1ミラクルアルティメットストライカーシノブ〜千両勘吉〜
性描写有り
連載中·223·293万字
残酷描写有り暴力描写有り
2「不倫女」と捨てられた私、六年後に夫の子連れで戻ったら――後悔した夫が溺愛暴走
連載中·60·17.3万字
六年前、さやかは思いがけず一夜を過ごしてしまった。 達也は彼女を「不倫女」だと責め、離婚届を突きつけて家から追い出した。しかも、さやかには一銭も渡さず、すべてを奪った。 それから六年。 子どもたちを連れて戻ってきたさやかを見て、達也は彼女の隣に立つ、自分そっくりの小さな男の子に目を奪われる。 そして、ようやく気づいた。 六年前の「不倫相手」が、ほかでもない自分自身だったことに。 達也は後悔と驚き、そして隠しきれない喜びに襲われる。 以来、冷徹なエリート社長は一変した。さやかにまとわりつく甘えん坊と化し、毎晩のように彼女のベッドへ潜り込もうとする。 そんなある日、さやかが別の男と結婚すると聞いた達也は、ホテルへ乗り込み、結婚式の会場をめちゃくちゃにした。 「お前の夫はまだ死んでないんだぞ!」 その場にいた全員が、あまりのことに目を見開く。 長男は呆れたように首を振った。 「こんな男、僕は知らない」 次男は嫌そうに目を覆う。 「恥ずかしすぎる。見てられない、ほんとに見てられない」 三男は心配そうに呟いた。 「……パパ、今夜ママに怒られるよ」 四男は眉をひそめ、顔をしかめたまま。もはや言葉もない。 ただ一人、ドレスを着た末娘だけが達也のもとへ駆け寄り、彼の裾をぎゅっとつかんだ。 小さな首をかしげ、愛らしい声で尋ねる。 「パパ、ママは花嫁さんの付き添いになっちゃダメなの?」 達也、史上最大級の公開処刑が決定――!
4黒川社長、その署名で親権を失います
連載中·60·20.7万字
日和には、結婚生活にまつわる二つの秘密があった。 一つ目は、黒川家が彼女を嫁として認めていないこと。 一族は理玖を騙し、本人がそれとは知らないまま、結婚前に離婚合意書へ署名させていた。 二人の結婚に許された時間は、わずか七年――。 そして、もう一つは……日和が理玖に隠れて、娘を産んでいたことだった。 結婚して七年。理玖は、自分に五歳になる娘がいることを知らない。 七年ものあいだ、ひたすら尽くし続ければ、いつかは彼の冷え切った心も溶かせる。日和はそう信じていた。 しかし、離婚合意書が効力を持つまで、あと三か月。 そのとき初めて、日和は夫にも秘密があることを知る。 ――理玖が愛していたのは、弟の婚約者だった。 この七年間、彼に捧げてきたすべてが、まるで滑稽な茶番だったかのように崩れ落ちていく。 心が完全に死んだ日和は、娘の存在を明かさないまま、きっぱりと離婚を選んだ。 やがて彼女は、誰からも見下される専業主婦から再び頂点へと返り咲き、最年少の医学賞受賞者となる。 その頃になってようやく、かつて日和を顧みようともしなかった理玖は思い知った。 彼女がずっと前から離婚を決意していたことを。 そして今はもう、自分など少しも必要としていないことを――。 さらに、隠されていた娘の存在まで世間の知るところとなる。 これまで誰にも執着したことのない冷淡な男は、大勢が見守るなか日和の行く手を塞ぎ、噛みつくように問い詰めた。 「離婚して、子供だけ連れていくつもりか? 日和、俺に死ねと言ってるのか」 日和は娘の手を握り、淡く微笑む。 「よく聞いて。この子は私の娘よ――黒川の姓は、名乗らせない」
5クズ男を一途にさせたら、愛が重すぎました
連載中·30·14.2万字
暴力描写有り性描写有り
結婚四年目の誕生日。 樗木結衣が目にしたのは、夫・奏多が若い女を優しく抱き上げる姿だった。 仕事では共に巨大企業を支え、家では完璧な妻として彼を支えてきた。 どれだけ冷たくされても、いつか振り向いてくれると信じていた。 けれど――もう、疲れた。 「財産と株を半分くれるなら、あなたを自由にしてあげる」 初めて離婚を切り出した結衣に、奏多は冷たく言い放つ。 「俺たちは離婚できない」 愛なんて必要ない。 子供さえできれば、夫婦はこのままでいい。 彼は知らなかった。 かつて結衣が奏多を庇って負った傷のせいで、彼女がもう子供を望めない身体になっていたことを。 そして結衣が本当に会社を辞め、指輪を外し、離婚調停を申し立てた瞬間―― 今まで一度も妻を追わなかった男の余裕が、初めて崩れ始める。 離婚を担当する親友の敏腕弁護士は、傷ついた結衣に静かに惹かれ始め、奏多の胸には抑えきれない独占欲が芽生えていく。 さらに、結衣の身体に残る“小さな赤い痣”が、二十年以上前に消えた名家の令嬢へと繋がって――? 「もう戻らない」と決めた妻と、失って初めてその存在の重さを知った夫。 愛していないはずだった。 なのに、なぜ他の男に触れられるだけで、こんなにも許せない――? 離婚から始まる、財閥夫婦の執着×逆転ラブストーリー。
6結婚前夜、婚約者が妹とホテルの部屋を取っていた。私はその場で新郎を冷遇されている次男に変えた…彼はやがて後継者になった
完結済·33·10.4万字
結婚前夜、御園志紀は客室のドアを開けた。 婚約者の東雲雅人はシャツの襟元を緩め、妹の沙羅は彼の袖口に手を添えていた。ホテルの予約票は、香水瓶の下に押し込まれている。 年長者たちは、雅人が御園家にきちんと説明すると言った。 雅人自身はこう言った。 「私生活の感情まで、婚約書に書く必要はない」 志紀は婚約書を閉じ、東雲家の次男・鉄平を指名した。 全身をセメントの粉塵で汚し、後継者についての話し合いにさえ席を与えられていない次男だった。 誰もが彼女は正気を失ったと言った。 三上は、彼女が次男を選んで長男の顔に泥を塗ろうとしているのだと言い、久我は、彼女も頭が冷めれば出ていくだろうと言った。 ところが鉄平は経営陣の案を覆し、東雲家当主は実業部門の試験運用を彼に任せた。 成果発表の場で、雅人は皆の前で認めた。 「この部分では、俺は彼に及ばない」 東雲家当主は宣言した。 「来年度の現場統括と実業部門の試験運用は、鉄平に正式に任せる」 そして雅人は、沙羅との関係を続けた。 「結婚は結婚、恋愛は恋愛」という、彼なりのやり方を貫き続けた。 鉄平は後継者になった。 けれど、以前よりも彼女を失うことを恐れるようになった。 すべての財産を彼女名義にし、給料もすべて彼女に渡す。 夜になると彼女を抱きしめ、こう囁く。 「俺を捨てないで。一生、俺のそばにいて」
7声なき妻が離婚を告げたら、冷徹な夫が壊れました
連載中·64·22.7万字
性描写有り
「俺は絶対に君と離婚しない!」 ――愛していないくせに、どうして今さら? 幼い頃に家族と声を失った橘初音は、ずっと想い続けてきた薄井陽介と結婚して五年。 けれど、夫の心にいるのは妻ではなく、初恋の女性・水城雅希だった。 人前では妻として扱われず、義母から疎まれ、雅希にどれだけ傷つけられても、初音はいつも笑って耐えてきた。 「大丈夫」 声の代わりに、そう手話で伝えながら――。 いつか陽介も、自分を少しくらい愛してくれるかもしれない。 そんな儚い期待を捨てきれなかった初音だったが、ある事件をきっかけに、お腹の子どもまで失ってしまう。 それでも陽介が守ったのは、初音ではなく雅希だった。 その瞬間、初音の中で何かが切れた。 もう、愛してもらおうとは思わない。 この結婚も、この恋も、終わりにしよう。 ケーキ作りという自分の才能を頼りに、陽介のいない人生へ歩き出そうとする初音。 ところが――。 今まで冷たかったはずの夫は、彼女が本気で離れようとした途端、まるで別人のような執着を見せ始める。 愛していないと言ったのは、あなたでしょう? すべてを諦めた妻と、失うことを許さない夫。 すれ違い続けた二人の、本当の恋が動き出す――。
9玉の輿を狙う親友に高額でコンサルを頼まれた私――報酬をこっそり安物に替えたら、なぜか御曹司社長に溺愛されました
完結済·30·7.8万字
堀木香奈美は、二十万円を私の前へ差し出して言った。 「私の一生の幸せ、あなたに託すね」 私はそのうち十九万九千円を懐に入れ、古いカーテンを使って小さな白いドレスを縫った。 香奈美はそのドレスを着て、玉島家の慈善晩餐会へ向かった。 そして――玉島督本人から声をかけられた。 その後、香奈美は再び私に二百万円を渡した。 「いつも大女将様の前でお茶を淹れている茶谷優菜をどうにかして」 私はそのうち百九十九万九千円を自分のものにして、八百円の黒豆青汁パウダーと大量のアイドルアクリルスタンドを使った。 結果、茶谷優菜が仕掛けた罠は、ただの茶番劇へと変わった。 茶谷優菜が、部屋いっぱいに並べられた段ボール製のアイドルパネルを前に、笑顔を崩した時。 私は思った。 私たちの勝ちだ、と。 けれど―― 彼女が人を引き連れて病院へ乗り込み、私の顔を指差して言うまでは。 「玉島専務を陥れるために、人を雇ったのはあなたでしょう!」 さらに彼女は、香奈美が産んだばかりの子どもをすり替えた。 私が自分の手で貼り付けた偽造防止の出生マークは、赤ちゃんのお尻から消えていた。 香奈美は取り戻された我が子を抱きしめ、身体を震わせながら泣いた。 大女将は車椅子に座ったまま、冷たい声で言った。 「茶谷家の帳簿を調べなさい」 「一つも見逃してはいけません」 後になって、彼女たちは知ることになる。 私の大切な親友・香奈美が玉島督へ向けていた優しさは、すべて私にお金を渡して悪役を演じさせるためのものだったのだと。 けれど、彼らが見たものは―― 千円の胃薬。 八百円の青汁パウダー。 四百円の避妊具……。 一体、誰が私を悪人だと言えるのだろう。 茶谷優菜は私を見つめた。 唇を震わせながら、何も言葉にできない。 そしてとうとう、怒りのあまり気を失った。 ただ一人。 いつも何を考えているのか分からない玉島蓮だけが、廊下の奥に立っていた。 彼は私を見つめていた。 その瞳には、私にはまだ読み取れない何かが宿っていた。
11浮気夫の愛人の清純ピアニストが妊娠。皆が私の涙を期待したけど、冷徹イケメン彼氏の求婚で忙しい
完結済·31·7.6万字
日向芙美は、幼い頃から「周りに馴染めないこと」を恐れていた。 東京へ出てきた時も、浮いてしまうのが怖くて、わざと「私にも片想いしている人がいる」と嘘をついた。 桐生家へ嫁いだ後も、夫人たちの輪に入れないことを恐れ、茶会で震える声を出した。 「実は……主人には愛人がいるみたいなんです」 すると夫人たちは彼女を笑わなかった。 それどころか、優しく手を握って言った。 「男って、結局みんな浮気するものなのね」 「男が愛人を作れるなら、私たち女だって同じことをしていいじゃない」 芙美は一人の愛人を作った。 清水坂の学生街に住む、貧しい学生・陸央。 古びた白衣を着て、すぐ耳を赤くする男。 彼女が腰に足を乗せても、彼は抵抗ひとつしなかった。 芙美は思っていた。 すべて自分が支配しているのだと。 けれど。 九条家の乗馬クラブで開かれた親睦会の日。 暴れた馬が、芙美へ向かって突進してきた。 その瞬間。 桐生は大勢の人の前で、愛人であるピアニスト・有明月乃を抱きかかえ、その場を離れた。 血に染まった砂の上に、芙美を置き去りにして。 その時。 清水坂で自分が囲っていた貧しい学生が、一瞬で矢を放った。 暴れ馬を仕留めたのだ。 後になって、芙美は知った。 陸央という名前は本当の名前ではなかった。 彼の本名は――九条黎。 九条グループの実質的な後継者。 そして世間では「頭がおかしい狂人」と噂される男だった。 彼は芙美の足元に跪いた。 彼女の手のひらへ頬を寄せ、掠れた声で尋ねる。 「ねえ、ベビー」 「俺が君の元夫のそばに女を置いたこと……怒ってる?」 九条は、どうしても彼女に離婚してほしかった。 自分を正式な夫という立場にしてほしいから。 その執着が、芙美には面倒で仕方なかった。 芙美が考えていたことは、別のことだった。 よかった。 夫人たちが離婚するなら、私も離婚できる。 これでまた、みんなと話す話題が増える! 離婚届にはサインしてもいい。 でも、外では彼は誰もが跪く九条社長。 そして家の中では―― これからも、彼は私のことを「ベビー」と呼ぶのだ。
12一人っ子の夫が双子の兄になりすました理由――私の姉と浮気するため、二人の女と恋を続けた彼の嘘はついに暴かれた
完結済·30·7.1万字
