カリヨンが「審査会におびき出して摘発するという理由とは言え、あのような者を王宮に通してしまい、申し訳ありません」と一同に詫びる。
「なあに、大丈夫。あなたは王家の美しさを守る大切な存在だ。あなたの悩みが解決できたなら、良かった」
審査官のひとりが優しく答え、全員がうなずいた。
その後、一同は改めてレナの企画書を検討し、今後規制すべき内容をまとめた。
高濃度の香料、合成保存剤、そして禁忌成分までもが平然と使用されている。
肌に有害な成分を、なぜこうも無邪気に盛り込めるのか。
「試用した者の肌が心配です」
「ああ、あの厚化粧は既に……牢で確認せねば」
「薬師になりたい者をもっと教育しなくてはなりませんね」
「ええ、私も学校でこの件を題材にした授業を行います」
審査官たちはそれぞれの立場で、この不祥事の教訓を活かそうとしていた。
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