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第127話 戦勝記念特別大観艦式

 Z泊地沖。

ついに観艦式の準備が整い、今まさに始まろうとしていた。

全艦整列し、開始の合図を待っている。

下に観艦式に参加する艦艇とその配置を示す。


※威はイレーネ帝国、瑠はルクスタント王国、付はフリーデン連立王朝、波はハイリッヒ聖王国、位はイーデ獣王国、未はミトフェーラ魔王国を指す。


◯観閲艦隊


・先導艦:戦艦 金剛(威)

・御召艦:戦艦 比叡(威)

・供奉艦:戦艦 榛名(威) 

     戦艦 霧島(威)

・観閲艦:空母 赤城(威)

     空母 加賀(威) 

     空母 大鳳(威)

     空母 信濃(威)


◯受閲艦隊


・第一陣

・旗艦 :戦艦 大和(威)

・随伴艦:戦艦 武蔵(威) 

     戦艦 長門(威) 

     戦艦 陸奥(威) 

     戦艦 伊勢(威) 

     戦艦 日向(威) 

     戦艦 扶桑(威)

     戦艦 山城(威)

     駆逐艦 秋月(威) 

     駆逐艦 照月(威) 

     駆逐艦 涼月(威) 

     駆逐艦 初月(威) 

     駆逐艦 新月(威) 

     駆逐艦 若月(威)

     駆逐艦 霜月(威) 

     駆逐艦 冬月(威) 

     駆逐艦 春月(威) 

     駆逐艦 宵月(威) 

     駆逐艦 夏月(威) 

     駆逐艦 花月(威)


・第二陣

・旗艦 :重巡 摩耶(威)

・随伴艦:重巡 高雄(威) 

     重巡 愛宕(威) 

     重巡 鳥海(威) 

     重巡 利根(威) 

     重巡 筑摩(威)

     軽巡 阿賀野(威) 

     軽巡 矢矧(威) 

     軽巡 能代(威)  

     軽巡 酒匂(威) 

     軽巡 北上(威) 

     軽巡 大井(威)

     駆逐艦 夕雲(威) 

     駆逐艦 巻雲(威) 

     駆逐艦 風雲(威) 

     駆逐艦 長波(威) 

     駆逐艦 巻波(威) 

     駆逐艦 高波(威)

     駆逐艦 大波(威) 

     駆逐艦 清波(威) 

     駆逐艦 玉波(威) 

     駆逐艦 涼波(威) 

     駆逐艦 藤波(威) 

     駆逐艦 早波(威)

     駆逐艦 浜波(威) 

     駆逐艦 岸波(威) 

     駆逐艦 沖波(威) 

     駆逐艦 朝霜(威) 

     駆逐艦 早霜(威) 

     駆逐艦 秋霜(威)

     駆逐艦 清霜(威)


・第三陣

・旗艦 :空母 ニミッツ

・随伴艦:空母 ドワイト・D・アイゼンハワー(威)

     空母 カール・ビンソン(威)

     空母 セオドア・ルーズベルト(威)

     強襲揚陸艦 ワスプ(威)

     ドック型輸送揚陸艦 サン・アントニオ(威)

     ドック型輸送揚陸艦 ニューオーリンズ(威)

     戦艦 アイオワ(威)      

     戦艦 ニュージャージー(威)

     巡洋艦 バンカーヒル(威)   

     巡洋艦 モービル・ベイ(威)

     巡洋艦 アンティータム(威)  

     巡洋艦 レイテ・ガルフ(威)

     巡洋艦 サン・ジャシント(威) 

     巡洋艦 レイク・シャンプレイン(威)

     駆逐艦 アーレイ・バーク(威) 

     駆逐艦 バリー(威)

     駆逐艦 ジョン・ポール・ジョーンズ(威)

     駆逐艦 カーティス・ウィルバー(威)

     駆逐艦 スタウト(威)     

     駆逐艦 ジョン・S・マイケン(威)

     駆逐艦 ミッチャー(威)    

     駆逐艦 ラブーン(威)

     駆逐艦 ラッセル(威)     

     駆逐艦 ポール・ハミルトン(威)

