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連載中·41·17.1万字
残酷描写有り暴力描写有り
「どんな願いも叶うおまじない、知ってるの。わたし、オカルトとか都市伝説とかおまじないとか……そういうのちょっと詳しいのよね」  女子高校生、金沢えりいには片思いの相手がいる。幼稚園の時からの幼馴染の少年、翠川織葉だ。  ところが彼と同じ高校に通い始めてほどなくして、織葉が見知らぬ少女と仲睦まじくしている様を目撃してしまう。失恋したかもしれない――ショックを受けるえりいに救いの手を差し伸べたのは、同じクラスの優等生・紺野彩音だった。  彼女は都市伝説やオカルトが大好きらしい。彩音から教えてもらったのは、“扉鬼”という都市伝説であり、おまじないだった。  そのおまじないを実行すると、夢の中で不思議な空間に誘われるという。いくつもの扉があるその世界で“本物の扉と、それを開く鍵”を見つけた者は、どんな願いでも叶うというのだ。  織葉に振り向いて欲しい気持ちと、彼に頼らない強い人間になりたい気持ち。えりいは彩音に誘われるがまま、扉鬼のおまじないを試してしまう。  それが、世界さえ滅ぼしかねない、恐ろしい呪いであるとは露知らず。  これは、終わらない悪夢の世界に閉じ込められた少女の、呪いと恋と、成長の物語。 ※更新は基本「火・木・土・日」の予定です。
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連載中·14·7.3万字
残酷描写有り暴力描写有り
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連載中·9·3.1万字
残酷描写有り暴力描写有り
目が覚めると、体育館のような広い部屋に閉じ込められていた主人公コウキ。その空間には自分の他にも何十人と集められているようだが、なぜか男は自分だけ。それ以外は全員若い女性だった。 そしてその理由は、唯一の出入口らしき扉に書かれてある文章により、戦慄と共に解明する。 『セックスしないと出られない部屋』 最高かよ!?と半分ニヤけながら思った自分を、次の瞬間には呪い殺したくなる。 なぜならそんな大見出しには、下記の恐ろしいルールがあったからだ。 『なお、出られるのは最初にセックスした二名のみである』 『・最初にセックスした二名以外の者は死ぬ』 最高どころじゃない。 ここは絶望のデスゲーム会場だった。 最初は俺のことをケダモノであるかのように糾弾する女性陣。ルールの熟知と共に、次第に狼狽し、焦燥の果てに、俺に無理やりセックスを迫りくる。だが抜け駆けしようものなら、他の女性たちは暴力でもって制裁する……。最終的には殴り勝った者がセックスをする権利があると言わんばかりの大乱闘が始まった。  ……地獄絵図だ。 そんな彼女らを止めようとした俺にまで拳を振り上げるものだから……。 俺は、その時ばかり鬼となった。 つまるところ、暴力は、暴力でしか解決し得ないということ……。 暴力という手段を用いたならば、女が男に勝てる道理はない。辛い選択だが、皆に冷静になってもらうには、それしかなかった。 空手でインターハイに出場したなんて子もいたが、あくまでそれは女性の中で強かったというだけ。彼女は俺みたいな運動なんてしたことないような男にすら勝てない現実に、打ちのめされていた。 幸か不幸か、ルールに制限時間は設けられていない。地下倉庫には豊富な食料も調理場もあり、当分は全員でここでの生活を続けても生きていけるようではあった。 他の解決策があるかもしれない。誰かが助けに来てくれるかもしれない。 そんな希望を胸に、40人の共同生活が始まった。 ――かに思えた。 絶望は、容赦なく襲い掛かる。 『ゲームの時間です。みなさん、心の準備は良いですか? ――ただいまより、殺し合いをしてもらいます』