東国三社参りで、ここだけは押さえたいポイントのような場所を、私の勝手なチョイスで取り上げようと思っています。
どの場所も、とても御利益があるのですが、全てを網羅してしまうと文字数と話数が足らないばかりか、この作品自体が『神社仏閣ガイド』となってしまう危険性を懸念した次第でして…。
読者の皆様には、私の勝手な判断で多くの場所を割愛したことを、お詫び申し上げます。
●鹿島神宮
○高房社
本殿のそばにある、小さなお社ですが、鹿島神宮の公式サイトでも紹介されている通り、ここのお宮を参拝してから本殿に参拝する、古くからの習わしがあります。
このお社は、
知らない人が大半でしょうし、高房社を参拝しなくても、天罰が下るとか神様が嫌がるなんて事はないと思いますが、私は、このお宮を最初に参拝してから本殿を参拝することにしています。
○本殿(拝殿)
本殿や拝殿は江戸時代、徳川2代将軍の秀忠が寄進したもので、重要文化財に指定されていて、祭神は
本殿や拝殿が別れているお社でして、本殿は神様がいる場所なので入れないので、拝殿の前に置かれている賽銭箱の前で参拝をします。
○奥宮
武甕槌神の
『個人の判断に任せますが』、奥宮で参拝をする際は、なるべく柏手の音を出さずに手を叩くと良いと言われてまして…。
武甕槌神の荒魂は猛々しい側面があるのと同時に、よっぽどの非常時以外はお休みになられている事が多く、荒魂を起こしてはいけない…なんて、配慮があるようです。
余談ですが、神様の穏やかな側面は
○要石
香取神宮と対をなして、地震を抑えていると言われていまして、鹿島神宮の要石は中央部に凹みがあります。
鹿島神宮や香取神宮の要石は、男性ならヒョイッと持てそうな程度の石が、チラッと見えるだけですが、侮ってはいけません。
水戸光圀が、七日七夜にわたって、要石を掘り起こそうとしましたが、掘り起こせなかった話があるぐらい、実際はとても大きい石らしいです。
△御手洗池
鹿島神宮の御手洗池は冬になると禊が行われるぐらい要所ですし、お水取りができる場所や、食事が可能な売店もあるので、お薦めしたいところですが、急な坂や階段が多く歩く距離もあるために、高齢者や足の悪い人、幼児や体力がない人にはお薦めできません。
ちなみに、自家用車での参拝なら御手洗池の近くに無料駐車場がありますが、土日になると参拝客が多いですから、車を移動させるのが困難な場合もあります。
*その他にも本殿の向かいにある仮殿も重要文化財ですし、手水舎の隣にある小さい幾つかのお社も、お力がありそうですから、お参りしておいたほうが良いです。
●息栖神社
○本殿
昭和35年頃に火災により、1700年代に建てられた本殿が焼失していて建て替えられていますが、良いお社です。
祭神は
鹿島神宮や香取神宮などと比べると、落ち着いたお社ですが、古くからある由緒正しき神社とあって、境内に入ると空気が違う気がしました。
私の勝手な感覚だと、鹿島神宮や香取神宮を『繋いでいる』のが、この息栖神社だと思っていまして、かなり重要な位置にいる神社だと思います。
○
この周辺の霞ヶ浦がもっと大きくて『香取海』と呼ばれていた頃から、海水を押しのけて湧き続けていることから『潮を退ける』という意味で、忍潮井と呼ばれているようです。
忍潮井は日本三霊泉の1つですが、井戸は境内にはなくて、息栖神社の境内から出て道路を歩くと、船着き場の近くに2つの鳥居があり、その鳥居の下に井戸があります。
それぞれ、男瓶・女瓶と別れていて、その井戸を瓶がハッキリ見ることができれば、運が開けるとも言われていますし、男瓶の水を女性が、女瓶の水を男性が飲むと、縁が結ばれると言われていました。
2つの井戸は飲用不可ですが、境内にお水取りができる場所があり、その水は忍潮井と同じ湧き水であるとのことです。
*他にも、樹齢1000年の御神木があったり、
境内や駐車場は猫が多いので、猫好きにとっては、たまらない神社かも…。
●香取神宮
○本殿(拝殿)
本殿や拝殿は1700年代の江戸時代に徳川幕府が造営され、今は重要文化財に指定されていて、祭神は
漆を基調とした漆黒のお社は必見なのですが、これを執筆している2025年7月現在、本殿や拝殿を含めて改築工事中の場所が多く、工事完了後の景観が楽しみであります。
香取神宮の参拝作法はごく普通なのですが、境内が広い上に、数多くの末社が境内に散見しているのが特徴です。
○奥宮
香取神宮の奥宮は、経津主神の荒魂が祀られていて、お社は小さいですが、1973年の伊勢神宮御遷宮の際の材木を再利用していますから、お力が凄まじい気がします。
鹿島神宮の紹介でも述べた通り、経津主神の荒々しく猛々しい側面を祀っていますが、こちらは普通に参拝して大丈夫なようでして…。
私の極めて個人的な感覚としては、こちらの奥宮が、いちばんお力がある気がしています。
奥宮の場所に関しては、本殿から思いっきり外れた場所にありまして、民家が建ち並ぶような場所の道路をひたすら歩くと、ヒッソリとあります。
奥宮専用の社務所もあって、ここでも御朱印は無論、お守りやお札などが頂けますので、ここが香取神宮にとって、重要視されていることがよく分かります。
ちなみに、室町時代の剣聖、飯篠長威斎の墓が奥宮のすぐそばにありますが、ここは割愛させて下さい。
○要石
香取神宮の要石は、鹿島神宮と対をなして地震を抑えていると言われ、石は凹みもなく、つるっとしています。
ここも、本殿から外れた場所にあって、民家が建ち並ぶような小道を歩くと、突然にあるので見逃さぬようにして下さい。
要石のすぐ後ろに、小さいお稲荷様のお社があったり、護国神社の分社がありますが、この辺も割愛します…。
*ちなみに、香取神宮は、境内の奥まで行くと鹿がいたり、源頼義の祈願によって三つ叉になったとされる三本杉や、大きな御神木、前述でも述べた通り、小さい末社などが幾つもあります…。
全部を回りきるのは大変だと思いますので、気になった場所だけをお参りすると良いかと思います。
これにて、東国三社参りの詳細は終わります…。