芦田汐里は、ずっと思っていた。 夫・龍崎湊は、ただ仕事が忙しいだけなのだと。 けれど―― 姉が九十九回目のように泣きながら家へ押しかけ、離婚を勧めてきた日。 汐里は、夫のパソコンにログアウトされていないLINEを見つけた。 そこには、姉のアイコンが光っていた。 「これで九十九回目よ。婚姻届を出すのを拒否するなんて」 「私、妊娠したの」 「私を選ぶのか、それとも彼女を選ぶのか、自分で決めて」 汐里は知らなかった。 夫には、そっくりな双子の兄弟がいると思っていた。 二人は顔も姿も同じ。 けれど、その兄弟が同時に姿を見せることは一度もなかった。 まさか―― 二人が同じ一人の人間だなんて、考えたこともなかった。 チャット履歴を遡るほど、汐里の手は冷たくなっていった。 三時間かけて買ってきてくれたうどん。 それは姉が好きな柚子胡椒味だった。 深夜に作ってくれた生姜湯。 それも姉に言われて用意したものだった。 婚姻届を出した日の夜。 彼は「酔って帰れなかった」と言った。 けれど、メッセージ履歴に残っていた最初の言葉は―― 「口を閉じろ」 「汐里の前で騒ぐな」 だった。 そして、何より彼女の心を完全に壊した出来事があった。 あの深夜。 汐里は南口の路地で誰かに後をつけられていた。 震える手で110番へ電話をかけ、彼へメッセージを送った。 「助けて」 返ってきたのは、 「今すぐ警察に連絡する」 「明るい場所へ移動して」 という言葉だった。 けれど彼本人は―― たった一キロ先で、姉と夜食を食べ、映画を見ていた。 汐里はLINEを削除した。 離婚届に署名した。 そしてロンドンへ渡った。 三年後。 桐生商事のアジア太平洋地域総代表として帰国した彼女。 会議室の前で、彼は思わず名前を呼んだ。 「……汐里」 彼女は穏やかな表情で彼を見る。 「芦田部長とお呼びください」 「龍崎さん、お久しぶりです」
13「社長を離れたら生きていけない」と言われた私――彼が破産した日、一本の電話で十二のファンド責任者を畳に正座させました
完結済·31·7万字
黒木家の人間は皆、九条燈里のことをこう思っていた。 美しいだけで、何の役にも立たない籠の中の鳥だと。 黒木蒼一朗の実の妹でさえ、こう言った。 「黒木家を出たら、三日も生きられないでしょうね」 世界に一つしかないクロコダイル革のバッグを、店員は燈里の目の前から引き下げた。 理由は簡単だった。 黒木蒼一朗のブラックカードが使えなかったから。 黒木物産の株価暴落のニュースを突きつけられた記者たち。 燈里は黒木蒼一朗へ電話をかけた。 けれど、彼は出なかった。 黒木家へ戻ると、黒木芽衣は彼女を指差して怒鳴った。 「黒木家がもうすぐ破産するっていうのに、外で買い物していたの?」 「あなた、本当に何も感じないの?」 黒木蒼一朗は燈里へ新しいカードを渡した。 そこに入っていた金額は、十億円。 彼は彼女に海外へ行くよう言った。 自分は、すべての株式を手放すための署名をするつもりだった。 汐見楼で開かれたその夜。 十二のファンドの代理人たちは、燈里を笑った。 「所詮、自由に飼われるだけの籠の鳥でしょう」 金髪の男は笑いながら言った。 「黒木家が破産したら、俺たちがこの籠の鳥を養ってあげますよ」 誰もが思っていた。 彼女には、美しさ以外何もないと。 けれど。 黒木蒼一朗が署名する、その直前。 九条燈里は交渉の席の最上席へ座った。 そして、十年間一度も使わなかった番号へ電話をかける。 「アジア市場の取引を停止してください」 「それから、あの十二社のファンド責任者へ伝えて」 「三十分以内にここへ来て、今日の件を土下座で説明するように」 彼女は籠の鳥なんかではない。 国際金融秩序評議会の最高責任者。 その肩書きは――議長。 黒木蒼一朗が額から血を流した時。 彼は燈里を背後へ庇い、言った。 「俺の後ろにいて」 籠の鳥にとって、一番得意なことは。 美味しいものを食べて、楽しく過ごすこと。 でも―― たまには外へ出て。 黒木家が失ったすべてを、取り戻してあげる。
15九条さん、新婚早々、溺愛が過ぎます!
連載中·62·20.1万字
性描写有り
17潔癖すぎる姉に「汚い」と嫌われた私――なら彼女の婚約者を奪って、彼まで私の側へ染めてしまいます
完結済·30·7.2万字
九条彩香には、極度の潔癖症があった。 彼女は私が自分の着物に触れたことを汚らわしいと嫌悪し、使用人に命じて私の服を剥ぎ取らせた。 そして雪の中で、大勢の人々の前で着替えさせた。 さらに、私の母が作った雲片糕を「汚い」と言い、母の口を無理やり開かせ、一つずつ押し込ませた。 九つ。 母はそのまま、喉を詰まらせて命を落とした。 私は母の亡骸を抱きしめながら、彼女へ礼を言った。 すると彩香は、便座カバーを作り替えた赤い布を一枚、私へ投げ渡した。 「これを花嫁衣装にでもすれば?」 「私が里帰りする日に、藤原家の使用人にあなたを迎えに来させるわ」 そう言われた私は、赤い布を大切に抱えて、嬉しそうに部屋へ戻った。 そしてその後。 私は地下牢から彩香の婚約者・藤原佑真を引きずり出した。 何度も頬を叩いた。 そして、そのまま彼の上に跨った。 「汚いものが嫌いなんでしょう?」 「なら見てみればいい」 「汚れてしまった婚約者を、それでもあなたは欲しがるのか」 三か月後。 藤原佑真は私の家の広間に座り、彩香の目の前で告げた。 「彩香さんとは結婚できません」 「俺を救ってくれた女性がいる」 「その人と身体を重ね、もう彼女を妻にすると約束しました」 彩香は彼へ駆け寄り、腕を掴んだ。 「誰なの?」 「その女は、一体誰なのよ?」 彼の視線は、彼女の肩越しに扉へ向かった。 私は慌てて後ろへ隠れた。 彼は静かに目を伏せる。 「誰かに強制されたわけじゃない」 「俺自身が望んで、彼女を妻にするんだ」 三年後。 博多の小料理屋の前。 私は向かい側の寄席の前に停まった一台の黒い車を見た。 窓がゆっくりと下がる。 彼は顔を上げ、私を見つめた。 「でも、俺は待てる」 「柊月」 「俺は、君を待ち続ける」
18姉が私の婚約者と駆け落ちした――身代わりで姉の盲目の婚約者に嫁いだ私を、彼は本当はずっと愛していた
完結済·30·7.1万字
沢田家の双子の姉妹は、同じ日に嫁ぐことになった。 姉・美和は東雲商社の次男・東雲景一へ。 妹・千夜は、香坂家の婿入り予定の神楽悠人へ。 それぞれ幸せな結婚を迎えるはずだった。 ――あの日までは。 結婚式当日。 姉は「お守りを交換しましょう」と言って、千夜を東雲家の花嫁車へ乗せた。 車が出発する直前。 千夜が見たのは、本来なら自分の夫になるはずだった神楽悠人が、姉の手を握っている姿だった。 花嫁の白い布を上げた瞬間。 千夜は気づいた。 そこにいた新郎は―― 義兄になるはずだった東雲景一だった。 自分は、実の姉と愛した人に騙されたのだ。 千夜は無理やり東雲家へ嫁ぐことになった。 毎晩、姉の声を真似して話す。 清めの部屋に閉じこもり、深夜になるまで出てこない。 新婚初夜を避けるために、足の指を痛めるほど必死だった。 彼女は思っていた。 夫は目が見えない。 身体も弱い。 何も気づいていないのだと。 けれど―― 姉と神楽は、すでに新婚初夜を共にしていた。 もう元に戻すことはできない。 家族はすべてをなかったことにしようとした。 母親は涙ながらに千夜へ頼んだ。 「東雲さんに気づかれる前に……早く子どもを作って」 神楽悠人は千夜を引き止めた。 「元に戻さないなら、この秘密をすべて暴露する」 そう脅された。 千夜は東雲家で、毎日息を潜めるように暮らした。 けれど彼女は知らなかった。 目の見えないはずの夫は―― 花嫁の顔を初めて見た、その瞬間から。 すべてを見抜いていたことを。
19四年間、私に触れもしなかったくせに――離婚を切り出した途端、夫が取り乱した
連載中·15·4.2万字
結婚して四年。あの女が帰ってきて、千夏はようやく知った。 夫の相川佑真が自分に触れず、氷のように冷たかったのは、生まれつきの性格のせいではない。ただ、愛する相手が別にいたのだ。 千夏に渡す生活費は毎月十万円。それなのに、想いを寄せる女の研究には毎月五百万円を惜しげもなく投じる。 愛されているかどうか。その差は、あまりにも残酷だった。 「好きな人を結婚生活の煩わしさに縛りつけて、輝きを失わせたくない」 そう語る佑真は、千夏には仕事を辞め、専業主婦になるよう求めた。彼女の輝きは守りたいのに、妻には自分を捨てろと言うのだ。 だが佑真は知らない。千夏が、平凡な会社員などではないことを。 この四年間、千夏は国家機密に関わる研究プロジェクトを率いていた。佑真が「天才」と持ち上げるあの女でさえ、千夏の下では補佐役にしかなれない。 そして、彼がろくに確かめもせず署名した書類が、二人の結婚を終わらせる離婚届だったことも――。 一か月後。 千夏が研究界の大物であることが公になり、離婚成立を告げる書類と離婚協議書が佑真のもとに届く。 いつもは穏やかで礼儀正しい佑真が、書類を破り捨てた。信じられないという顔は、やがて怒りに染まる。 「俺以外に、離婚歴のある千夏を誰が欲しがるっていうんだ!」 そう言い放ったのは彼自身だった。それなのに、復縁を求めてひざまずいたのも、また彼だった。 再び顔を合わせたとき、千夏は名門一族の実権を握る男の腕にそっと手を添えていた。 元夫を見つめるその瞳に、もう心の揺れは一つもなかった。
20タイムスリップ!アイドル三人娘、江戸歌舞伎公演
連載中·1·3.6万字
江戸へタイムスリップしたアイドル三人娘。その奇抜な衣装と容姿の良さから、異国のスパイでないか?と疑われる。奉行所で調べを受けるが、スマホで皇居やアイドル公演の映像を見せる事で、密偵の疑いを解くことが出来た。ただ、タイムスリップして後の世より江戸に来たのは疑わしかったので、将軍より『江戸の歌舞伎小屋で愛踊る(アイドル)公演をして見せよ。江戸で評判となれば無罪放免。もし失敗すれば島流し』と御達しを受ける。仕方なく歌舞伎役者の虎三郎の元で、愛踊る公演の準備に勤しむ三人娘。 そんな中、娘達は公演の成功祈願で、両国の回向院で願掛けを行う。その帰りしな、涼華は相撲見物に行くが、江戸の規則で女は入れなかった。仕方なく酒屋で飲んだ後、木陰で酔いつぶれてしまう。そこに通りかかった大関の雪風。涼華をおぶって彼女が世話になっている萩原邸まで送る。夕暮れの江戸を送る中で仲良くなる二人。 後日、涼華は雪風の部屋へ料理を振る舞いに行く。周りが気遣い二人きりとなる中で、雪風は涼華へ赤い珊瑚の玉簪を贈る。そこで気持ちが一つとなりキスをしようとする二人だったが、帰りの籠が迎えに来てキスはお預けとなる。しかし、その後もデートを重ね親密になっていく二人。 その間、愛踊る公演は人気を博し、島流しも無くなりひと安心となる中、涼華は雪風の手紙で密会へ呼び出され、誰もいない夕暮れの御堂へと来ていた。やがて、扉が開き中に入って来たのは、歌舞伎の虎三郎だった。つれない涼華を手籠めにしようと、雪風を装い偽の手紙で呼び出したのだ。襲い掛かる虎三郎に抵抗する涼華。そこへ雪風が現れる。雪風は訪れた萩原邸で、密会の事を聞きつけると不審に思い急ぎ駆けつけたのだった。すると虎三郎は雪風より懲らしめられ悲鳴を上げて逃げ去った。その後、涼華と雪風は月影の御堂で結ばれた。 数日後、娘達は枕元に立った阿弥陀様の御導きで帰る事となり、雪風や萩原と時の扉の所へ来ていた。当初、涼華は雪風が好きだから帰らないと言っていたが、時の扉が閉まり始めると、雪風は涼華を時の扉の中へと押し入れる。持病のある涼華が江戸では生きて行けぬと判断したからだ。涼華は泣きながら、大切にしていた赤い玉簪を雪風に渡した。 令和に戻るとそこには、雪風の慰霊塔と赤い玉簪を髪に指した雪風の絵があった。泣き崩れる涼華。しばらくして涼華の肩をトントンする大きな手が?そこにいたのは⁈
21北浅間村物語 第一話 オメルタの掟
連載中·6·3.5万字
23処刑された悪役令嬢、十年前に戻って『善人』をやめる
連載中·13·14.9万字
