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第2話 蜂が呼ぶ、「春」 残念神との出会い 「こっちは暇じゃないんです」

ブーンという音ともに来たのは、お尻が黄色と黒のシマシマがチャームポイントの、蜂が来た。


「おめでとう、おめでとう春が来たよ」というと


春というのは、疲労困憊でクマが濃く残っている少女の名前だ


「ただ働きはしないわよ、刺したら許さないわよ。でも……かわいい声してるわね」という少女は、眠そうに目をこする


「ささないよ だって、やっと春が来たんだから……。」という蜂に問いただそうとしたら、逃げるように去っていく蜂「いそがしい いそがしい」と、


「あ、まって」と言いながら去っていった道を眺めていると、


残念神が、勝手に手を取って言う


「さぁ、案内するよ ここの事をもっと知ってもらわないと……」


(イケメンは、すぐこういうことをするから鼻につくのだ)と思いながら、


振り払う勇気はなく、そもそも、振り払うことができるタイプならここまで苦労はしていないとチラッと見ると


心の声が聞こえてるのなら、すぐに話してくれればいいのにと思っていると


ぎゅっーと思いっきり握ってきたので、思わず痛いと振り払う


(こいつ、絶対茹でたこみたいに、熱湯に入れてやる)




「たこは勘弁かな?」という残念神は小首をかしげる。悔しいが、整ってることに、だから、チート神はと……




そもそもこんな、残念神と出会うことになったのは、おばあちゃんが原因だ


いつものように、兄が持ってきた雑務を終わらせて帰ってくると、洗面代で顔を洗う私に、突然ルンルンしたおばあちゃんが寄ってくる こんな時は、いいことと悪いことが同時に来ることだ、なんせ、無意識にトラベルメーカだからだ




「おばあちゃん、片づけてたらこれを見つけたの」というとピンクのコンパクトを渡してくる


「これ、昔あなたにあげたものだけど、忘れていてたみたいだから、持ってきたわ」と、ニコニコとグイグイと押し付けてくる




(またかー、おばあちゃんの中で私は6歳くらいで止まっているんだよね)




いらないと一言言おうと口を開けると、悲しそうな顔をするのは勘弁してと思い、受け取ると 満足そうに去っていく


おそらく、満足したのだろう?




そのあとからだ、幻聴に苦しむことになるのは……


ホラーかと最初思っていたが、「おーいおーい」とか「プっ」とかしか聞こえず段々イライラしてきて、


「なんか用があるなら、はっきり言いなさいよ こっちは暇じゃないんだから」と、自分の部屋で愚痴りながら、髪の毛も半乾きで布団に入り重たい眼鏡を外す




いつの間にか、寝ているようだ なぜわかるってうざい声が響き渡っているからだ


「眠いのよ、早くして。安眠したいのよ」という少女は、夢の中で眼鏡をかける ぼやけた男がいる。そして、暗くてよく見えない。


そして、冒頭に戻る


この残念神は、なぜ私を選んだのかわからないと思いながら


「へへえ、」と顔をポリポリしてる


何で残念神の心の声が聞こえないって、それは神だからだという


やっぱりずるいと愚痴る


肝心なことが分からないままだ

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