祠みたことか・・・・・・
完結済最近更新:エピローグ2025年06月02日 19:01
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あらすじ
詳細
奈津子は番組制作会社のスタッフである。世間はオカルトブーム。プロデューサーが現代の因習村の実態をレポートする企画を立案する。ところが候補にあげた村落からは取材の拒否があいついだ。そこでたまたま辺境の山奥出身である奈津子の故郷に白羽の矢が立ってしまう。村から了解を得て奈津子たちはロケハンに臨んだが、過って村の祠を壊してしまう。閉じる
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ネオ・デビューネオ・デビュー2025-06-02 19:00創意工夫ありし者創意工夫ありし者作者のひとりごと作者のひとりごと
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定年退職後に執筆活動を開始。気が向いた時に何かしら書いています。閉じる
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順番の外にいる読者
順番の外にいる読者大学の研究サークルで、陸谷は一通の手紙を受け取る。差出人は同じサークルに所属していた沙莉。だが、その封筒には名前がなく、受け取った覚えもなかった。読むつもりのなかったその手紙には、誰にも言っていないはずの出来事が、淡々と書かれていた。沙莉は、少しずつ周囲から姿を消していく。大学では「連絡が取れない学生」として扱われ、警察も事件性を見出さない。非通知の電話や、意味を含んだ言葉が続いても、それらは「問題として成立しないもの」として整理されていく。陸谷は、沙莉の手紙を読み続ける。そこには、彼女自身の不安や違和感だけでなく、「読む側」に向けられたような言葉が混じり始めていた。まるで、彼女は“読まれること”を前提に、自分の消失を記録しているかのようだった。  次第に陸谷は気づく。自分は沙莉の当事者ではない。家族でも、恋人でもなく、責任を負う立場にいない。ただ、手紙を読んでしまっただけの人間だということに。  大学や警察といった「正しい人たち」は、何も間違えない。だが、その正しさの中では、沙莉の不在も、手紙の意味も、誰にも拾われないまま通過していく。  読むことは、行為として数えられない。それでも陸谷は、読むことをやめられない。そして、読んでしまった人間が、どこにも記録されない存在であることを知る。  これは、誰かが消えた物語であり、同時に、「読者」という立場が、どこまで無関係でいられるのかを問う物語である。
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