繭の中から
完結済·新着更新:エピローグ 繭のなかの祈り·2025年07月31日 16:04
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あらすじ
詳細
食べられず、語られず、それでも生まれて──わたしは、糸になる 語ることも、食べることもできず、 ただ命を繋ぐためだけに生まれてきた、ひとつの白い生きもの。 降り積もる雪、ひとりの少女、そして口のない命。 語られぬ思いと、置き去りにされた夢が、静かに繭へと編み込まれてゆく。 あたたかさは言葉ではなく、 祈りのような気配となって、そっとそこに在った。 変わることを恐れる心と、変われぬままの命が、 やがて出会い、そっと触れ合い、結ばれていく。 これは── 言葉を持たぬものたちの、静かで深い記憶の物語。 ※本作は「カクヨム」「Tales」「Neopage」にて同時掲載しています。閉じる
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作者のひとりごと作者のひとりごと2025-07-31 16:04ネオ・デビューネオ・デビュー2025-07-31 16:01創意工夫ありし者創意工夫ありし者
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つけとレビュー
はじめまして。青羽イオと申します。 「記録に残らないもの」や「声を持たなかった存在」たちが、 それでも確かに“ここにいた”ということを、物語として残したいと思いながら書いています。   現代ディストピアSF『ユートピア・オーバードーズ』では、 幸福を制度化した社会で「共鳴」を恐れる人間の倫理と感情の境界を描きました。 感情を測定する動物たち〈コンパニオン〉に、人が何を背負わせてきたか。 幸福とは誰のもので、やさしさはいつから数値化されるようになったのか。 その問いを、静かな反抗として物語に綴っています。 一方、昭和初期を舞台にした『繭の中から』では、 “育てるもの”としてしか扱われなかった蚕と、 「大人になりたくない」と願う少女の姿を重ねながら、 命の循環と家畜化された存在の倫理を見つめ直しました。   時代も形式も異なりますが、私が書きたいのはいつも、 “声にならなかった願い”と“気づかれなかった共鳴”の記録です。   どうか、その沈黙に耳をすませていただけたら嬉しいです。閉じる
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