黒い教室には、まだ声が残っている
完結済·新着更新:chap006:名前を呼んでくれた人·2025年05月30日 18:50
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あらすじ
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取り壊しが迫る旧校舎に足を踏み入れた七人の高校生たち。 ただの肝試しだったはずの探索は、「黒く塗られた教室」をきっかけに、封印された記憶を呼び覚ます儀式となっていく。 黒い教室に棲むのは、50年前に火災で命を落とした少女・中西千景。 だが彼女は恨んでなどいなかった。 ――ただ、名前を呼んでほしかった。 ――ただ、自分がいたことを忘れないでいてほしかった。 夢の中で手紙を受け取る者、ノートを託される者、最後の声を聴く者── それぞれの記憶を手がかりに、彼女が残した“思い”を少しずつ紐解いていく七人の高校生。 その中心にいる旭と莉桜は、やがて前世のような過去に繋がり、自分たちが「なぜ選ばれたのか」を知る。 これは、語られなかった悲劇を、記憶の中で“生き直す”物語。 記憶は消えるものではなく、渡されるもの。 そして、名前を呼んでくれる誰かがいれば、人は“もう一度、生きることができる”。 閉じる
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ネオ・デビューネオ・デビュー2025-05-09 18:17創意工夫ありし者創意工夫ありし者作者のひとりごと作者のひとりごと
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微笑の磁場
微笑の磁場 春のある日、地方都市の平凡な大学に一人の転入生が現れた。名は大知。柔らかな微笑みと、相手の心にすっと入り込むような優しい言葉。その自然体な振る舞いは、誰にも警戒心を抱かせず、それでいて誰一人無関心ではいられない「魔性」の空気をまとっていた。  自分らしく楽しさを優先する悟は、すぐに大知と打ち解けたが、時に核心を突く大知の言葉に内心たじろぐ。忠告を無視して突っ走る将吾は、大知の絶妙なフォローに「……まあ悪くない」と少しずつ距離を縮める。静かに他人を観察していた亜紀は、心理ゲームを仕掛けるが、飄々とかわされて逆に興味を深めていく。本音を優先する純は、大知が自らの本音を明かした瞬間、彼の底知れなさに驚きを覚える。上昇志向の朋子は、大知の素直な賛辞に思わず涙を流し、「あなた、本当に魔性だわ」と呟くのだった。  友情とも恋愛とも違う、奇妙な磁場のような関係。誰もが少しずつ、大知の“魔性”に惹き寄せられていく——。学園祭の小さな危機を経て、一層深まる結びつき。だが、ふとした瞬間に純が口にした疑問が静かに残る。「大知って、何が欲しいんだ?」 「僕は、みんなが楽しくしてくれてるのが嬉しいよ」  そう微笑む大知の胸の奥には、誰にも見せない孤独がそっと横たわっていた。  友情と人間関係の微妙な綾を描く、静かな魔性の物語。
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