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18.30年間放置されたパワーストーン ~その4~ パワーストーンの呪詛。

 私の嫌な予感は的中しました。


 それは、、、『』だったのです。


 私は人よりも霊感あるせいか、このような呪詛を何度か見ているのですが、私が以前に見た呪詛とは全く異なるものでした。


 心配なのは、以前に見た呪詛の多くは仮名の草書で書かれたものがスクロールして見えましたが、今回は呪詛の文字の大きさが以前のモノとは違って小さいし、文字は固定されていて、漢文であるのが奇妙であります。


 この呪詛に関しては、何度か同じような時間帯に見ていて、確実に私の寝起きを狙ってくるから、容赦がありません。


 これを見たのが、おおよそ午前3時~4時前後ですから、丑三つ時に近いので、神仏の力がとても弱いときに、隙を突かれている事が容易に想像できます。


 私がここで見ている呪詛ですが、天井に筆文字の漢文のようなモノがA2サイズ程度で浮かび上がって、脅すように少しずつ近づいてきます。


 ちなみに、私が呪詛に対して、どう立ち向かったのかを説明するために、少しだけ豊川稲荷のコトや仏教関連の詳しいことを書かなければ、理解不能に陥る読者が多いと思います。


 これを執筆している半年以上前から家や会社に相次いで不運が訪れた時に、私たち家族は、仕事の合間に豊川稲荷東京別院へお参りに行くようになりました。


 豊川稲荷や豊川稲荷東京別院は、神社のように鳥居があって、稲荷神社のように眷属の狐がいますが、れっきとした曹洞宗の『お寺』であります。


 早い話が、神仏習合の名残を多く残しているお寺であるのですが…。


 豊川稲荷東京別院をお参りしてから、徐々に運が上向きになってきて、一歩ずつ悪い状況から脱したことが分かるぐらい、目に見えて徐々に御利益がありました。


 そして、豊川稲荷には『吒枳尼真天だきにしんてん』と呼ばれる仏様がいまして、吒枳尼真天は眷属の狐にまたがっています。


 豊川稲荷の御利益は、商売繁盛や金運上昇などもありますが、豊川稲荷の東京別院は、著名な芸能人がひそかに参拝しているのは、芸道上達などにも御利益がありまして…。


 そして、豊川稲荷は仏教ですから、吒枳尼真天のご真言があって、それを唱えると御利益があるとされています。


 ちなみに、『豊川稲荷での吒枳尼真天』のご真言が以下になります。


 尸羅婆陀尼黎吽娑婆訶オンシラバッタニリウンソワカ


 余談ですが、成田山新勝寺にある吒枳尼天のご真言は、宗派の関係があるのか、かなり違います。


 『ノーマク サンマンダ ボダナン キリカク ソワカ』


 同じ仏様でも、宗派によって真言が異なるケースは、よくあるコトのようでして…。



 そんな前書きを前提として話を先に進めると、明け方に黒い影を見た後に、私に迫りくる漢文の呪詛に、内心、うろたえながらも、私は、すぐさま目下の対処をします。


『!!!』


尸羅婆陀尼黎吽娑婆訶オンシラバッタニリウンソワカ


 私が眠気をこらえながら、子供や妻を起こさないように擦れるような声で小さく唱えたのは、『豊川稲荷』の『吒枳尼真天』の真言でした。


 真言を唱えると、呪詛が私の目前に近づくのが少しだけ遅くなった気がします。


 何度か真言を唱えると、漢文の一部が薄くなって、砂のように文字が崩れ去って薄れていくのが見えました。


『あと…、もう少しか…』


 この手の呪詛は、何度か見ていますが、心の奥底では恐怖もありますし、金輪際、呪詛なんて二度と見たくありません。


 それを何度か唱えると、漢文の一部の文字が薄くなって消え、その呪詛の先頭に梵字のようなものがポンと1つ出てきました。


『さすがは吒枳尼真天様だ…。』


 しばらくすると呪詛は消えましたが、それ以降、私の睡眠は少しの恐怖によって、妨害されるばかりでして、夜が明けるまで起きてしまったのでした…。


 しかし、この呪詛に関しては、呪いの人形や今回のパワーストーンよりもズッと根深い案件でして、なかなか解決が見えない事案であります。


 こんな色々な不運が重なって、変な心霊現象を経験しまくっている私たちですが、豊川稲荷の吒枳尼真天をお参りしてから、徐々に上向きになってきているし、ほんとうに感謝しきりなのです。


 後に語られるであろう呪詛騒動に関しては、今までの出来事を交えながら詳しく書きますが、この30年間放置されたパワーストーンは『呪いの人形』や『呪詛騒動』と密接に関わっている事が今になって分かってきました。


 これを執筆している段階で、呪詛が確実に弱まっているものの、完全に解決に至っていない気がして、解決までには時間が掛かる要素であるために、『現時点で分かっている状況を説明して、できる限りまとめる』ぐらいしかできないのです。


 恐らく呪詛騒動に関してのネタに関しては、ある程度の部分を書いたとしても、第2弾があるのが確実かと思われまして…。


 それが、ネタとして後回しになった原因の1つでもあります。


 この呪詛に関しては、形を幾つか変えながら私に迫っていますが、その力が(神仏の力によって)徐々に失われているのが分かりますし、これを執筆している最近では、スッカリと見なくなりましたが、未だに少しばかり余波があるのです。


 伏線を張るのはここまでにしておいて、本題に話を戻すと、夜が明けた後に妻の目が覚めたことを確認すると、私は真っ先に呪詛のコトを伝えました。


 もう、平日だろうが、その日が仕事だろうが、こうなったら全く関係ありません。


 『一刻も早く、この禍々しいパワーストーンを供養する!!!』


 妻と私は同意見でした。

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