俺には島にいる間にやっておきたいことがいくつかある。
主なものを纏めてみると、
①軍の拡張
②陸軍基地の設営
③防空レーダー網の構築
④インフラの整備
である。
まず①は、現状俺が保有している地上戦力が歩兵50名、ハンヴィー14両、ゲパルト対空砲1両、BM-21グラート自走ロケット砲5両。
続いて海上戦力がはやぶさ型ミサイル艇が1隻、金剛型戦艦が1隻。
最後に航空戦力がBー1B爆撃機が1機だ。
どう考えてもこれだけでは少なすぎる。
全ての面において大幅な強化が必要であると思っている。
そこで、俺は以下のような必要事項を考えた。
○陸上戦力
・歩兵の大幅増員
・ストライカー装甲車の多数配備による部隊の装甲化
・M1エイブラムスを用いた機甲師団の創設
・自走榴弾砲による地上戦力の支援体制の確立
○海上戦力
・イージス艦数隻による空の安全の確立
・強襲揚陸艦、ドック型輸送艦を中心とした上陸部隊の整備
・航空母艦を用いた洋上の制空権の確保
・それらの艦艇が所属する艦隊『連合艦隊』の創設と旗艦の配備
○航空戦力
・F-16、F-15の配備による制空権の確保
・給油機、管制機などによる航空機の支援
・A-10の配備による地上戦力支援の強化
・爆撃機の配備による敵基地攻撃能力の強化
これほどの強化をするには多大なMPが必要になるが、この2ヶ月の間で十分にたまったから大丈夫だろう。
次に②、まだ建設が始まっていない陸軍基地を建設する。
これ以上陸軍基地を建設しないとロバートに怒られてしまうからな。
それに①で提示した陸上戦力の強化のためには必要不可欠な事でもある。
次に③、これは先の『ル号作戦』で出会ったという謎の飛行するものに対する警戒のためだ。
この先どんな国家と戦争になるかわからないが、防空能力を強化しておいて損はないだろう。
建設する場所は島の北部にある山の山頂だ。
最後に④、これはこの島が今後本当の意味で国となるのであれば、インフラの整備はとても重要だ。
今は関係ないが今後のことも考えて整備しておく方がよいだろう。
建物などは必要に応じてルクスタント王国から輸入しようと思う。
流石にスキルで石材などは多くは出せないからな。
俺はこのやるべきことの中でまずは①をこなすことにした。
今はフローラを送った後で港にいるので、最初は海軍から強化していこう。
港に停泊してあった『はやぶさ』に久しぶりに乗り込み、湾の中央付近を目指す。
多くの艦を召喚しても十分な場所を確保し、召喚の準備が整う。
俺はスキルを起動し、召喚する船の名を唱えた。
「スキル【統帥】発動、タイコンデロガ級及びアーレイバーク級を召喚!」
まず初めに召喚したのはタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦2隻とアーレイバーク級駆逐艦8隻。
両者ともにイージスシステムを搭載しており、艦隊の防空能力向上に大きく寄与するだろう。
まだまだこんなものではない。
俺はさらに艦艇を追加で召喚する。
「スキル【統帥】発動、ワスプ級強襲揚陸艦及びサン・アントニオ級ドック型揚陸艦を召喚!」
続いて俺が召喚したのはタイプの異なる2種類の揚陸艦だ。
ワスプ級は航空機運用能力を保持しており、上陸部隊の航空支援を行うことができる。
一方サン・アントニオ級は大きな輸送能力を持っており、物資の大量輸送が可能だ。
俺は前者を1隻、後者を2隻の計3隻を召喚した。
ここで、召喚した船の接舷に使用するタグボートが圧倒的に不足していることに気づいたので、俺は追加で10隻を召喚した。
召喚されたタグボートたちは船をどんどん接舷させていく。
次に俺が召喚するのは航空母艦だ。
スキルを発動すると、巨大な船体が姿を現す。
今回召喚したのはニミッツ級原子力空母、排水量10万トンを超えるスーパーキャリアーだ。
残る召喚する艦艇はあと1隻。
スキルが発動されると同時に姿を現したのは、日本人なら誰もが知っているであろう戦艦大和だ。
新設される連合艦隊の旗艦にこれほどふさわしい船はないだろう。
全ての艦の召喚が終わり、はやぶさは桟橋へと戻る。
次に向かうのは空軍基地だ。
俺はハンヴィーに乗り込み空軍基地を目指す。
その途中に海軍基地の全貌を見ることのできるスポットがあり、そこから見えた停泊する艦艇群はみな美しかった。
空軍基地に到着すると、俺は早速機体を召喚し始める。
「スキル【統帥】発動、Fー16及びFー15を召喚!」
滑走路上に2機種の機体がそれぞれ6機ずつ召喚される。
それぞれで一飛行小隊を形成してもらうつもりだ。
搭乗員は俺に敬礼した後、機体は格納庫へと運ばれていった。
次はそれらの戦闘機を補助するための航空機だ。
俺はKCー135を5機とE-3を2機召喚する。
KCー135は飛行する航空機へ燃料を供給する空のガソリンスタンドであり、E-3は戦闘機隊の目となり、行動指示を出すいわゆるAWACSと呼ばれる機体である。
次はイボイノシシとも呼ばれる飛行機、A-10を召喚する。
機首に装備された30mm機関砲や、無数に搭載することのできる爆弾によって地上戦力の援護を行うことができ、さらに頑丈な素晴らしい機体だ。
陸上戦力と協力して絶大な破壊力を発揮することを祈ろう。
最後は空軍の主要な攻撃力となるであろう戦略爆撃機だ。
だが俺はどの機体を召喚するべきか迷っていた。
候補としてはB-52がB-1の2機種があがっている。
B-2は機体の整備する環境が整っていないため、今回の採用は見送った。
結局俺はB-52を選択した。
先の王都空襲ではB-1は過剰戦力であると分かったからだ。
ならばより整備性の高いB-52を、となったわけである。
空軍の整備も終えた俺は、今度は陸軍基地の建設予定地点へと向かうのであった。