚や頭が痛くなったりすることは、殆どなくなりまして、呪いの人形騒動に関して『解決をした』と、言い切れる状況です。


 …いやはや…。


 皆様、くれぐれも、人形などの類をズッと何年間も放置するのは、色々な意味で危ないことを知って頂けると幸いです。


 そして、霊感がなくても、放置した人形が、怖かったりゾッとするような感覚があるなら、迷わず人形供養のできる寺社へ。


 下手をすれば、私たちのように酷い目に遭う可能性があるのですから。

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