公爵令嬢エレノアは、家族や婚約者である王太子アレクシス、そして王国のために尽くしてきたにもかかわらず、妹リリアンを虐げた「悪役令嬢」として断罪され、処刑されてしまう。 ところが次に目を覚ますと、彼女は処刑される十年前、十五歳の自分に戻っていた。 一度目の人生で、誰かの期待に応え、誰かに愛されるために自分を犠牲にし続けた末に裏切られたエレノアは、二度目の人生では「もう善人になるのはやめる」と決意する。 家族の失敗を庇わず、妹の世話もせず、王太子との婚約さえ拒絶し、自分のためだけに生き始めたエレノア。すると皮肉にも、彼女の人生は前世よりもはるかに良い方向へ動き出す。 商才を発揮して自らの居場所を築き、新たな仲間にも恵まれていく一方で、なぜか前世では自分を処刑したはずの王太子アレクシスが、今世ではエレノアを必死に追いかけてくる。 実はアレクシスもまた、一度目の人生の記憶を持っていた。エレノアを処刑した後に彼女の無実を知り、すべてを失った彼は、二度目の人生では何としても彼女を救おうとしていたのだ。 しかし、エレノアにとって彼は自分を殺した男でしかない。 そんな中、前世でエレノアを破滅へ追いやった事件が再び起こり始める。妹の転落事故、毒殺未遂、王家への反逆疑惑――歴史を変えたはずなのに、なぜかエレノアを「悪女」に仕立てようとする流れだけは変わらない。 やがてエレノアは、前世の悲劇が単なる偶然ではなく、王位を巡る巨大な陰謀によって仕組まれていたことを知る。 一度目の人生では、何も知らないまま断罪されるだけだった。 けれど二度目は違う。 もう誰かに守ってもらうのを待つことも、無実を信じてもらえるよう泣いて訴えることもしない。 自ら築いた人脈と財産、未来の知識、そして信頼できる仲間たちと共に、エレノアは自分を陥れた者たちへ立ち向かっていく。 前世では断罪された悪役令嬢が、今度はすべての陰謀を暴き、断罪する側へ。 そして戦いの果てにエレノアが選ぶのは、復讐でも、王太子に愛されることでもない。 誰かのためではなく、自分自身の意思で人生を選ぶこと。 これは、処刑された悪役令嬢が十年前へ戻り、「善人」であることをやめたことで、本当の幸せと愛を手に入れていく逆転の物語。
24産後一ヶ月、私と娘を放って従妹の息子を溺愛する夫――もう限界なので、娘を連れて離婚します
性描写有り
連載中·77·28万字
残酷描写有り暴力描写有り
出産から一ヶ月。 三浦美月は、生まれたばかりの娘・光を抱きながら、夫の駿が迎えに来るのを待っていた。 ところが彼は「仕事がある」の一言で姿を見せない。 妊娠中も、出産の日も、産後もずっと同じだった。 ――私は丈夫だから。 一人でも平気だから。 そう信じて耐えてきた美月だったが、その日、偶然訪れたホテルで残酷な光景を目にする。 そこにいたのは、夫の従妹・紬と、その息子を愛おしそうに抱く駿だった。 自分の妻には一度も向けなかった優しい笑顔。 妊娠中から付き添い、出産にも寄り添い、一ヶ月祝いまで盛大に開く夫。 しかも彼が祝いの品として差し出したのは、美月の母が光のために託した一族の家宝だった。 「君は強いから大丈夫」 「紬は体が弱い。君とは違う」 その言葉を聞いた瞬間、美月の中で五年間守り続けてきた愛が完全に死んだ。 家宝を取り返し、夫に突きつけた言葉はただ一つ。 「離婚しましょう」 ところが駿は、美月の決意をただの嫉妬と産後の情緒不安定だと思い込み、さらに彼女が命を削って完成させた大型プロジェクトの功績まで紬に与えようとする。 挙げ句の果てには、美月の母乳さえ紬の息子に与えろと言い出して――。 妻だから、母親だからと耐えるのは、もう終わり。 娘のため、奪われた誇りのため、美月はすべてを取り戻すことを決意する。 しかし、夫が異常なまでに紬を庇う理由と、二人が五年間隠してきた過去が暴かれたとき、この離婚は誰も予想しなかった泥沼へと変わっていく――。
25盲目の御曹司の愛人を3年続けて逃げた私。5年後、彼と息子に捕まり「夫と子を捨てた」と泣かれた
連載中·10·3.3万字
水原葵は、嘘つきだった。 彼女は明原昭誠の元恋人になりすまし、三年間彼の世話をした。 そして、思いがけず彼との間に息子を授かり―― お金だけを受け取って、姿を消した。 五年後。 占いの屋台を出していた葵の前に、一人の五歳ほどの男の子が現れた。 「ねえ、おばさん」 「僕のお母さんがどこにいるか、占ってくれる?」 そこへ、かつて葵がなりすましていた本物の元恋人・芹沢美月が現れ、少年を連れて行こうとした。 けれど。 少年は彼女を「お母さん」と呼ばなかった。 そして葵を見つめ、一言ずつはっきりと言った。 「僕が探しているお母さんは、この人じゃない」 葵は顔を上げた。 ――まずい。 この子……どうして私とこんなに似ているの? 誰もが思っていた。 明原昭誠は、きっと葵を憎んでいると。 三年間も彼を騙した。 子どもまで連れて姿を消した。 何も言わず、跡形もなく消えたのだから。 そんなある日。 葵の父親と弟が突然アパートへ押しかけてきた。 部屋をめちゃくちゃに荒らし、数百万円の借金を返せと迫る。 しかも、その借金は闇金からのものだった。 追い詰められた葵は、包丁を自分の首元へ当てた。 刃から血が伝い落ちる。 父親は後ずさる。 弟は震えて動けない。 その時。 外から足音が聞こえた。 ゆっくりと、扉が開く。 光の中に立っていたのは―― 明原昭誠だった。
26月影の花嫁は銀狼公爵の運命を拒む
連載中·53·26.5万字
 北の果てを守る英雄――『銀狼公爵』。  誰もが憧れ、誰もが恐れるその男、レオン・ヴァルハルトとの結婚を命じられた日、没落伯爵令嬢リリ ア・エヴァレットの人生は一変した。  平民街の診療所で薬師として働く彼女にとって、それは身分違いの政略結婚。しかも初対面の彼は、冷たい銀色の瞳でこう言い放つ。 「君を愛するつもりはない」  傲慢で冷酷。噂通りの男。    ――そう、思っていた。  けれど誰もいない夜、彼がたった一人で苦しんでいる姿を見てしまう。  国を守り続けた代償として、その身体を蝕む恐ろしい呪い。  誰にも弱さを見せず、静かに壊れていこうとする人。  そしてリリアだけが持つ、彼を救えるかもしれない特別な力。 「私は道具じゃありません」 「分かっている」  決して交わらないはずだった二人の距離は、少しずつ変わり始める。  不器用な優しさ。  時折見せる独占欲。  守られるたび、知らなかった彼を知るたび、凍りついていた心がほどけていく。  けれど、彼を救うには大きすぎる代償があった。  彼を生かせば、自分が失われる。  それでも。  たとえ運命に抗えなくても。  たとえ、この想いがすべてを壊すとしても。 「あなたを、置いていかない」  これは、愛を知らなかった英雄と、誰かのために生きてきた少女が、滅びの運命に抗いながら、本当の幸せを見つける物語。  孤独な銀狼は、月の花嫁に恋をする。
27ミラクルアルティメットストライカーシノブ〜真坂真琴〜
性描写有り
連載中·41·78.2万字
残酷描写有り暴力描写有り
28夫との結婚が偽物だったので、五百億円を相続して御曹司と再婚します
性描写有り
連載中·81·30.8万字
残酷描写有り暴力描写有り
293年前、1000万円で彼と別れた私。3年後、姑は1億円で私を呼び戻し、息子の身代わり女を追い出させた
連載中·10·2.6万字
汐里が留学から帰国した時。 幼い頃から一緒に育った幼なじみは、すでに若き社長となり、自分の身代わり女性と熱愛中だった。 二人の恋愛はネット中で話題になり、誰もが「お似合いのカップル」と盛り上がっていた。 そんなある日、彼の母親が汐里の前に現れた。 「一千万円で、もう一度息子のそばに戻ってちょうだい」 汐里は丁寧に断った。 「おば様、ご存じですよね」 「立派な元恋人というものは、死んだと思われるくらいがちょうどいいんです」 まさか、彼の母親が次の瞬間、覚悟を決めたように言うなんて思わなかった。 「一億円なら?」 「……問題ありません。ご期待以上の働きをします!」 年月が経てば物価だって上がる。 あの頃は一千万円で汐里を海外へ追い出して息子から離したくせに、今さら戻ってきてほしいからって昔と同じ金額で済ませようなんて。 そんな話、あるわけがない。 帰国後。 聖司は知らないふりをした。 恋人の摩耶は目の前で微笑みながら挑発する。 「私たち、本当に似てるよね」 高校時代。 九条聖司は毎日、桐生汐里の机の中へ薔薇の香りがするラブレターを入れていた。 年月が過ぎ。 汐里は一流のジュエリーデザイナーになった。 彼女の代表作「薔薇詩」の原点は、あの頃受け取った何通もの手紙だった。 けれど、帰国後に舞い込んだ最初の仕事は、まさか九条望司からの依頼だった。 彼は汐里に、自分の身代わり恋人のための交際記念ジュエリーをデザインしてほしいと言った。 「『薔薇詩』をテーマにしてくれ」 彼は知らなかった。 その作品に込められた想いが―― 本当は、彼自身へ贈られたものだったことを。 そして今、彼はその薔薇の詩を、新しい恋人へ渡そうとしていた。
31理外の公爵令嬢 ~魔法を過去のモノにしたのは、私だけのせいじゃありません!~
連載中·163·43.6万字
残酷描写有り暴力描写有り
中世の面影を色濃く残しながら、近代化の萌芽が芽生え始めたころ。 私たちの世界とは、少しだけ違う道を歩んだ異世界――ミルドガルド大陸。 アリア皇国の公爵令嬢フランソワは、王立学院で自然哲理学を学ぶ少女だった。 魔法という、貴族なら当然使えるはずの力に目覚めなかった彼女は、だからこそ気付いたのだ。 科学なら、貴賤を問わず、誰もが同じ成果を出せることに。 それを良しとしない、旧来の教義や権威と時に衝突しながらも 、フランソワの周りには次々と変革を目指す人材が集まりつつあった。 フランソワを一番の教え子と評価する、自然哲理学のセドリック教授、そして同級生たち。 その動きは、やがて文明そのものを変革していく、大きなうねりとなっていく。 魔法と聖書を否定しようとする者がいた 貧民街から筆一本でのし上がろうとする者がいた 飢える民を救わんとする者がいた 商売一つで成り上がろうとする者がいた 治せぬ病人を救おうとする者がいた ただ、祖国を守ろうとする者がいた もし、剣と魔法の世界が近代化の夜明けを迎えるなら、どんな物語が紡がれるのか。 これは異世界に住む、彼女らの物語。 転生も、現代知識もない。ただ、彼らと彼女らが走り続ける群像劇である。 ※本作は「小説家になろう」「カクヨム」および「アルファポリス」にも掲載しております。
32三年間、良妻を演じてきましたが、もうやめます
連載中·106·38.1万字
「ごめんなさい。もう、“あなたを愛してる妻”は演じられないの」 千晴が「人の恋人を奪った女」としてSNSを炎上させていたその頃、夫の凌平は空港へ向かっていた。 ――かつて愛した、初恋の女性を迎えに行くために。 結婚して三年。 凌平は一度たりとも、千晴を妻として公にしようとはしなかった。 彼が千晴と結婚した理由も、ただひとつ。 ――彼女なら、“良き妻”を完璧に演じられるから。 離婚するその日まで、誰もが信じて疑わなかった。 千晴は凌平をどうしようもないほど愛している、と。 どれだけ傷つけられても。 どれだけ冷たくされ、蔑ろにされても。 彼女だけは決して、凌平のもとを離れないのだと。 「千晴さん、怒ってるんじゃない?」 「まさか。あいつは物分かりがいいから」 「でも、離婚したがってるって……」 「ありえない。ただの駆け引きだろ」 ――凌平自身も、そう思っていた。 だからこそ。 千晴が何の未練も見せず彼に背を向け、華やかな芸能界へと戻っていったとき、凌平は初めて言葉を失った。 やがて千晴は、誰よりも眩しくスポットライトを浴び、誰もが憧れる存在へと返り咲く。 その姿を見て、凌平はようやく思い知った。 彼女はずっと、愛される人だった。 世界中が彼女を愛している。 ――彼女にふさわしくなかったのは、自分のほうだったのだ。 失って初めて愛に気づいた凌平は、千晴の前で片膝をつき、もう一度プロポーズする。 けれど千晴は、ただ美しく微笑んだ。 「ごめんなさい。もう、“あなたを愛してる妻”は演じられないの」
33結婚二年、夫婦生活ゼロ。 夫が私より大切にする女性が戻ってきたので、 離婚します
性描写有り
連載中·79·31.4万字
残酷描写有り暴力描写有り
結婚して二年――槻木芙由は、 夫・祐介に一度も抱かれたことがない。 仕事と出張ばかりの夫を、 それでもいつか振り向かせられると信じていた。 けれどある日、夫婦の寝室で、 自分には使った覚えのない女性用避妊カプセルを見つけてしまう。 さらに叔父が膵臓がんで倒れた夜、祐介は「出張中」と嘘をつき、 かつて愛した女性・東雲咲耶と花火大会を楽しんでいた。 病院では咲耶につきっきり。 自分には冷たかった夫が、彼女には飲み物の温度まで気遣い、 一晩中そばにいようとしている。 芙由はようやく悟った。 この結婚にしがみついているのは、自分だけだったのだと。 離婚届を用意し、家を出る準備を始める芙由。 だが、重病の叔父を救う海外の新薬を手に入れるため、 今すぐ祐介との関係を断ち切ることはできない。 そんな彼女の前に現れたのは、 兄の旧友だという謎めいた男・神宮寺弓弦。 偶然を装って彼女を送り、誰にも知られず高額な真珠を贈り、叔父の薬まで「俺が探してみる」と手を差し伸べる彼には、芙由自身も知らない過去があった。 妻の心が静かに離れていくことにも気づかず、彼女はずっと自分のそばにいると思い込む祐介。 けれど芙由はもう、かつてのように彼だけを見つめる妻ではなかった――。
