5ハ チ マ ン サ マ
完結済·7·2.3万字
残酷描写有り暴力描写有り
28躯骸(くがい)
連載中·51·9.8万字
残酷描写有り暴力描写有り
【毎日20時更新】 すべては、“あの一家”が来た日から狂い始めた。 人口わずか1400人、地図からも忘れられた山間の村に、突如として現れたのは、鳳髄(ほうずい)と名乗る資産家一家。 彼らは村外れに異様なほど豪奢な洋館を建て、村人との交流を一切絶ち、ただ静かに、どこか異国めいた暮らしを始めた。 その空気は、誰もが薄々感じ取っていた。 鳳髄家は、何かが“違う”――。 やがて、一家の一人息子・祥太郎の変死体が、崖下で発見される。 村人たちは奇妙なほど淡々と、「不運な事故だった」と言い合い、鳳髄家の者たちもまた、まるで台本でもあるかのように、感情のない顔で葬儀を済ませた。 ――あの一家には、“死”すらも予定調和なのだろうか? その違和感を見逃さなかったのが、元探偵・氷室響也。 数年前、東京から逃れるようにこの村へ越してきた彼だけが、鳳髄家と、この村に漂う不気味な沈黙の意味を疑い始める。 そして、次に消えたのは、村に住む一人の少年――西山結翔。 まるで“何か”に吸い寄せられるように起こった、ふたつの事件。 氷室が探り当てたのは、村の古層に封じられ、誰も触れようとしなかった“闇”の記憶。 それは、開けてはならない扉だった。 彼が目を逸らさなければよかったと後悔するのは、もう少し先のことになる。
32セックスしないと出られない部屋に男1女39で閉じ込められて最初にセックスした二人以外死ぬデスゲーム
連載中·10·3.3万字
残酷描写有り暴力描写有り
目が覚めると、体育館のような広い部屋に閉じ込められていた主人公コウキ。その空間には自分の他にも何十人と集められているようだが、なぜか男は自分だけ。それ以外は全員若い女性だった。 そしてその理由は、唯一の出入口らしき扉に書かれてある文章により、戦慄と共に解明する。 『セックスしないと出られない部屋』 最高かよ!?と半分ニヤけながら思った自分を、次の瞬間には呪い殺したくなる。 なぜならそんな大見出しには、下記の恐ろしいルールがあったからだ。 『なお、出られるのは最初にセックスした二名のみである』 『・最初にセックスした二名以外の者は死ぬ』 最高どころじゃない。 ここは絶望のデスゲーム会場だった。 最初は俺のことをケダモノであるかのように糾弾する女性陣。ルールの熟知と共に、次第に狼狽し、焦燥の果てに、俺に無理やりセックスを迫りくる。だが抜け駆けしようものなら、他の女性たちは暴力でもって制裁する……。最終的には殴り勝った者がセックスをする権利があると言わんばかりの大乱闘が始まった。  ……地獄絵図だ。 そんな彼女らを止めようとした俺にまで拳を振り上げるものだから……。 俺は、その時ばかり鬼となった。 つまるところ、暴力は、暴力でしか解決し得ないということ……。 暴力という手段を用いたならば、女が男に勝てる道理はない。辛い選択だが、皆に冷静になってもらうには、それしかなかった。 空手でインターハイに出場したなんて子もいたが、あくまでそれは女性の中で強かったというだけ。彼女は俺みたいな運動なんてしたことないような男にすら勝てない現実に、打ちのめされていた。 幸か不幸か、ルールに制限時間は設けられていない。地下倉庫には豊富な食料も調理場もあり、当分は全員でここでの生活を続けても生きていけるようではあった。 他の解決策があるかもしれない。誰かが助けに来てくれるかもしれない。 そんな希望を胸に、40人の共同生活が始まった。 ――かに思えた。 絶望は、容赦なく襲い掛かる。 『ゲームの時間です。みなさん、心の準備は良いですか? ――ただいまより、殺し合いをしてもらいます』
