俺は今日もブレザーを着て登校だ。
スカートがスースーしてなんとも言えない心地よさがある。
……って俺は変態か!
しかもなんで俺は帰宅部に馴染んでんだよ!
しっかりしろ!俺!
どこにピンポンダッシュしようか…。
いや、ダメだろ!!
迷惑極まりない!!
俺は自分の家にピンポンダッシュして学校へ行った。
放課後、帰宅部の部室。
「さあ、みんな! 今日の帰宅活動の成果を報告しよ〜♡」
風間ルイがカーディガンを翻しながら、部室の中央に立つ。
「まずは、猫山みけ、君から♡」
「にゃっ! はい、報告しますにゃ!」
みけが元気よく手を挙げる。
「今日のターゲットは、近所のパン屋さんだったにゃ。ピンポンしてすぐに逃げたけど、店主のおじさんが出てきて、『あれ? 誰もいないのか…』って首をかしげてたにゃ。ちょっと罪悪感があったけど、楽しかったにゃ!」
「うん♡罪悪感も青春のスパイス♡」
ルイが満足げに頷く。
「次は、山田ゴンザレス♡」
「拙者のターゲットは、学校近くのマンションでござる。ピンポンしてすぐに隠れたが、出てきたのは、なんと担任の先生でござった! 危うく見つかるところだったでござる…」
「おお、それはスリル満点だったね♡」
ルイが拍手を送る。
「さて、次は黒川瑠璃、君の報告を聞かせてくれ!」
「…私は、帰宅途中の住宅街で、偶然見つけた一軒家にピンポンしました。出てきたのは、小さな女の子で、『お姉ちゃん、遊びに来たの?』と聞かれました。罪悪感が募り、すぐに謝って立ち去りました…」
「なるほど〜!心温まるエピソード♡」
ルイが感動した様子で頷く。
「最後に、僕、風間ルイの報告〜♡」
「今日のターゲットは、近所で有名なヤクザの家だったよ〜♡ ピンポンしてすぐに逃げたんだけど、出てきたのは、強面の男性で、『誰だ、こんなことするのは!』と怒鳴っていたんだ〜♡スリル満点だったよ〜♡」
「…ルイ先輩、それはさすがに危険すぎますよ…」
翔太が呆れた様子でツッコミを入れる。
「ふふ♡これも青春の一コマ♡」
ルイが笑顔で返す。
次は俺の番だ。
「俺は、自分の家にピンポンダッシュしました。以上。」
シーン
「……チキってんじゃねーよ。」
風間がボソッと行った。
怖っ。
そして案の定、部長からの手紙があった。
『みんなお疲れ様。ゴンザレス、お題を無視しましたね。今日から罰として制服で登校してね。あと、翔太くん、チキりましたね。僕の家にこればよかったのに。−30点。あとの3人はよかったです。特にルイ。そのまま指詰めたらよかったのに。次のテーマは……「ハイハイで下校してみた」にします。報告会楽しみにしています。』
「部長鬼畜でござる〜!!制服だなんて嫌でござる〜!!」
「部長のためなら指でもなんでも詰めます♡」
こうして、帰宅部のピンポンダッシュ報告会は、今日も賑やかに幕を閉じた。