帰宅部の活動は、今日も不可解なテーマで始まった。
「今日の報告テーマは『帰宅中のアクシデント』だ!」
副部長・風間ルイが高らかに宣言する。
部室には、猫耳をつけた猫山みけ、忍者装束の山田ゴンザレス、そして俺、秋山翔太が集まっていた。
猫山みけの報告
「帰り道、パン屋さんの前で猫と間違えられて、猫パンをもらったにゃ!」
「それって、猫パンって名前のパンだよな?」
「うん、でも中身は魚だったにゃ!」
「それ、完全に猫用じゃないか!」
山田ゴンザレスの報告
「帰宅中、トラックの荷台に忍び込んでしまい、気づいたら隣町だったでござる。」
「それ、完全に不法侵入だろ!」
「しかし、無事に帰宅したので問題ないでござる。」
「いや、問題大ありだ!」
俺の報告
「帰り道、カラスにパンを奪われた。」
「それは災難だったにゃ。」
「しかも、そのカラスが俺の頭に乗ってきて、パンを返してきたんだ。」
「それ、カラスじゃなくて使い魔じゃないか?」
「いや、ただのカラスだと思う。」
報告会が終わると、副部長が神妙な顔で切り出した。
「実は、帰宅部が廃部の危機にある。」
「えっ、どういうこと?」
「部員があと2人足りないんだ。」
「それって、俺が正式に入部すれば1人増えるけど、もう1人は?」
「それが、部長が幽霊部員で……。」
「えっ、部長って実在しないの?」
「いや、存在はしてるんだけど、姿を見せないんだ。」
「それって、幽霊部員っていうか、幽霊じゃないのか?」
「とにかく、部長の正体を突き止める必要がある。」
「よし、次回の活動は『部長の正体を探る』だ!」
こうして、帰宅部の新たな活動が始まった。