35元禄怪奇余話~時をこえた復讐
連載中·5·7,544字
残酷描写有り性描写有り
この物語の舞台は一応江戸時代初期、元禄の頃つまりは、忠臣蔵や水戸黄門の時代ということになっています。 主人公は犬企方として名高い五代将軍徳川綱吉に寵臣として仕え、水戸黄門などでは、しばしば悪党として登場する柳沢吉保です。ただ彼は確かに悪党であったかもしれませんが、一方で和歌や漢詩に秀で、源氏物語などの王朝文学にも精通した一流の文化人でもありました。 吉保は綱吉の命で京へ赴き、とある寺で平安の頃より数百年成仏することなく世をさすらう、ある夫人の幽霊と遭遇します。 不覚にも彼女と関係をもってしまった吉保は、その後江戸に戻っても彼女の亡霊に苦しむこととなります。吉保の周囲の人間に次から次へと取り憑いては混乱をもたらすのです。果たして彼女の本当の目的はなんなのか?やがては悲劇を迎えることとなるわけです。 (この物語は、史実をベースとしていますが、あくまでホラー小説であって歴史小説ではありません。そのため全てが史実の時系列通り物語が進行しているわけではありません。また時代考証等は時々あやふやですが、あくまでホラー小説なのであまりその点に突っ込まれてもはっきりいって知りません。最も歴史の知識があれば面白味も少しは増すでしょう。また源氏物語の知識があればさらに面白いかもしれません)最後までお楽しみいただけたら幸いと存じます。
48そうしてそこには何もなく
連載中·34·10.3万字
大学生の長尾は、ある日喫茶店でセーラー服を着た少女の写真を渡された。 それは写真を見せた男、芦倉の亡き恋人『穂月』であった。『穂月』を語る傷心の芦倉の様子を見た長尾は、彼を放っておけず、大学の講義の後に喫茶店で会い、かつての二人の話を聞くようになる。 一方、長尾の通う大学では一部の学生の間で囁かれている噂を、親友の籠澤から聞いた。 『視界の端に影を見る』 長尾は実際に噂の影を見た本田に泣きつかれ渋々と噂を調べることとなり、 そしてその影を、覗いてしまうことになる。 …… それは、セーラー服の少女の姿だった。 (『そうしてそこには何もなく』) 空虚で恐ろしい呪いの一件から一つの季節を経て、長尾と籠澤は新たな怪異に足を踏み入れる。 それは八千代の相談から始まった。 享年四十六歳。八千代 昇は、静かで温厚な男であった。 「深夜にその四辻を通ると、ものすごい形相で襲ってくるらしい」 とある四辻に現れる親同然と思っていた叔父。 なぜそこに、なぜそんな風体で。長尾と籠澤の二人は、昇の謎を解くべく歪んだ四辻へと向かう。 そこに現れたのは、話し通りの昇の陰であったのだが…… 昇を視認した長尾は、得も言われぬ違和感を覚えた。まるで【人】とは思えない悍ましさ。 本当に自分が見たものは『昇』なのか? そして籠澤の傍にいるものの力が解き放たれる─── (『やがて焦げつく』)
61祠 live in Gunma!