34離婚直前、執着する元夫は記憶を失いました
連載中·78·21.9万字
結婚して三年。 瑠花は、誰よりも完璧な「阿部夫人」でいようと努力してきた。 夫・阿部奏汰のため、家族のため――。 どれだけ彼の冷たい態度を取られても耐え、義母からの嫌がらせや心ない言葉にも黙って耐え続けた。 けれど、そんな彼女の努力が報われることはなかった。 奏汰の心にいるのは、自分ではない。 幼馴染の坂本紗奈が帰ってきた瞬間、瑠花はすべてを悟った。 もう、この結婚にしがみつく意味なんてない。 「離婚してください」 そう告げたのは、瑠花が自分自身を取り戻すための決意だった。 しかし――離婚直前、奏汰は交通事故に遭う。 そして目覚めた彼は、すべての記憶を失っていた。 家族のことも、過去のことも忘れたはずなのに……。 なぜか、瑠花のことだけは覚えていた。 「離婚したい」 そう言う瑠花に、奏汰は戸惑う。 「また怒っているだけだろう?」 彼女が阿部家を出て行っても、奏汰は気づかない。 「瑠花がそんなことをするはずがない」 そう思っていた。 しかし、ある日――。 瑠花が別の男性に向けて見せた笑顔を見た瞬間、奏汰の心は大きく揺れる。 「俺の妻なのに……他の男を見るな」 「瑠花、どこにも行かないでくれ」 かつて彼女を傷つけた男が、今度は必死に愛を求め始める。 「寒いなら、俺が温める」 「怒っているなら、何でもする」 「お願いだから、俺を置いていかないで」 周囲はようやく気づく。 誰よりも瑠花を大切に想っていたのは、実は奏汰自身だったのだと。
35東堂社長が傷つけてしまった妻こそ、彼の最愛の人でした
連載中·89·25万字
深夜、激しい雨が降り続く市立病院。 「頭部に軽い脳震とうがあります。腹部にも強い衝撃を受けていて……赤ちゃんは助かりませんでした」 麻酔で意識が朦朧とする中、東堂陽菜は確かに感じていた。 自分の中で、大切な命が消えていく感覚を――。 五年間、陽菜は夫・東堂誠司を愛し続けてきた。 いつか彼が自分を見てくれると信じ、妻として尽くし、耐え続けてきた。 だからこそ、待ち望んでいた二人の子どもが生まれれば、きっと夫婦の関係も変わる。そう信じていた。 しかし、赤ちゃんを失った彼女が病室で聞いたのは、夫の冷たい声だった。 「彼女のことは気にするな」 事故のきっかけとなった女性を責めることもなく、傷ついた妻のもとへ駆けつけることもない。 誠司が守ろうとしたのは、陽菜ではなかった。 その瞬間、陽菜の中で最後に残っていた愛が崩れ落ちた。 愛は、努力すれば手に入るものではない。 どれだけ尽くしても、どれだけ待ち続けても、心が離れた人を変えることはできない。 涙を流しながら、陽菜は決意する。 もう、愛されるために自分を犠牲にする人生は終わりにする――。 そして彼女が告げた言葉。 「私、離婚したい」 最愛の夫を失った妻が、今度は自分自身の人生を取り戻していく。 そして、大切なものを失って初めて、冷酷な男は気づくことになる。 本当に失ってはいけなかった存在が、誰だったのかを――。
37不倫夫に捨てられた私、なぜか超エリート元婚約者に執着溺愛されています!
連載中·210·58.8万字
結婚して3年。 智世の夫・亮平の初恋の相手が、4歳の子を連れて帰国した。 その子は亮平の顔を見るなり、無邪気に駆け寄って叫んだ――「パパ!」と。 智世は迷わず離婚届を突きつけた。 「離婚しましょう。あなたを解放するわ、……私自身のためにも」 だが、亮平は冷酷な手つきでその紙を引き裂いた。 「俺から離れて、お前に何ができるっていうんだ?」 智世は屈辱に拳を握りしめる。 実家が破産したあの日から、彼女には選ぶ権利など残されていなかったのだ。 街中の弁護士から離婚訴訟を拒否され、絶望の淵に立たされた彼女の前に現れたのは――かつて自分が必死に婚約を破棄した男、白石瑞樹だった。 彼は一通の契約書を差し出し、静かに告げる。 「これにサインしろ。離婚したいんだろ? 俺が力を貸してやる」 最低な夫から逃れるため、智世はその場で契約に身を投じた。 しかし、ようやく契約期間が満了するその日。 瑞樹は背後から彼女を抱きしめ、甘えるような低い声で囁いた。 「智世、俺は浮気もしないし、ギャンブルもしない。稼いだ金は全部お前にやる……。だから、離婚するのはやめないか?」 抵抗も虚しく、智世は悔しげに声を絞り出す。 「瑞樹……あなた、私を騙したのね!」 男は満足げに腕の力を強め、低く艶のある声で笑った。 「ああ。一生かけて、お前を騙し続けてやるよ」 智世は彼を見つめ、問いかける。 「あなたみたいな嘘つきに、私を幸せにできるの?」 「俺の妻になればいい。お前はただ、幸せになることだけを考えていろ」 嘘から始まった関係はやがて真実の愛へと変わる。
39極道若様に買われた花嫁は、今日も逃亡中 ~婚約者に売られたはずなのに、なぜか溺愛されています~
性描写有り
連載中·69·23.7万字
残酷描写有り暴力描写有り
結婚式まで、あと三日。 私は婚約者・江藤澄江(えとう すみえ)に、一千万ドルで売られた。 行き先は、東南アジアにある詐欺組織の拠点。 目を覚ました時、私は薄いチュールドレスを着せられ、鉄の檻の中に閉じ込められていた。 頭上から降り注ぐスポットライト。 客席には、仮面をつけた富豪たちが並んでいる。 そして、最高額で私を買った男―― 黒瀬悟(くろせ さとる)。 アジア最大級の極道組織、その若様。 人を殺すことに一切のためらいがない。 感情の起伏が激しく、危険な男だという噂もある。 それなのに――彼は極度の潔癖症で、これまで女には一切興味を示さなかった。 そんな男が、私を檻から連れ出した。 そして、城の奥にある寝室へと連れていく。 「白石澪(しらいし みお)。お前が逃げるなら、俺が必ず捕まえる。」 私は彼を憎んだ。 私を閉じ込めたこと。 私から自由を奪ったこと。 そして、何度も理性を失う夜の中で、心より先に身体が彼を求めてしまう自分自身を。 だが、逃げ帰った私を待っていたのは―― 私を売った江藤澄江が、その金で人生を立て直し、妊娠した愛人を抱えながら、ネット上で「妻を探す愛の物語」を演じている姿だった。 その時、黒瀬悟は私に告げた。 「復讐したいなら、力を貸す」 「ただし、条件がある」 「お前という存在も」 「お前の命も」 「これからのすべてを――俺に預けろ」 私は契約した。 復讐のために。 けれど、彼の子を宿した時、一人の女が現れた。 そして私は気づく。 いつの間にか、自分が最も憎んでいた存在になっていたことに。 だから、私はもう一度逃げた。 もう二度と、彼に会わないつもりだった。 ――そのはずだった。 血まみれになった黒瀬悟が、私の前に現れる。 「澪、婚約は破棄した」 「今、すべての敵が俺の命を狙っている」 「だが、死ぬことなんて怖くない」 「俺は何もいらない」 「欲しいのは――お前だけだ」 籠の中の鳥のように私を閉じ込めた悪魔が 今度は赤く潤んだ瞳で跪き、私に縋ってくる。 これは救いなのか。 それとも―― さらに深い、愛という名の奈落なのか。
40三年間愛されなかったので身を引こうとしたら、離婚届を見た夫が壊れ始めました
性描写有り
連載中·260·87.2万字
残酷描写有り暴力描写有り
結婚して三年――。 夫・湊は、一度も私を愛してくれなかった。 夫婦なのに別々の部屋で暮らし、彼に浮上する女性問題の後始末をするのが私の役目。 どれだけ尽くしても、どれだけ待っても、彼の心は私には向かなかった。 それでも離婚できなかったのは、昔、命を懸けて私を救ってくれた彼を愛していたから。 けれど、その想いも限界だった。 湊の初恋相手・リナが帰国し、彼女の隣で見せる幸せそうな笑顔を目の当たりにした私は、ようやく気づく。 ――私は最初から、この恋の脇役だったのだと。 だから決めた。 もう彼を追いかけるのはやめよう、と。 財産もいらない。 地位もいらない。 ただ、この苦しい結婚生活から解放されたかった。 そうして差し出した離婚届。 当然、彼は喜んで判を押すものだと思っていた。 なのに――。 「本当に俺と離婚する気なのか?」 離婚を望んでいたはずの彼は、なぜか手続きを先延ばしにし、私が他の男性と話すだけで不機嫌になる。 さらには、今まで見向きもしなかったくせに、離れようとする私を必死に引き留め始めて……。 今さら優しくされても遅い。 私はもう、愛されない妻でいることに疲れてしまったのだから。 捨てられるはずだった妻が、自分自身の人生を取り戻そうとした瞬間――。 冷酷だった夫の執着と後悔が始まる。
41裏切られて離婚したのに、元夫が執着してきた——#元社長夫人、息子だけ連れて逃走中
連載中·147·42.7万字
桑野綾香は、夫・西浦俊行と子どもを授かって結婚したが、妊娠七か月のある日、夫が初恋・栗原霜子と産婦人科から出てくるのを目撃してしまう。 看護師たちの囁き――「激しい性交で裂傷したらしい…」 私と、結婚以来、一度もしてなかったのに…… 離婚を切り出すと、俊行は冷笑を浮かべて言った。 「また何を企んでいる?」 出産当日、綾香が大量出血する時、俊行はあの女の誕生日を祝っていた。 綾香は息子を隠し、離婚届にサインさせて、そのまま姿を消す―― やがてSNSでは世界中が騒然となる。 #西浦社長がフラれ、元社長夫人が息子を連れて逃走# 俊行は狂ったように彼女を探すが、目の前に立ちはだかるのは小さな男の子。 その顔は、まるで自分のコピーのようで―― 「……綾香、それ、俺の子か?」 「もう離婚したのよ。今更聞くなんて、滑稽じゃない?」 「じゃあ、やり直そう、復縁だ」 「西浦社長」と彼女は微笑みながら一歩下がる。 「順番待ちの人が多いから、まず番号札を取ってね」 その瞬間、俊行は背後から彼女を抱きしめ、声を震わせる。 「ごめん、綾香。これからは家のこと、全部あなたに任せる。順番、飛ばさせてくれないか?」 ――余生をかけて、二度と彼女に辛い思いをさせないと誓った。
44一夫多妻!?挙式中に婚約者を捨てて〜おんぼろ食堂を開店したら俺様御曹司の偽装恋人と……〜
連載中·5·1.5万字
「大きくなったら結婚しようね」幼い頃の約束を信じ、小さな会社の社長となった幼馴染・佐藤太一の会社を支え、共に暮らして五年。 待ちに待った挙式当日、チャペルで神父が淡々と読み上げたのは信じられない言葉だった。 「……並びに、第二の妻、第三の妻。汝らもまた、佐藤太一を夫とし……」 なんと太一は、自分勝手な一夫多妻挙式を強行したのだ。 式場を飛び出した月城美香は、偶然ぶつかった見知らぬハイスペックな男性の手を掴み、彼を許嫁と偽って式場へ。 「あいにくですが私には許嫁がおりますので! お二人とお幸せに!」 自立して幸せになることを胸に、一から料理の道で生きることを決意する。 なけなしの貯金を叩いて借りたのは、築40年の訳あり平屋。誰かの帰る場所になれるような『MIKA family食堂』をオープンさせるが、厳しい立地から客が来ず、資金難の大ピンチに陥ってしまう。 そんな猛暑のある日、店に倒れ込んできたのは、あの日式場で助けてくれたあの男性。伊藤フード&リゾートの社長・伊藤正人だった! 祖母直伝のみょうがのバター炒めを振る舞うと、彼が吸い込まれるように完食して…… おんぼろ平屋の食堂を守るため、ハイスペ御曹司と二つの契約を結ぶことになった私。 その契約とは……? 俺様で素直じゃない彼に、美香は振り回される予感。 ハイスペ御曹司との偽装関係から本物の幸せを掴み取る、笑いあり、涙ありの爽快&美食恋愛の物語。やがて、美香の料理と優しさは、彼の人生さえも反転させる選択へと変わっていく。 作中に出てくる野菜料理の副食は、どれも簡単に試せる(目分量)レシピ。「今夜の夕飯、何にしようかな?」という時のちょっとした参考にしていただけたら嬉しいです。ぜひ作ってみてくださいね!
