ユートピア・オーバードーズ―感情監視社会の少女たち
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あらすじ
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幸福は感情の檻だった 動物型端末〈コンパニオン〉は、感情を測定するための装置だ。 けれど彼らはかつて、“共鳴する存在”だった。 人間のやさしさに応え、心の動きに寄り添い、ともに生きるものだった。 ──それを、私たちはいつから“道具”と呼ぶようになったのだろう。 ある日、少女が消えた。 残されたのは破損したログと、異常値扱いされた「やさしさ」の痕跡。 数値にできなかった感情は、無価値として記録から削除された。 だがなぜ、人と人が、あるいは人と命が「共鳴」することが、 これほどまでに恐れられているのか。 ――これは、感情の自由を奪われた未来で、 ほんとうの“しあわせ”を求めた少女たちの記録。 ※本作は「カクヨム」「Tales」「Neopage」にて同時掲載しています。閉じる
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ネオ・デビューネオ・デビュー2025-07-31 15:41創意工夫ありし者創意工夫ありし者作者のひとりごと作者のひとりごと
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つけとレビュー
はじめまして。青羽イオと申します。 「記録に残らないもの」や「声を持たなかった存在」たちが、 それでも確かに“ここにいた”ということを、物語として残したいと思いながら書いています。   現代ディストピアSF『ユートピア・オーバードーズ』では、 幸福を制度化した社会で「共鳴」を恐れる人間の倫理と感情の境界を描きました。 感情を測定する動物たち〈コンパニオン〉に、人が何を背負わせてきたか。 幸福とは誰のもので、やさしさはいつから数値化されるようになったのか。 その問いを、静かな反抗として物語に綴っています。 一方、昭和初期を舞台にした『繭の中から』では、 “育てるもの”としてしか扱われなかった蚕と、 「大人になりたくない」と願う少女の姿を重ねながら、 命の循環と家畜化された存在の倫理を見つめ直しました。   時代も形式も異なりますが、私が書きたいのはいつも、 “声にならなかった願い”と“気づかれなかった共鳴”の記録です。   どうか、その沈黙に耳をすませていただけたら嬉しいです。閉じる
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