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第5話「トラックとパンと俺、時々カラス」

帰宅部の活動は、今日も不可解なテーマで始まった。


「今日の報告テーマは『帰宅中のアクシデント』だ!」


副部長・風間ルイが高らかに宣言する。


部室には、猫耳をつけた猫山みけ、忍者装束の山田ゴンザレス、そして俺、秋山翔太が集まっていた。


猫山みけの報告

「帰り道、パン屋さんの前で猫と間違えられて、猫パンをもらったにゃ!」


「それって、猫パンって名前のパンだよな?」


「うん、でも中身は魚だったにゃ!」


「それ、完全に猫用じゃないか!」


山田ゴンザレスの報告

「帰宅中、トラックの荷台に忍び込んでしまい、気づいたら隣町だったでござる。」


「それ、完全に不法侵入だろ!」


「しかし、無事に帰宅したので問題ないでござる。」


「いや、問題大ありだ!」


俺の報告

「帰り道、カラスにパンを奪われた。」


「それは災難だったにゃ。」


「しかも、そのカラスが俺の頭に乗ってきて、パンを返してきたんだ。」


「それ、カラスじゃなくて使い魔じゃないか?」


「いや、ただのカラスだと思う。」


報告会が終わると、副部長が神妙な顔で切り出した。


「実は、帰宅部が廃部の危機にある。」


「えっ、どういうこと?」


「部員があと2人足りないんだ。」


「それって、俺が正式に入部すれば1人増えるけど、もう1人は?」


「それが、部長が幽霊部員で……。」


「えっ、部長って実在しないの?」


「いや、存在はしてるんだけど、姿を見せないんだ。」


「それって、幽霊部員っていうか、幽霊じゃないのか?」


「とにかく、部長の正体を突き止める必要がある。」


「よし、次回の活動は『部長の正体を探る』だ!」


こうして、帰宅部の新たな活動が始まった。



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