45【ガチ恋プリンセス】これがVtuberのおしごと~後輩はガチで陰キャでコミュ障~
連載中·1,213·242万字
【ガチ恋?てぇてぇ?……それはない。彼女が好きなのは『姫宮ましろ』だから】 Vtuber事務所『Fmすたーらいぶ』の1期生として活動する、清楚担当Vtuber『姫宮ましろ』。そんな彼女にはある秘密がある。それは中の人が男ということ……。 そんな『姫宮ましろ』の中の人こと、主人公の神崎颯太は『Fmすたーらいぶ』のマネージャーである姉の神崎桃を助けるためにVtuberとして活動していた。 同じ事務所のライバーとはほとんど絡まない、連絡も必要最低限。そんな生活を2年続けていたある日。事務所の不手際で半年前にデビューした3期生のVtuber『双葉かのん』こと鈴町彩芽に正体が知られて…… この物語は正体を隠しながら『姫宮ましろ』として活動する主人公とガチで陰キャでコミュ障な後輩ちゃんのVtuberお仕事ラブコメディ ※2人の恋愛模様は中学生並みにゆっくりです。温かく見守ってください ※最初はラブコメ全開ですが、次第に事務所全体を巻き込んだ熱い『お仕事ドラマ』へと発展していきます!たまに訪れる2人の糖度高めなラブコメパートもお楽しみに! ※配信パートはほぼ地の文がありません。実際に配信を観ているかのように、在籍ライバーが織り成す感動あり、涙あり、笑いありw箱推しリスナーの気分で読んでください ※配信パートは一応分かりやすいように 「」が枠主、またはその場にいる人(オフコラボなら全員これ) 《》通話越し にしてあります。 登場人物が多いので、一応私なりに区別をつけてるつもりですが、似たような喋り方のライバーがいる時があるので、ノリで脳内変換してくださいw(すいません⤵️) ※前世持ちのライバーさんが配信パートで弄られることがありますが、これはエンターテイメントです。現実には『あり得ない』のは分かっています ライバーのイラスト、オリジナル曲のイメージを作りましたo(^-^o)(o^-^)o 興味がある方はイメージの補完にどうぞ ↓ 私のYouTubeのサイト https://www.youtube.com/channel/UCbKXUo85EenvzaiA5Qbe3pA
46電撃結婚した私、実は財閥御曹司の忘れられない人でした
47八雲立つ時計坂の管理人
連載中·64·23.5万字
48婚約破棄された私、「不能」な財閥当主に甘く溺愛されています!
連載中·77·25.6万字
本物の令嬢が帰ってきたその日から、偽物だった美羽奈は、まるで目障りな蚊のように家族から疎まれる存在になった。 このままでは、自分の居場所などどこにもない。 そう悟った美羽奈が目をつけたのは――誰もが恐れる、冷酷で危険な男・桐生晃生だった。 「私と結婚してください」 美羽奈は全財産を差し出し、晃生の前に立った。 「一年だけでいいんです」 断られる覚悟は、とっくにできていた。 ところが―― 「いいだろう」 桐生晃生は、あっさりとその申し出を受け入れた。 結婚生活は一年間。 互いに欲しいものを手に入れるだけの、期限付きの契約結婚。 偽物の令嬢が、よりにもよって桐生晃生の妻になった――。 その知らせに、周囲は騒然となった。 誰もが、美羽奈がいつ捨てられるのかと面白半分に見守っていた。 けれど――。 結婚から三か月。 晃生は自分のカードを美羽奈に渡し、彼女はたった一日で数千万円を使った。 それでも、彼は眉ひとつ動かさない。 半年後。 人前で美羽奈が晃生を怒鳴りつける姿が目撃された。 今度こそ彼女も終わりだ――。 誰もがそう思ったのに、晃生は怒るどころか、美羽奈の前では驚くほど低姿勢になり、ひたすら彼女の機嫌を取っていた。 そして、一年後。 晃生は美羽奈の腹にそっと手を添え、低い声で尋ねた。 「それでも、まだ離婚するつもりか?」 美羽奈は唇を噛みしめる。 「……する。離婚するから」 すると晃生は、余裕たっぷりに薄く笑った。 「――甘いな。そうはさせない」
49誇り高い悪役令嬢は冷たいのではなく、不器用なだけです 〜それを理解するのはライバル令嬢だけ〜
連載中·18·8.4万字
【第一部完まで執筆完了済み。物語は第二部以降へ続く構成で、コンテスト終了後に続編の執筆を検討します】 誇り高く、公平であろうとするほど、わたくしは冷たい悪役令嬢として誤解されてしまう──。 王立貴族学園に通う公爵令嬢ルミアは、王太子の形式上の婚約者でありながら、周囲から「傲慢で苛烈な悪役令嬢」と恐れられていた。 けれど本当の彼女は、弱い立場の者を人知れず守り、不正や理不尽を見過ごせないだけの、不器用で真面目な少女だった。 そんなルミアの本心に、なぜか誰よりも早く気づいたのは、眩しいほど社交的で、誰からも愛されるライバル令嬢ラフィー。 鋭すぎる言葉で誤解を招くルミアの真意を、ラフィーは“受け取れる言葉”へと翻訳し、孤立していく彼女の隣へ当たり前のように立ち続ける。 しかし、学園は優雅な遊び場ではない。 そこは派閥と噂と婚約が絡み合う、小さな宮廷。 席次、招待状、提出物、証言──あらゆるものが誰かを貶める武器へ変わり、王太子からの冷遇はやがて、ルミアを「悪役」として公に裁く断罪の舞台へと繋がっていく。 奪われる評判。失われていく居場所。 それでもルミアは、ただ誰かに救われることを選ばない。 ラフィーと手を取り、噂には記録を、陰謀には証拠を、歪められた正義には自分自身の言葉を携えて──自分を悪役に仕立てた筋書きそのものへ立ち向かっていく。 そしていつしか、彼女は問い直すことになる。 誰かに決められた婚約でも、押しつけられた「悪役」という役割でもなく。 これから自分は、誰の隣に立ちたいのか。 これは、冷たいのではなく不器用だった悪役令嬢が、唯一その心を理解してしまったライバル令嬢とともに、自らの名誉と未来を取り戻していく物語。 守るための厳しさが救いへ変わり、奪われる側だった少女が自分の幸福を自分で選び直す、悪役令嬢×逆転×百合の異世界恋愛です。 ※この作品はカクヨム・小説家になろうにも掲載しています。
51離婚したら“世界一危険な男”に見初められた私の新しい人生
性描写有り
連載中·111·33.2万字
残酷描写有り暴力描写有り
結婚三年目の夜、夫・西塚辰平はスイートルームで冷たく告げた。 「離婚しよう」 ベッドには乱れた痕跡、知らない女の気配。清佳はすべてを理解する。自分は愛された妻ではなく、スキャンダルを隠すための“飾り”だった。 翌日、彼女は赤いドレスを着せられ記者の前へ立たされる。 「昨夜の女性は誰ですか?」 フラッシュの中、辰平は清佳の腰を抱き寄せて微笑む。 「妻です」 ——嘘をついているのは、いつも彼だった。 その裏で辰平は亡き幼なじみ・千恵の死を清佳のせいだと信じ、彼女を責め続ける。同時に複数の愛人を家に呼び、清佳に後始末を押し付ける。祖母の高額医療費を盾に、彼女は抵抗すら許されない。 「出て行けるのか?金もないくせに」 それでも清佳は耐えていた。 だが母の遺作がオークションに出された夜、限界が来る。 「もう終わりにする」 彼女は離婚届にサインし、西塚家を去った。 一か月後、政略結婚の相手・北川隼人は初対面で告げる。 「祖母の治療費は俺が出す。返さなくていい」 その一言で清佳は救いを知る。 同じ頃、辰平は彼女の不在に気づき始める。空になった部屋、返ってこない連絡。 ——失ったのは“妻”ではなく“世界”だった。 しかし、もう遅い。 清佳はもう振り返らない。
55イア;メメント モリ ─君と罪無き夜明けへ─
連載中·10·4.3万字
残酷描写有り
※ジャンル変更しリスタートしました  中央ヨーロッパのとある国の都市・ベツィールフ州。この街には、濁った魂を持つ人間に憑依し、負のエネルギーを食らった悪魔が実体化するという事象が起き続けていた。その悪魔を祓い、憑依された人を救う「使徒」と呼ばれる者たちは、人々にヒーローのように慕われていた。  ある日、使徒と悪魔の戦いに遭遇したペトロは、使徒のリーダーのユダに仲間になってほしいと誘われる。なれる条件は「トラウマを持っていること」で、使徒はそれを力に変えて戦っていた。自身のトラウマを自覚するペトロは、使徒になることを決意する。  一員となったペトロは、仲間たちと共同生活を始める。彼らは企業の商品イメージキャラクターも生業にしていて、記憶喪失でありながら事務所を立ち上げたユダのサポートで、ペトロも使徒とモデルの二足のわらじを始める。ペトロに恋愛感情を抱き、優しく接するユダ。そんな彼に、ペトロも次第に心を開いていくが……。  ある時、悪魔とは違う存在が現れる。その名は、この世に彷徨う怨念の集合体『死徒』。『ゴエティア』という悪魔を使役する死徒との戦いは、使徒のトラウマを呼び起こし、精神を脅かす。最初の餌食となったペトロだが、唯一無二のパートナー〈バンデ〉となったユダに支えられて困難を乗り越え、ユダの思いも受け止め恋人となる。  他の使徒のヨハネたちも同様に狙われるが、その目的は『ホーローカウスト』の邪魔となる使徒を堕とすこと。だが、バンデに支えられながら自身のトラウマと戦い、彼らも強くなっていく。そしてこの熾烈な戦いは、ユダとペトロの運命を動かし始める。  ユダの記憶喪失と関係する、彼に課せられていた“宿命”と死徒との“因縁”。それは、先祖の過ちを償うための“責務”。記憶が戻りそれが明らかとなった時、選択を迫られたユダとペトロたちの道は分かたれることに……。  やがて『ホーローカウスト』発動の時が迫り、使徒は計画阻止のために死徒との最後の戦いへ。そしてペトロは、ユダ奪還に動き出す。死闘の中で突き付けられる死徒たちの思いに、使徒は本来自分たちがするべき“救う戦い”を選ぶ。ユダを奪還するペトロも、二人で死徒の統括・怨嗟のマタイを救うために戦うが、そこには“最後の敵”が!  果たして使徒は、亡き者たちの思いを受け止め、未来を守れるのか。そして。この世界はいったい誰のせいなのか。
57ブルークレイビング~青い写真と、5つの音の連続殺人~
連載中·76·16.4万字
晴明女子高で起きた、女子高生連続殺人事件。 被害者のスマホには、死の前に必ず“青い写真”が届いていた。 福岡の女子高を舞台に、恋、憧れ、嫉妬、執着、そして誰にも言えない秘密が、日常の底で静かに澱んでいく。 見ないふりをしてきた少女たちの感情は、やがて現実の殺意と結びつき、学園の日常を少しずつ壊していく。 最初の被害者。 午後10時の通報。 スカートだけが消えた死体。 そして、次の少女に届く青い写真。 誰が何を知っているのか。 誰が何を隠しているのか。 “青い写真”は何を示しているのか。 被害者たちを辿るうちに浮かび上がるのは、偶然では済まされない5つの名前の規則性と、晴明女子高という閉ざされた空間そのものに染みついた青い違和感だった。 一方、福岡県警の捜査班もまた、予告電話、消えたスカート、飛ばし携帯、過去の塾との接点を追う中で、事件の輪郭が単なる連続殺人ではないことに気づき始める。 少女たちの秘密。 警察が追う証拠。 そして、事件の背後で静かに動く異質な者たちの影。 学園の内側に沈んでいた感情と、警察が拾い集める断片。 その2つの線が交わる時、青い写真に隠された本当の意味が姿を現す。 これは、ただ犯人を追うだけの物語ではない。 青春の只中にあるはずの日常が崩れていく時、感情の歪みと記号のように並ぶ死が、世界の見え方そのものを静かに揺らし始める。 学園ミステリー、警察捜査、静かなホラー、そして異質な存在の気配が交差した先に残るのは、解決だけでは終わらない、ひとつの青い残像だ。
