あまねはとても機嫌がいい。なぜなら、名前をもらったからだ
春は僕の事を抱きかかえながら、名前を付けってくれた
「あなたは、あまねく音で天音よ」と言われたとき
「ぷるぴゃあ」と声高々に自慢をする
新入りの子犬の名前は、またあとで考えるそうだ
ぷりゅぴゃあは、しばらく自分でも唱える天音という言葉を
その言葉は、全て「ぷるぴゃあ」になってしまうけれど、
何度も思い出しては、ぶどうを食べたときみたいに味がじんわりと溶け出す
春が、「頭が痛いわ」と言いながら目を細める
ラプラスがまた何か、言っているようだ
「そういえば、春に頼みたいことがあるんだけど」とわざとらしくせき払いをしながら言う
「また、どうせろくでもないことなんでしょ」と言っている
そうすると、春の肩をもみながら言う
「少し魔王城に、お使いに行ってほしいだけなんだって
簡単だろう?安心して、魔王は僕の友達だから」
「はぁ?ついに頭おかしくなったの?魔王ってよくある悪役じゃない。人を滅ぼしてやるとかの。でもまってよ、現実世界で滅ぼしってくれたら、仕事がなくなるのか?もしかしたらいいのかもしれない……」とブツブツ隈がいつもより濃い春が言う
「万年肩こりの、春の肩を治してあげるよ。どうかな?」っというラプラスに、ぐぬぬといいながら
「まてよ、目の悪さが現実世界で直ってなかったから、意味ないんじゃあ……騙す気ね」
「それは、春の目は深刻だから、反映させるのは大変だから
夢の世界だけで、とりあえずお試しコースってことだよ
もっと働いてもらわないとね
それに比べて肩こりは、比較的作用させるのは簡単だから
すぐに治せるけど、どうする?」といいながらほほ笑んでる
「ケチだわ。ものすごくケチだわ。でも、肩こり……肩こりが治る……乗ったわ。報酬忘れないでよね」
「ぷるぴゃあ」とぴいながら僕を見てくれてない春に文句を言う
それを見た、名前貰いまちの子犬は興味がなさげに、後ろ足で体をかく