復讐≒永遠に変わることの無い愛
読了後ずっしりと重くて暗い闇に浸れます。
でも、この闇はとても居心地が良いのです。本当に手に入れたかった本物ではなく、偽物であったとしても。これもひとつの愛情の形なのだと思います。
けれど、偽物と本物の境目なんてないのかも。もしかしたら、いつの間にか偽物と本物が入れ替わっていたとしても、おかしくないのかなぁ、なんて。
幸せなことはすぐに忘れるのに、罪悪感や後悔は忘れることができないなんて、人間とはなんて愛に不器用な存在なのでしょうか。
自分自身を許せない気持ちを抱き続けながら生きるのは不幸なのかもしれませんが、芸術家としては幸せなのかもしれませんね……。
傍目からみたら不幸かもしれませんが、自分の罪ごとすべて許容してくれる存在が永遠にそばにいるのなら、それは幸せなのではないかと思いました。