59異界転生譚シールド・アンド・マジック
連載中·176·53.8万字
暴力描写有り
 古槍 紙月(ふるやり しづき)二十二歳。男性。大学生。趣味は資格取得とMMORPG。そんなどこにでもいそうな経歴の持ち主である紙月は、ある日突然、見知らぬ世界で目覚めるや化け物に襲われることに。  MMO内の相棒であったMETOの助けもあり、ゲームの魔法を使って化け物を退ける紙月たち。どうやら彼らはゲームの体で異世界に飛ばされてしまったらしい。  一息ついてお互いを確認してみれば、紙月は女性キャラクターを使っていたからか女性……ではなくなんと女装していた。  そして相棒のMETOこと衛藤未来はなんと小学生。  女装ハイエルフとケモ耳小学生の凸凹コンビは、ファンタジーな異世界で冒険屋として生計を立てていくことになるが、そのデビューからチートなスキルで大物退治を繰り広げてしまい、一躍時の人に。  森の魔女と盾の騎士として有名になった二人は、ファンタジー世界を楽しみながら冒険を繰り広げていくことになる。  紙月は保護者精神を発揮し、未来は未来でひ弱な紙月を守ろうとする。  二人の間で揺れ動くキモチの行方とは。  女装ハイエルフママ男子とケモ耳小学生の異色の異世界ファンタジー冒険譚はどこへ向かうのか。 小説家になろうからのセルフ転載です。
60クズ彼と親友に裏切られ、ワンナイトした冷徹御曹司に「責任を取る」と言われました
連載中·65·20.7万字
5年間愛した彼氏との結婚を夢見ていた水姫。 しかし彼女を待っていたのは、恋人と親友の裏切りだった。 悲しみで酒に酔った夜、水姫は間違えて別の男の車に乗り込み、そのまま一夜を共にしてしまう。 翌朝、隣にいた男の正体を知って彼女は凍りついた。 ――相手はまさかの、自分の上司・東雲尊。 しかも財力も権力も桁違い、誰もが恐れる冷徹な御曹司だった。 一夜の過ちとして忘れようとする水姫に、尊は平然と告げる。 「責任を取る。俺の妻にならないか?」 彼氏には裏切られ、職場ではデザインをめぐるトラブルに巻き込まれ、おまけに別れたクズ彼は今さら彼女を手放そうとしない。 だが、水姫はもう泣いて耐えるだけの女ではなかった。 裏切りの証拠を握り、卓也とエリカの嘘を暴き、自分を陥れようとする相手には実力で反撃。仕事でも才能を発揮し、自分の人生を取り戻していく。 そしてその隣には、いつしか彼女だけを特別扱いし、全力で守り抜く尊の姿が――。 「俺の妻に手を出すな」 最低な元恋人を捨てたら、なぜかハイスペックすぎる上司から溺愛されることに!? 裏切りから始まる華麗な逆転劇と、冷徹な男の独占欲たっぷりの愛が止まらない、爽快溺愛ラブストーリー。
61【回帰・ざまぁ】 死の間際に「冷徹な超大物財閥」が私を一生狂愛していたと知りました!
連載中·167·50.4万字
いつもお読みいただきありがとうございます。こちらの作品は26日に有料配信となります。これからもどうぞよろしくお願いします。 【回帰・ざまぁ・溺愛・勘違い・復讐・冷徹エリート・実は執着愛】 「来世では、必ずお前を護り抜く」 クズな婚約者とその愛人に嵌められ、惨めな死を迎えた新谷茉優。 命が消えゆくその瞬間、彼女が知ったのは衝撃の真実だった。 ずっと冷徹だと思っていた神谷琉生こそが、かつて自分を救ってくれた本当の恩人だったのだ。 十数年も彼女を探し続け、陰ながら一生を捧げて守り抜いてくれた彼。 茉優の墓前で、彼は血の涙を流しながらそう誓っていた――。 激しい悔恨と憎悪を抱いたまま、茉優は奇跡的に過去へと目を覚ます。 (もう、あいつらの思い通りにはさせない――!) 目覚めた茉優は即座に婚約を破棄! クズ男を叩き斬り、偽善者女の仮面を暴き、前世では諦めていた自身の会社をビジネス界のトップへと押し上げていく。 そして、前世でさんざん冷たく当たってしまった、あの孤高の財閥御曹司・琉生のもとへ。 今度は彼女から、真っ直ぐに飛び込んでいく――! 「琉生、私……あなたの子どもを産みたい」 その瞬間、男の瞳に暗い情熱が灯る。 彼女を壊れ物を扱うように、だけど強く抱きしめ、熱い吐息とともに囁いた。 「……その言葉、嘘だと言ってももう逃さないからな」
62記憶喪失のフリをしたら、偽婚約者がここぞとばかりに本気で奪いにきました!
連載中·91·28.4万字
性描写有り
小林紗良は、婚約者の黒川司を懲らしめるつもりで、記憶喪失のふりをしていた。 ところが、その芝居を逆手に取られ、思いもよらない形でやり返されてしまう。 黒川司は皆の前で、黒川家の養女として育った妹・黒川千代に惹かれていると堂々と告白したうえ、親友の神谷晴斗を指して言い放った。 「お前の婚約者は俺じゃない。晴斗だ」 まさかそんな手で返されるとは思ってもいなかった紗良は、完全に引くに引けない状況に追い込まれてしまう。 胸が張り裂けそうなほど傷ついていた。 それでも今さら「全部嘘でした」などと言えるはずもなく、必死に平静を装いながら、記憶を失ったふりを続けるしかなかった。 その後、廊下に出た黒川司は、悪びれる様子もなく神谷晴斗に協力を持ちかける。 「俺、千代のことが気になってるんだ。だからしばらくの間だけ、紗良の婚約者ってことにしてくれないか?」 あまりにも身勝手な言い分だった。 「その間、俺は千代と一緒にいたい。気が済んだら紗良には全部冗談だったって話して、元に戻せばいいだろ」 まるで紗良の気持ちなど、最初から考えてもいないような口ぶりだった。 神谷晴斗は黙って司の話を聞いていた。 その瞳の奥に、一瞬だけ冷たい光が走る。 だが次の瞬間には何事もなかったかのように表情を消し、あっさりと頷いた。 「……わかった。俺が合わせるよ」 司は満足そうに笑った。 けれど、彼は知らない。 ――神谷晴斗が、この瞬間をずっと待ち続けていたことを。
63復縁はお断りです。元夫が跪いても、私はもう他の人の妻なので
性描写有り
連載中·76·32.3万字
残酷描写有り暴力描写有り
六年も追いかけ続けてくれた男と、ようやく結婚した。 それなのに、結婚から一年も経たないうちに――私は夫と、自分の教え子の不倫を疑うことになった。 四方弓弦が、私――鹿取茜を命よりも大切にしている。 それは、誰もが知っていることだった。 六年間、一日も欠かさず花を贈り続け、私が舞台に立つ日は、どれほど忙しくても必ず会場へ足を運んでくれた。 事故に遭ったあの日だって、自分の命も顧みず私をかばい、大怪我まで負った。 だから、私も信じていた。 この世の誰が私を裏切っても、弓弦だけは絶対に裏切らない。 ――あの匿名メッセージが届くまでは。 『品行方正で、女遊びなんて一切しない四方先生が、裏ではどれだけ激しいか……知りたくない?』 指定された稽古場へ向かうと、中から聞こえてきたのは、男女のただならぬ気配だった。 そして、その扉から出てきたのは―― 私が三年間、大切に育ててきた教え子の澪。 彼女の手首には、鮮やかな深緑の翡翠のバングルが輝いていた。 ひと目で分かった。 最高級のろうかん翡翠。 しかもそれは、弓弦が今回の出張先のオークションで、私のために落札したと聞かされていたものと、まったく同じだった。 そしてその時間、弓弦は私からの電話に出なかった。 それでも、家に帰れば彼は何ひとつ変わらない。 私の体調を気遣い、温かい飲み物を用意し、火傷をすれば自分の手で薬まで塗ってくれる。 いつもと同じ優しい顔で、こんなことまで言った。 「浮気するような男は最低だよな」 ――そんな彼が、その夜、初めて私に嘘をついた。 さっきの電話は、仕事のことで近衛悠玄と話していた。 弓弦は、そう言った。 だったら――確かめればいい。 私はその場で、何年も連絡を取っていなかった近衛先輩の番号を呼び出した。 もう使われていないかもしれない。 そう思っていた番号は、驚くほどあっさりとつながった。 『……鹿取?』 受話器の向こうから聞こえてきたのは、昔と変わらない低い声。 そして彼が呼んだのは、結婚後の名字ではなく―― 私の旧姓だった。 その瞬間、私はようやく気づいた。 男が本当に自分を愛しているかどうかなんて、甘い言葉だけでは分からない。 大切なのは、自分の見ていないところで、その人が何をしているか。 見るべきなのは、そこだった。 六年
65EDと偽る夫を捨てたら、なぜか腹黒御曹司に狙われました
連載中·69·22.2万字
結婚して三年。 玉青は勃起障害を抱える夫の将太に寄り添い、治療法を探し続けてきた。三年間、夫婦生活のない日々を送りながらも、一度として不満を口にしたことはなかった。 しかし、そんな玉青に返ってきたのは感謝でも後ろめたさでもなく、将太の裏切りだった。 不倫相手は、玉青が信頼していた女性の心理カウンセラー。 将太は玉青に愛を囁きながら、その裏で愛人との浮気の楽しさに溺れていた。それでも自分は不倫などしていない、あくまで「治療」を受けているだけだと信じて疑わない。しかも、玉青が自分のもとを去るはずなどないと高をくくっていた。 だが将太は知らなかった。 玉青がすでに彼を騙して離婚届けへ署名させ、二人を社会的に抹殺するための証拠を密かに集めていたことを。 調香を愛する玉青にとって、それは人生を懸けた夢だった。 しかし将太は、彼女の夢を「くだらない遊び」としか見ていなかった。 やがて玉青は眩いスポットライトの下に立ち、メディアがこぞって取材を申し込む「香水の女王」となる。 さらに、将太がずっと見下していた玉青こそ、彼が何度頼み込んでも提携してもらえなかった、あの謎の大物投資家だったのだ。 すべてを知った将太は激しく後悔し、玉青の前にひざまずいて復縁を懇願する。 「玉青、俺が悪かった! もう一度だけチャンスをくれ!」 玉青は冷たく笑った。 「後悔にまみれた今のあなた、私を裏切っていた頃よりずっと素敵よ」 それでも諦めきれない将太は、自ら作った弁当を差し出す。 「君を待つよ。一年でも、二年でも、一生だって!」 すると、頂点に立つ大物が、その弁当を迷いなくゴミ箱へ投げ捨てた。 玉青の腰を抱き寄せ、強い独占欲をあらわに宣言する。 「未練がましい負け犬は失せろ。お前に彼女を求める資格すらない!」
66恋じゃないふりをして
完結済·27·12.1万字