     駆逐艦 ラメージ(威)     

     駆逐艦 フィッツ・ジャラルド(威)

     駆逐艦 ステザム(威)     

     駆逐艦 ラメージ(威)

     駆逐艦 ペンフォールド(威)  

     駆逐艦 ゴンザレス(威)

     駆逐艦 コール(威)      

     駆逐艦 ザ・サリヴァンス(威)

     駆逐艦 ミリアス(威)     

     駆逐艦 ホッパー(威)

     駆逐艦 ロス(威)       

     駆逐艦 マハン(威)

     駆逐艦 ディケーター(威)   

     駆逐艦 マクファール(威)

     駆逐艦 ドナルド・クック(威) 

     駆逐艦 ヒギンズ(威)

     駆逐艦 オカーン(威)     

     駆逐艦 ポーター(威)


・第四陣

・旗艦 :原子力潜水艦 バージニア(威)

・随伴艦:原子力潜水艦 テキサス(威)     

     原子力潜水艦ハワイ(威)

     原子力潜水艦 ノースカロライナ(威)

     原子力潜水艦 ニューハンプシャー(威)

     原子力潜水艦 ニューメキシコ (威) 

     原子力潜水艦 ミズーリ(威)

     原子力潜水艦 カリフォルニア(威)  

     原子力潜水艦 ミシシッピ(威)

     原子力潜水艦 ミネソタ(威)


・第五陣

・旗艦 :翼竜母艦 ヴュルデ(瑠)

・随伴艦:翼竜母艦 シュトゥルム(瑠) 

     翼竜母艦 ホーク(瑠)

     翼竜母艦 ドレイク(瑠)   

     翼竜母艦 フリューゲル(瑠)

     戦闘艦 カイザー(瑠) 

     戦闘艦 トーデス(瑠) 

     戦闘艦 ドンナー(瑠)

     戦闘艦 ファルケ(瑠) 

     戦闘艦 ハーゼ(瑠)

     装甲戦闘艦 アーデル(未) 

     装甲戦闘艦 ゲーア(未)

     装甲戦闘艦 バルク(未)  

     装甲戦闘艦 フォルク(未)

     装甲戦闘艦 ゼルク(未)

     戦闘艦 ヴェーゼ(未) 

     戦闘艦 ヴァルト(未) 

     戦闘艦 ザール(未)  

     戦闘艦 グリム(未)  

     戦闘艦 ラント(未)  

     戦闘艦 ヴォルフ(位) 

     戦闘艦 アイン(位)  

     戦闘艦 ゼナー(位)  

     戦闘艦 ベルク(位)  

     戦闘艦 グラウ(位)

     輸送艦 シャルム(位) 

     輸送艦 レーヴェ(位) 

     輸送艦 ノルト(位)

     指揮艦 シュラー(付) 

     指揮艦 クライン(付)

     教皇艦 アウグス・リヒトナー号(波)


