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20.30年間放置されたパワーストーン ~その6~ 騒動の後日談1。

 さて、パワーストーン騒動から3ヶ月あまり経った日のこと…。


 これを執筆している、この日の朝のことでした。


 私は、毎朝、4年前に亡くなった父の供養もあって実家の仏壇に手を合わせるのが日課になっていますが、朝っぱらから弟に禍々しいモノを手渡されてしまいまして…。


 弟が応接間の掃除中に、30年間放置したパワーストーンの一部が、窓枠とカーテンの隙間に落ちているのを発見したのです。


 小指の先ぐらいのアメジストが一粒ですから、隙間に落ちていれば見つからないのも当然でしょうけど…。


 それに、全く使っていない部屋から出てきたのですから、偶然の産物とは言え、弟が応接間を掃除して良かったのです。


 掃除中に問題のパワーストーンを見つけた弟は、塩と一緒に小さいビニール袋に入れて、玄関に一晩、置きました。


『おい、石を塩に入れたのは正解だが、本格的に封じるなら神棚に置けよ…。』


 私は、弟に対して口には出しませんでしたが、そのビニール袋を手に持っただけで、石に禍々しいモノが入っているのが明白でした。


 最初に30年間も放置されていたパワーストーンを見た時のように、とても酷い感じはありませんが、このパワーストーンを供養をするべきでしょう。


 とりあえず、パワーストーンを私の家に持ち帰って、禍々しい力を封じて頂くように、神棚にお願いをします。


『…参ったなぁ…』


 最近は吉凶が混種混合で起こっているような感じでして、まず、喜ばしいことから書き出しますと…。


 今は高校生になった息子ですが、中学生の頃、受験間近の夏休みに起立性調節障害で学校に全く行けなくなって苦心しましたが、今は高校に行けるようになって、単位に影響がない範囲で休むことはありますが、普通に学校に行けるようになりました。


 年末に敗血症性ショックで倒れて下半身が不随になった要介護5の母は、無事に介護施設に入って、今はその生活に徐々に慣れてきたようでして…。


 頭はシッカリしているから『お前達に迷惑をかけたくない』ほうの気持ちが強いらしく、たまに『仕事は無事か?』とか、『しっかりやっているか?』なんて電話がありますが、徐々に施設に順応しているようです。


 私が経営している町工場のほうは、最近になって、奇跡的に降って湧いたかのようにお金が舞い込んでくる案件があって、目下の経営難を切り抜けることができました。


 具体的に言えば、胸腺腫の手術を受けた際の企業向けの生命保険が下りて、その資金で一時的に資金難を逃れたのです。


 私はいちおう、町工場の経営者ですから、私が倒れた際に仕事が止まって売り上げが激減する懸念から、1年前ぐらいから企業向けの営業補償保険を掛けていました。


 まだ父が存命である頃は、そんな心配もなかったのですが、父がいなくなった以上、私の仕事をフォローできるのは弟しかいませんし、1人では私の仕事をカバーしきれません。


 最初は、その保険会社の外交員曰く『胸腺腫では保険金が下りない』と、言われて、ホントに泣きっ面の蜂で、とても辛かったのですが、私が個人で掛けていた別の保険会社にて、胸腺腫で保険金が出たこともあって、それが交渉の皮切りになりました。


 そこで、私や妻が外交員と粘り強い交渉をした末に、保険金が補償該当になる見込みがついたのでホッとしたのです。


 その後、保険金が振り込まれてから資金繰りが改善したのは言うまでもありません。


 …そして、今度は悪いことを…。


 この保険金が下りた1~2週間前後ぐらいから、嫌な空気が漂っていました。


 保険金が下りる2週間ぐらい前に、私が夜中に目を覚ますと、呪詛を見た時に傍らにいた幽霊だけが寝室の入口付近に立っているのが見えました。


 幸いにも、呪詛は見えていませんが、これは非常事態です。


 まだ妻は家事に追われていてキッチンにいまして、私は5歳の娘と一緒に寝ていましたが、私が幽霊を見た直後、寝ていた娘は悪夢にうなされているかのように、泣きわめいています。


『まずい!!』


 私が、不動明王か豊川稲荷の吒枳尼真天の真言を唱えようとしたら、幽霊がスッと消え、それと共に、娘が泣きやんで、グッスリと眠りはじめました。


 この状況で、パワーストーンの欠片があるとは思いも寄らなかったので、呪詛の残滓があって、何らかの対処をしなければ…なんて、考えていたですが…。


 それから数日が経ちまして、今度は仕事のトラブルで、私と弟は1週間ぐらい、毎日のように真夜中までトラブルの対処に追われて、他の仕事が全く進まない事態に陥ります。


 お客から毎日のようにあったクレームの電話は、私を精神的に追い込み、仕事が終わった後のお酒の量が随分と増えてしまいましたが、なんとか対処をして乗り切って難を逃れました。


 そのクレームが一段落を迎えた頃…。


 今度は、他の仕事で、顧客の設計ミスや、ウチと顧客の間に入っている材料商社の発注ミスなどで納品前に顧客を巻き込んで大騒動になってしまって、その対応で相当な時間を費やしてしまいます。


 そして、最後に起こったのがエアコンの故障です。


 私と一部の従業員が現場で主に作業をしている工場内エリアの20年以上前のエアコンが故障してしまい、修理も不可能だから、月々の支払いが少ないリース契約にて、新たなエアコンの導入を進めていますが、見積もまだですし、工事が始まるまで随分と時間が掛かる様子…。


 今は真夏ですから、しばらくの間は、私は汗だくの状態で仕事をせざるを得なくて、今でも苦しんでいるのです。


 そんな感じで嫌なコトが続きましたが、そんな最中に『30年間も放置したパワーストーンの欠片』が、見つかったから洒落になりません。


 このパワーストーンの欠片は、いろいろと考えた結果、妻が使わなくなったパワーストーンと一緒に、Amazonにて、レターパックで供養するモノを神社に送るサービスを使うことにしました。


 偶然にも、ネオページより読者賞などで頂いたAmazonギフトが残っているので、その金額の範囲内で購入することができるし、これは都合が良いかと。


 ある意味で、物書きのネタの有効活用でもあるわけです。


 もしも、捨てると祟られそうなものがあれば、そのレターパックの中に、ついでに入れてしまおうかと思いまして、妻と一緒に色々と探しますが簡単には見つかりません。


『うーん、費用対効果に関しては、あまりよくないなぁ…。突然のできごとだから仕方ないけどさ。』


 そんなコトを考えながら、突然に出てきた小さいパワーストーンに右往左往しているわけでして…。


 さて、このまま書いていると、字数が大幅に超えそうですし、この後の経緯は次話にて…。

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