 双葉ひよりは、目立たず平穏な高校生活を送りたい高校一年生。  愛嬌があって人気者の双子の妹・あかりと比べられ続け、欲しいものはどうせ手に入らないと、何かを期待することを諦めていた。 そんなひよりが入学早々、学校一の人気者・鵜野森隼人から突然告白される。  イケメンで、誰にでも優しく、いつも爽やかな笑顔。女子たちから〝王子〟と呼ばれる彼が、どうして私を? 「どうせドッキリか罰ゲームでしょ」 ところが、ひよりが告白を一蹴した途端、隼人の王子スマイルが消えた。 「やっぱおまえにして正解。俺の彼女のふり、してほしい」 爽やか王子の正体は、毒舌で面倒くさがりで、ちょっと意地悪。  ある理由から「自分を絶対に好きにならない彼女」が欲しいという隼人に、ひよりはある条件を突きつける。 「じゃあ、民俗学研究部の部員になって」 廃部になってしまった、大好きな民俗学研究部を復活させたい。  その願いを隼人が受け入れ、二人の偽恋人生活が始まった。  だけど、一緒に過ごすうちに見えてきたのは、噂とも〝王子〟とも違う隼人の素顔。  隼人もまた、〝地味でひとりが好きな変わった子〟と思われているひよりの、本当の姿を知っていく。 「俺のこと、好きにならないで」  そう約束したはずなのに。  恋人のふりをするほど、知らなかった君が見えてくる――。  これは、恋じゃない。……まだ。
67ブレイブエイト〜プロレスラー志望の社畜、異世界で八犬士レスラーになる!〜
連載中·607·188万字
残酷描写有り暴力描写有り
※タイトルとあらすじ変更しました! 異世界ハルヴァス――かつて魔法と希望が響き合った楽園は、新魔王タマズサの出現で崩壊寸前。空は赤黒く染まり、大地は不気味に脈打つ。規格外の魔力で世界を破滅へとカウントダウンさせるタマズサに、女神フセヒメは起死回生の賭けに出る。八つの運命の珠をハルヴァスと地球へ放ち、魔王に挑む「八犬士」を覚醒させる! 舞台は地球・東京、後楽園ホール。プロレス大会を控え熱狂が最高潮の瞬間、空が裂け、魔王軍「悪鬼」の五人組が襲来! 赤黒い装束の戦鬼たちは、張り手とドロップキックなどで観客を蹴散らし、リングは血と悲鳴の戦場と化す。「次はお前が沈む番だ!」と哄笑する悪鬼に、夢の舞台は悪夢へと堕ちた。 生き残ったのは冴えない社畜でプロレスラー志望の東零夜、モデルレスラーの藍原倫子、アイドルレスラーの有原日和。三人の手に虹色のバングルと八犬士の珠が輝いた刹那、彼らはハルヴァスへと強制転移! これが新生「八犬伝」の幕開けだ。 地球とハルヴァス、二つの世界を賭けたデスマッチが始まる! けたたましいゴングが響き渡り、八犬士たちは運命を切り開く。 「リングに上がった以上、生きるか伝説になるかだ!」 ※ノベルアッププラスでも投稿しています!
68三年尽くしたのに替え玉扱いされた私、離婚当日に大物社長と再婚しました
連載中·325·51万字
逃げるために――羽純は、自分自身を“売る”ことを選んだ。 「洋見弁護士。私を離婚させてください。その代わり……私を、あなたに差し上げます」 ――三年前。羽純は、長年片想いしていた相手・河合日向と結婚した。それが幸せのすべてだと、信じて疑わなかった。 けれど結婚三年目、サプライズプレゼントを抱えて駆けつけた彼女の耳に届いたのは、夫の冷たい嘲笑だった。 「羽純? 安い替え玉だろ。俺の雪乃の足元にも及ばない」 その瞬間、胸の奥で何かが静かに壊れた。 離婚を切り出せば、日向はせせら笑う。 「替え玉は替え玉らしくしていろ。雪乃の世話をして、俺たちの盾になれ」 日向は初恋の女・雪乃のために、羽純の尊厳は容赦なく踏みにじられていく。 家政婦のように扱われ、雪乃の代わりに氷の湖へ飛び込まされ、 挙げ句の果てには――“雪乃の子を育てさせるため”に、子を産めない体にされそうになる。 手術台に横たわったその瞬間。羽純の中で、日向への愛は完全に死んだ。 だから彼女は決めた。離婚のためなら、すべてを差し出すと。 そして離婚当日、羽純は世間の目をあざ笑うように、洋見律と再婚する。 「火の海から別の火の海へ飛び込んだだけだ」と誰もがそう噂した。 雨の中、元夫は跪き、叫ぶ。「羽純! お前は自分を売ったのか?!」 そのとき――彼女を抱き寄せた男が、低く笑った。 「売った?違う。彼女が俺を買ったのだ。」 それは取引のはずだったその結婚は、やがて――彼女を骨の髄まで甘く溺れさせる、本物の愛へと変わっていく。
69産後すぐ離婚された私、天才研究者として名門大学に返り咲きます
性描写有り
連載中·66·25万字
残酷描写有り暴力描写有り
出産から一ヶ月。 三浦美月は、生まれたばかりの娘・光を抱きながら、夫・駿が迎えに来るのを待っていた。 けれど、彼から届いたのは―― 「仕事がある。行けない」 たったそれだけだった。 妊娠中も、出産の日も、産後も、ずっとそうだった。 ――私は丈夫だから。 ――一人でも大丈夫だから。 そう自分に言い聞かせ、五年間の結婚生活を守ってきた美月。 だがその日、偶然立ち寄ったホテルで、彼女はすべてを覆す光景を目にする。 夫の腕の中にいたのは、美月の娘ではなかった。 従妹・紬の息子を愛おしそうに抱き、自分には一度も見せたことのない優しい笑顔を浮かべる駿。 妊娠中から付き添い、出産にも立ち会い、一ヶ月祝いまで盛大に開く――。 しかも彼が祝いの品として差し出したのは、美月の母が光のために託した、一族の家宝だった。 「君は強いから大丈夫だろ」 「紬は身体が弱い。君とは違う」 その瞬間、美月の中で、五年間守り続けてきた愛が死んだ。 家宝を取り返し、彼女は静かに告げる。 「離婚しましょう」 だが駿は、その決意さえ「嫉妬」と「産後の情緒不安定」で片づけた。 さらに、美月が命を削って完成させた大型プロジェクトの功績を紬に譲れと言い、挙げ句には―― 「紬の子にも、君の母乳を分けてやってくれ」 妻だから。 母親だから。 強い女だから。 そう言われて耐えるのは、もう終わり。 娘を守るため。 奪われた誇りも、人生も、すべて取り戻すため。 美月は夫を捨てることを決めた。 しかし、駿が異常なまでに紬を庇い続ける本当の理由、そして二人が五年間隠してきた過去が暴かれたとき―― この離婚は、誰も予想しなかった泥沼へと転がり落ちていく。
74パイプカットした夫に捨てられた私、裏社会のボスの子を授かりました
連載中·221·59.4万字
75アウト・オブ・バウンズ~僕らのゲーム制作日誌~
連載中·22·6万字
2006年初秋───。 山本達也は、新作ゲームの発売待ちの列で、幼馴染の鳴滝ひかりと偶然再会する。 約十年ぶりの再会に驚く彼に、ひかりは自身が制作したというPCゲーム『キミと彼女のバグフィック』」が入ったUSBメモリを手渡した。 ​シェアハウスに戻った達也は、早速、新作ゲームそっちのけでひかりの自作ゲームをプレイするが───。 それは、強烈なビジュアルのヒロイン「エリリン」が登場する個性的な恋愛シミュレーションだった。 別ルートのキャラクターを攻略しようとすると、エリリンがプレイヤー自身に語りかけ、ゲームシステムを改変して無限ループに陥れるという、メタフィクション要素を持つ「トンデモ」ゲームであることが判明した『キミと彼女のバグフィクス』。 しかし、​達也は、シェアハウスの同居人で大学の友人でもある和也と渚にこのゲームをプレイさせ、ひかりを大学の課題である共同制作ゲームのメンバーに迎えたいと相談する。 それぞれにゲームの感想を語った友人たちに、達也は、ひかりとの出会い───中国から来日して言葉の壁に苦しんでいた小学生の自分を、彼女はゲームを通じて救ってくれた恩人であることを語る。 ​翌日、達也は大学のサラ助教授に相談し、他大学の学生であるひかりを共同制作者として迎える許可を得る。サラ助教授は、ひかりのゲームが持つ「第四の壁の越境(メタ構造)」という批評性を高く評価する。 達也は、ひかりの才能を再確認するとともに、彼女をチームに引き入れるための説得に向けて決意を新たにして───。 #更新応援キャンペーン
77役立たずと婚約破棄された聖獣調律師ですが、私が去った王都では聖獣が動かなくなりました
連載中·102·37.8万字
残酷描写有り暴力描写有り
「五年間重大事故ゼロ」——王太子の功績とされたその記録の裏で、聖獣の魔力を夜ごと調律し続けていたのは婚約者リリアナだった。 公開の契約式で、聖獣へ命令を下せない彼女は「八年間世話をしていただけの役立たず」と断じられ、婚約を破棄される。 功績も、部屋も、未来の王妃という立場も、一夜で消えた。 それでもリリアナが向かったのは荷物をまとめる自室ではなく、王宮地下だった。 翌朝の処分が決まった白狼セナが、そこにいた。 命令を拒むたびに激痛を与える強制首輪で追い詰められ、それでも誰にも頭を下げないその姿に彼女は決意する。 「私が、この子を引き取ります」 宣言を受け入れたのは、北方辺境伯ダリウス。 与えられたのは廃厩舎だけ。 それでもリリアナは、火を恐れる火蜥蜴に安心できる場所を、翼を折られた天翼獣に新しい役目を、地脈を支え続ける地竜に仲間を——命令ではなく向き合うことで、傷ついた命を一頭ずつ蘇らせていく。 聖獣が自ら彼女を選ぶたびに、荒れ果てた辺境の土地が変わっていった。 そして王都では、リリアナを失った夜から聖獣が次々と沈黙し結界が崩れ始めていた。 「役立たず」と笑い飛ばした者たちがようやく気づく——国を八年間支えてきたのは誰だったかを。 戻れと命じる元婚約者。 しかしリリアナはもう、誰かに選ばれるために生きていない。 自分の仕事も、居場所も、傷ついた過去を抱えながらも彼女の選択を尊重し続けるダリウスとの恋も——すべて自分で選ぶ。 捨てられた令嬢と処分寸前の白狼が、命令ではなく信頼で王国を変えていく逆転恋愛ファンタジー。
81プロポーズの日に捨てられたので、元彼の兄と電撃婚しました!~逃げた契約妻は、やがて歌姫に~
連載中·74·24.8万字
【夢を追う新人歌手vs大人の余裕を持つ御曹司】 【元彼の後悔はもう遅い*契約結婚から始まる恋*立場逆転*身分差*ハッピーエンド】 雨宮詩乃は、五年間も恋人との関係を隠し続けてきた。 いつか堂々と一緒になれる――そう信じていたのに、プロポーズを約束した日、彼はとうとう姿を見せなかった。 深く傷ついた詩乃は彼に別れを告げ、勢いのまま彼の兄・久世冬弥と結婚する。 夫となった冬弥は、お金持ちで、口数が少なく、見た目も申し分ない。 雨の夜には詩乃を抱きしめ、耳元で優しく囁いてくれる。 「いい子だから、もう泣くな」 契約結婚から、もうすぐ一年。 結婚記念日を前に、詩乃は契約だけの関係を終わらせ、冬弥と本当の夫婦になりたいと思うようになっていた。 彼との子どもが欲しい――そう決意した矢先、詩乃は個室の外で冬弥たちの会話を偶然耳にしてしまう。 自分が本物だと信じていた彼の愛は、すべて初めから仕組まれたものだった。 詩乃は静かに笑い、冬弥への想いを胸の奥にしまい込む。 そして、妊娠を告げる診断書だけを残し、ひとり海外へと旅立った。 詩乃が去って一か月後――音楽業界に、期待の新人歌手が現れた。 二か月後――彼女のそばには、新しい恋人候補の姿があった。 三か月後――元カレが毎日のように彼女の家の前で土下座し、やり直してほしいと頼み続けているという噂が届いた。 それを聞いた冬弥は、その日のうちに海外へ飛ぶ。 そして詩乃の前に現れた瞬間、二人の立場は逆転した。 これまで余裕たっぷりだった冬弥が、今度は必死になって彼女を追いかける。 「詩乃。今度は俺が、君に選ばれるまで諦めない」 追われる側だった彼女は、いつしか誰もが手を伸ばす高嶺の花に。 恋も夢も、最後にすべてを手に入れるのは――雨宮詩乃だった。