                                計143隻


 全艦の空中線には満艦飾が施され、非常に賑やかになっていた。

後方に位置する観閲艦の4隻の飛行甲板上には大量の見物客が乗っていた。

そんなのを見るなか、俺の乗る御召艦の比叡に艦内放送が流れる。


『これより観艦式を挙行いたします』


 観艦式開始のアナウンスとともに、前方をこちらに向けて航行する大和、武蔵の砲身が列の外側を向く。

そして両艦の主砲が空砲で発射された。

発射数は両艦あわせて26発であり、皇礼砲と同じ数であった。


 その礼砲を皮切りに、観閲艦隊と受閲艦隊は交差し始める。

観閲艦隊は単縦陣、受閲艦隊は複縦陣を取っており、観閲艦隊が受閲艦隊の間を通るようにすれ違う。

その際にすれ違い終わった受閲艦は回頭し、観閲艦隊の後ろへとつく。


 まずすれ違うのはみんな大好き大和型や長門型と言った戦艦部隊だ。

比叡の艦内で演奏されている軍艦行進曲とあわせて見ると、数倍かっこよく見える気がする。

中でも目立っていたのは扶桑、あの違法建築の艦橋は見たものを驚かせるであろう。


 戦艦部隊が過ぎると次は秋月型駆逐艦。

帝国海軍の中でも大型な駆逐艦で、それぞれの搭載する主砲は対空能力に秀でている。

秋月型の横を通り過ぎ、次の艦隊へと移る。


 次の第二陣は水雷戦隊の部隊だ。

まずは旗艦の高雄型、高雄型はあの大きな艦橋が特徴的でかっこいい。

姉妹艦の中でも摩耶だけは改装の影響もあり機銃が多くハリネズミの様相を呈している。


 次は利根型航空巡洋艦だ。

水上機を多く搭載、運用することが出来索敵能力が高い。

というか水上機を搭載することができるということは瑞雲ももしや……?