88役立たずと婚約破棄された私、筋肉至上主義のコンサルに拾われました――二年後、元婚約者は後悔する
連載中·24·5.4万字
性描写有り
――スーツ × 筋肉。 ロジカル × フィジカルで人生逆転。 月本柚花(つきもと ゆずか)は、細部まで手を抜かないコンサルタント。 けれど婚約者であるシニアコンサル・堂山達郎(どうやま たつろう)に「役立たずだ」と切り捨てられ、仕事も恋も、自信ごと打ち砕かれてしまう。 そんな彼女を拾ったのは―― 鍛え上げられた筋肉をまとった紳士。 社内一有名なパートナーコンサル・城之木 誉(じょうのき ほまれ)であった。 「月本さん、君がいいんだ」 そう言って彼は、柚花を会社最大規模の「Zプロジェクト」へ引き上げる。 トレーニングと実務の両面から鍛えられながら、柚花は“考え抜く力”を取り戻していく。 新規事業立ち上げやシステム設計。 顧客が離れない仕組みを考え、事業が長く続く形を作る。 簡単には答えの出ない仕事の中で、彼女は何度も壁にぶつかりながら、自分の力で前に進んでいく。 その裏で、柚花を見下していた元婚約者は転落していき―― 「お前と組んでる時が、一番うまくいってた」 かつての関係に戻ろうとする彼を、柚花はきっぱりと拒絶する。 「……あなたなんて必要ないわ」 自分で考え、自分で選び、自分の足で立つ。 そうして辿り着いた場所で、彼女は初めて、“隣に立ちたい”と思える人と向き合う。 これは―― 失った自信を取り戻し、人生も仕事も、ちゃんと鍛え直していく。 筋肉至上主義のパートナーコンサルと始まる、逆転の物語。 ※(*)のついたエピソードには、性描写を含む表現があります。 ※毎日朝7時過ぎに更新。 ※本作品の無断転載・無断使用・AI学習を禁止します。 著作権は作者に帰属します。
89離婚したら、元夫が執着系ストーカー化しました
性描写有り
完結済·120·34.2万字
残酷描写有り暴力描写有り
「――離婚してくれ」 その一言で、七年の結婚生活は崩れ落ちた。 月島結月は、記憶を失った夫・月島光帆を支え続けてきた。事故後の彼を看病し、月島家の妻として完璧に振る舞い、すべてを捧げてきたはずだった。だが病院の救急フロアで彼女が見たのは、別の女・陽菜とその子どもを必死に守る夫の姿だった。 「君の血が必要だ。彼女を助けてくれ」 その言葉で、結月はすべてを悟る。自分は愛されてなどいなかった。ただ都合よく使われていただけだったのだ。 「……そう。なら離婚しましょう」 静かな宣告とともに、物語は崩壊と逆転へ動き出す。 翌日から月島家は彼女を排除しようと動き、光帆は執着と支配欲を剥き出しにして結月を縛ろうとする。さらに陽菜の存在が、七年前の事故と“失われた記憶”の裏に隠された真実を暴いていく。 なぜ彼は記憶を失ったのか。なぜ彼女だけが妻だったのか。そして、すべては誰の仕組んだ罠なのか。 追い詰められた結月の前に現れたのは、かつて彼女の人生から消えた男・安藤悠生だった。 「今度こそ、君を守る」 彼の登場で、月島家の支配構造は崩れ始める。偽りの婚姻、隠された契約、歪んだ愛情が次々と暴かれていく。 捨てられた妻はもう泣かない。 愛に裏切られた女は、今度は“選ぶ側”として立ち上がる。 裏切りと復讐、そして救済が交錯する中、最後に勝つのは愛か、それとも真実か――。
90『冷血皇帝の秘められた寵愛〜追放された内政の天才令嬢は、新天地で愛と栄光を手に入れる〜』
連載中·22·5.6万字
​「愛想のない地味女め! 貴様との婚約を破棄し、我が国から追放する!」 ​王立舞踏会の夜。シルヴァニア王国の公爵令嬢エレノアは、第一王子アレクシスから濡れ衣を着せられ、大勢の貴族の前で不当な断罪と国外追放を言い渡される。 地味で無能、さらには内政費用を横領した罪――身に覚えのない言葉で罵られても、エレノアは泣き叫ぶどころか、深く安堵の息を吐いた。 ​(これで……不眠不休の莫大な書類仕事から解放されるわ!) ​王子や貴族たちは誰も知らなかった。王国を急速に発展させていた「魔導水路」の維持も「税制改革案」も、すべて「地味な能無し」と蔑まれたエレノアがたった一人で徹夜を重ねて組み上げた成果だったことを。 エレノアは一切の未練なく婚約指輪を放り投げ、水路の魔法陣アクセス権限を遮断すると、晴れやかな笑顔で国を去った。 ​身一つで極寒の国境を渡ろうとするエレノア。 そんな彼女の前に突如現れたのは、「氷眼の皇帝」と恐れられる隣国ガルディニアの若き君主・ヴァルハイトだった。 冷酷非情と噂される彼は、凍えるエレノアの前にひざまずくと、温かな高級毛皮を羽織らせてこう告げる。 ​「我が帝国の『国家最高顧問』として、私に買われてくれないか?」 ​提示されたのは、王国の年間予算並みの破格の年俸と、絶対の指揮権。 そして何より、過酷な労働で傷ついたエレノアに激怒した皇帝からの、過保護なまでの甘やかしと甘い独占欲の日々だった。 「俺の最高顧問に無理はさせない」 「君はただ、俺の傍で愛されていればいい」 新天地で才能を存分に発揮し、洗練された大人の美女へと覚醒していくエレノア。 ​一方で、エレノアという『真の頭脳』を失った王国では、国都の魔法陣が崩壊して水路がストップ。インフラは麻痺し、国庫は底をついて惨絶なパニックに陥っていた。 焦り、困り果てた元婚約者が 「戻って来るのを認めてやってもいい」 と惨めにすがりついてくるが……。 ​「誰のおかげでこの国が保っていたと思っているのですか? 今さら泣きつかれても、もう手遅れです」 ​冷酷な皇帝に深く愛され、傷ついた天才令嬢が本当の幸せと栄光を掴み取る、至高の爽快人生逆転ストーリー!
92美男美女の価値でも下げてやろうかしら(通称:美男女下げ)
連載中·11·3.5万字
『美男美女の価値でも下げてやろうかしら』 鳳美桜、二十三歳。 日本有数の巨大企業グループ。 そして、約一兆円の資産。 そのすべてを引き継ぎ、鳳家の新当主になった。 どう考えても、これだけの力を持たせてはいけない女だった。 彼女には、長年こじらせてきたものがある。 美男美女が嫌いだ。 百回のお見合いに失敗し、同じ案でも「顔がいい人」が言えば通る現実を何度も見てきた美桜は、ある日ふと思いつく。 「美男美女の価値でも下げてやろうかしら」 そして、その権力と資産を使って始めることになったのが、全国から美男美女を集めて、本気で格好悪く踊らせるテレビ番組。 ただし、美桜は一手先を読まない。 思いついたことを、そのまま口にする。 危ない。 雑。 悪趣味。 そんな美桜の隣にいるのが、鳳家を代々支える斉藤家の長女――超有能第一秘書・斉藤真由。 美桜が思いつきをそのまま実行しようとし、 真由がそれを社会で通る形へ変えていく。 「その表現は外では使用しません」 「それは美桜様が決めることではございません」 「必要なら、こちらで制度にします」 美男美女の価値を下げたいだけだったはずなのに。 番組は公平になり。 出演者は守られ。 企業は変わり。 周囲はなぜか、どんどん良い方向へ。 本人の意図だけが、毎回きれいに置いていかれる。 一兆円令嬢と超有能秘書が送る、現代社会派お仕事コメディ。 最低な意図が、なぜか最高の結果になっていく。 【お知らせ】 初回6話公開! 次回、第7話は9月14日(月)公開予定。 以降、毎週月・水・金の更新を予定しています。 ただ、『RE:LAY』や『コミュニケーション許可局』の執筆、そして本業との兼ね合いもあるため、状況によってはお休みする日があるかもしれません。 無理なく長く続けていきたいと思っていますので、その際は気長に待っていただけるとうれしいです。 基本は週3回更新。 これからよろしくお願いします。
93身代わり契約妻ですが、冷徹社長の「本命」は私だったようです ~追い出した実家が泣きついても、もう戻りません~
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100因果に願いを
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【第3回NSP賞佳作受賞作品:毎週火・木の17時頃に更新予定(週1〜2話ペース)】 少しだけ未来の日本。この国では人と人の出会いを決定づける要素…『因果律』をも測定することが可能となっており、因果にて結ばれるべきと判断された組み合わせは生涯にわたって幸福に満ちた人生が歩めるとされていた。 よって日本では因果律に従った交際および婚姻が推奨されており、建前は民主主義国であるがゆえに因果に従うかどうかは自由となっているものの、因果律にて認められたペアが結ばれることは国家の発展に関わることもあり、政府は様々な方法にて因果律に従うように画策していた。 同時に、多くの国民は因果律に従うことを是としていた。 一方、因果律に従わない、あるいは逆らうために悪行へと走る人間も存在しており、そういった人間たちを秘密裏に捕縛および処理する『エージェント』たちもいた。 彼らは政府直轄の組織である『因果律研究所』に所属しており、戦闘行為も含めた荒事に対応すべく訓練された、一般には知られていない存在だった。 また、因果律研究所では後天的に因果律を操作された存在…Causal Manipulation Children、通称『CMC』も育てられており、彼らは因果律がどれだけ素晴らしいか自己の存在を持って周囲にアピールしつつ、とくに優れた子供たちはエージェントとしても訓練されていた。 CMCとして育てられた主人公『三浦円佳(みうらまどか)』は『辺見絵里花(へんみえりか)』との因果を与えられ、この二人もエージェントとしての役割を担うことになる。 クールではあるものの情が深い円佳はいじっぱりで面倒見がいい絵里花を大切に思いつつ、それでも自分の気持ちが与えられたものなのか、それとも本当のものなのか悩んでいた。 そんな彼女たちも高校進学を機に交際を始め、CMCとして因果律で結ばれることの正しさを周囲に知らしめつつ、ときにエージェントとして過酷な任務に赴く。 与えられた因果の果てになにが待っているのか、それは誰にもわからない。しかし、円佳は願っていた。 「いつか私も、絵里花のことを『好き』になれますように」 これは少女たちの数奇な『因果』をたどる、愛と出会いの冒険譚である──。 (※この作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件とは一切関係がありません)
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