 えぇい、その話はおいておいて次だ。

次は阿賀野型軽巡洋艦の4隻だ。

阿賀野型でも矢矧は坊ノ岬で、酒匂はビキニ環礁の水爆実験で知られている。

もう今度は核の力で沈めたりはしないからな。


 次は球磨型の北上と大井。

この2艦は酸素魚雷を増設され、重雷装艦と呼ばれることもあることもあるお化けだ。

ただし戦争の最後には回天の母艦になるという悲しい運用のされ方もされた。


 第二陣最後を飾るのは夕雲型駆逐艦だ。

帝国海軍の主力駆逐艦であり、数々の戦いに身を投じている。

駆逐艦の本領を発揮する夜戦での活躍に期待だ。


 続いて第三陣、ここからは新型艦隊になる。

まずやってくるのはニミッツ級航空母艦の4隻。

その圧倒的な巨体と満載している艦載機は見るものを驚かせ、そして恐怖させる。


 次は強襲揚陸艦のワスプだ。

F-35Bやオスプレイなどを搭載し、もはや軽空母のような運用が可能な艦である。

上陸部隊を支援する頼もしい艦だ。


 ワスプに続くのはサン・アントニオ級ドック型輸送揚陸艦だ。

ワスプの援護を受けつつ上陸部隊を多く展開させることが可能である。

その船体はステルス性にも配慮した独特な見た目となっている。


 次はアイオワ級戦艦の2艦。

この前のZ泊地沖海戦でもミサイルを用いて攻撃するなど、戦艦であるにも関わらず最新艤装が詰め込まれており、その速度も相まって空母機動部隊の護衛には最適だ。

その主砲も複数の砲弾に対応しており、様々な場面に投入することが可能だ。


 次にやってくるのはタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦だ。

これらの艦は初めてイージスシステムを搭載した艦であり、対空能力が高い。

後からやってくるアーレイ・バーク級が進水してもなおその大型の艦橋は各アーレイ・バーク級を取りまとめる指揮の中心として機能する。


 第三陣最後はアーレイ・バーク級駆逐艦だ。

イージスシステムを搭載し、強力な艦隊防空能力を持つ。

ミサイルを変えれば弾道ミサイルの迎撃も可能になる優れた設計の艦で、多くの同型艦がいる。


 第三陣の後、第四陣は潜水艦部隊だ。

全艦バージニア級原子力潜水艦で構成されており、いつでもどこでも攻撃できるだけの航続距離と優秀なミサイルを搭載している。

ただしオハイオ級ではないのでトライデントD5核ミサイルの発射は不可能だ。


 第五陣は外国艦艇の部隊だ。

旗艦のヴュルデは俺達の呼称していたA型艦だ。

今はルクスタント王国の旗艦かつ貴重な海上戦力として君臨している。


 次に続くカイザー以下4隻もまた俺が鹵獲したゼーブリック王国の艦だ。

こちらも帆船にしては巨大で、運用には多くの人員を必要とする。

だが元ゼーブリック海軍の将兵たちがやってくれるので問題はない。


 その次はミトフェーラ魔王国から派遣されてきたアーデル級装甲戦闘艦だ。

装甲戦闘艦などという名前をつけているのでどんな船かと思ったら、本当に鋼鉄製の装甲艦であった。

帆はなく、おそらく俺がエーリヒにあげた蒸気タービンが動力として利用されている。


 他にミトフェーラ魔王国から派遣されてきた艦にヴェーゼ級戦闘艦がある。

だがこの艦はアーデル級とは違い木製でさらに内燃機関を持たない帆船だ。

大きさで言うとルクスタント王国のカイザー級戦闘艦のほうが大きくそして強力であろう。


 次はイーデ獣王国のヴォルフ級戦闘艦だ。

だが獣王国は建艦にはあまり慣れていないのか、他の船と比べてもかなりサイズが小さい。

だがそのかわり機動力は抜群そうなのでその点はかなりの強みと言えるであろう。


 同じくイーデ獣王国から派遣されてきた艦にシャルム級輸送艦がある。

こちらは輸送艦らしく巨大で幅が広い船体が特徴だ。

ただしヴォルフ級とは違い機動力はなさそうなので護衛は必須だろうな。


 次はフリーデン連立王朝よりシュラー級戦闘指揮艦だ。

この艦はその名の通り海戦を指揮する艦なのだろう。

広めの船体に大きな艦橋的構造物がついているのが特徴だ。


 最後にハイリッヒ聖王国よりアウグス・リヒトナー号だ。

この観艦式にはあまりマッチしない純白の塗装に金の細工が施された艦は神の威厳を表しているらしい。

だが俺はあのイズンにそんな威厳があるとは思わないが。


『ちょっと、それってどういうことよ!』


 ……なにか聞こえた気がするが気のせいだろう。

これにて艦艇の展示は終わり、次は航空機、翼竜の展示に移る。

その展示の部隊が飛来するまでの間、艦隊は陣形を輪形陣へと変更する。


『次は航空部隊の展示です。皆さん空をご覧ください』


 アナウンスの声を聞き、俺は空を見上げる。

まず飛来してきたのは、ゼーブリック、ヴェルデンブラントの両国から鹵獲、ルクルタント王国へと引き渡していた翼竜の部隊だ。

彼らは口から火を吐き俺達にアピールをする。


 次にやってくるのは初めて見る生き物だ。

どうやらミトフェーラ魔王国の派遣してきた生物で、ガーゴイルと言うらしい。

ガーゴイルは翼竜と違い垂直離着陸が可能で、さらに大きな荷物の運搬にも対応しているそう。


 次にやってきたのはいよいよ我が国の部隊だ。

まず手始めに轟音を轟かせてF-15C、F-16C、F/A18Eの混成部隊が飛来する。

各飛行隊は宙返りやフレアの発射などを実演し、飛び去ってゆく。


 次に飛来したのはE-3とE-2Cの早期警戒機コンビだ(正確には少し違うが)。

これらの機体は特になにか芸をすることはなくそのまま飛び去っていく。

背負っている大きなレドームが観客の印象には残った。


 お次はB-52H、B-1B爆撃機の混成部隊だ。

その巨体はつい前に飛んでいた翼竜やガーゴイルとは比較にならないほど大きい。

B-1BはB-52Hの隊列から抜け、急加速して翼を変形させながら飛び去った。


 次はゼーブリック王都基地航空隊所属のAU-1、P-38L、Do-17、百式司偵、そして観閲艦として利用するために下ろした空母たちの艦載機である九九艦爆、九七艦攻、零戦21、52型、天山らレシプロ機が隊列を組んで飛行する。

その姿は紀元2600年記念特別観艦式を彷彿させた。


 いよいよ飛行展示も終わろうとしている。

次にやってきたのはA-10サンダーボルトⅡだ。

搭載するアヴェンジャーバルカン砲はありとあらゆる標的を打ち砕く。


 最後に飛来したのは偵察機のRQ-4とU-2Rであった。

2機種とも艦隊の上空を通過して飛び去ってゆく。

これにて飛行展示は終了した。


 飛行展示を行っている間も陣形転換をしていたが、艦隊の方もついに準備が終わった。

これで一旦観艦式は終りとなり、これからは特別合同大演習へと移行する。

だがその前にZ泊地前の海峡を艦隊は通過し、アルマーニ海へと艦隊は移動していく。


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