性描写有り
完結済·5·1.9万字
残酷描写有り暴力描写有り
68夏の来な処で君を語る
完結済·11·2.5万字
残酷描写有り
 忘れられない、あの夏の日の約束。そして、君のいない今。  都会での生活に退屈していた高校生・草下隼人《くさか はやと》は、ある夏、父親の故郷である山間の「水楢村」へ、不本意ながら移り住むことになる。  そこで彼を待っていたのは、どこか浮世離れした美しい少年・夏生湊《なつき みなと》との運命的な再会だった。  湊と過ごすうちに、隼人の脳裏に蘇り始める、幼き日の断片的な記憶。  手を繋いだ温もり、秘密基地での他愛ない約束、そして、靄のかかったように思い出せない「何か」。  なぜ、こんなにも大切な記憶を忘れていたのだろうか――?  再構築されていく絆とは裏腹に、湊の周囲では不可解な現象が起こり始める。  始まりは、かつてその祠に触れた瞬間から。  そして、二人の運命は、再び取り返しのつかない方向へと動き出す。 「僕とずっと一緒にいるって、キミが願ったんじゃないか」  蝉時雨の鳴り響く夏の村を舞台に、忘れられた記憶と禁断の約束が交錯する。  少年の日の純粋な想いが、時を経て切ない恐怖へと変貌する、エモーショナル・ノスタルジックBLホラー。  ――君を失ったあの夏から、俺は何度も、この「夏の来な処《くなど》」で君を語る。
89封印の祠
完結済·3·1.3万字
 都市生活に疲れた主人公は、山奥の村に移住することを決意する。  しかし、村は古い因習に支配されており、よそ者を歓迎しない閉鎖的な共同体だった。  隣家の老婆から「新月の夜は外に出てはならない」という奇妙な掟を聞かされるが、好奇心に駆られた主人公は窓から外を覗き、白装束の人影が列をなして歩く異様な光景を目撃してしまう。  掟を破った主人公は、村を去るか仲間になるかの選択を迫られ、行き場のない彼は村に留まることを選ぶ。  村には数え切れない因習があった。  満月の夜の白い服、井戸への三礼、触れてはならない岩、そして最も神聖とされる祠への敬意。  理不尽な掟に反発しながらも、孤立の恐怖から次第に従うようになり、一年後には村に馴染んでいた。  しかし運命は皮肉だった。  嵐の夜、迷子の子猫を探していた主人公は聖地に迷い込み、転倒の弾みで祠を破壊してしまう。  祠から黒い影が立ち上がり、村に異変が起き始める。  井戸の水は血のように赤く染まり、家畜は謎の病気で死に、夜には奇怪な笑い声が響く。  村人たちは主人公を完全に無視し始め、彼の存在は徐々に希薄になっていった。  謎の老人から、祠は村の暗い歴史を封印するものだったと告げられる。  百年前、村は外来者を生贄として神に捧げる儀式を行っており、犠牲者の怨念を祠に封じ込めていたのだ。  封印を破った主人公は、その代価として魂が徐々に消失していく呪いにかかる。  影が薄くなり、物に触れることもできなくなり、やがて誰の記憶からも消去されていく。  古文書で封印を修復する方法を知った主人公は、満月の夜に祠があった場所で儀式を行う。  邪悪な存在と対峙し、自らの血と存在を代償として新たな封印を完成させる。  主人公は石の祠となり、邪悪な存在と共に永遠に封印され、村の平和は戻る。  彼の存在は完全に歴史から抹消される。  十年後、民俗学者の田中教授が村を訪れ、祠の謎を調査する。  しかし封印された主人公の霊から、調査が封印を弱めることを警告され、教授は真実を秘匿することを決意する。  そして、意外な真相が判明した。
100封印祠クラッシャー☆霊野、因習村に立つ
完結済·10·1.3万字
――やらかしました。 何を隠そう、封印されてたっぽい祠、倒壊しました。 言い訳させて? GPSが圏外で、電波の通じない山奥。 変な木彫りの像にぶつかって転び、寄りかかったら……ゴゴゴッ!って! バキィ!って! ――気づいたら、封印が解かれてました。 「ねえ霊野(れいの)さん、何か……空気変わってませんか?」 「たしかに。あと、あそこのカップ数、Eです。間違いない」 「そっちじゃねえよ!!」 村はすぐさまざわつき始めた。 「数百年封印していた祠が壊れた?」「なぜか生きた鶏が逆さに吊られてる!」「あと、夜な夜な“おっぱいはどこだぁ〜”って声が山に響くんだが?」 それ全部、霊野のせいでした。 「いや待ってくれ! 俺じゃない! 確かに“おっぱい霊”を降霊させたけど、彼は自立型霊だから勝手に動いてるだけで――」 「封印しろや」 「でも……彼の霊視能力、すごいんだよ? 半径50m以内なら確実に――」 「封印しろや」 さらに、村の住人が次々と“笑顔のまま石化”する現象が発生。 霊野がその霊に聞いたところ、こう言った。 「うん、あの祠の中にいたのは“笑顔を強制する神”だったんだよね。お通夜でも笑顔、火事でも笑顔。ずっとニコニコ。顔面神経、お疲れ様ってやつ」 最終的に、霊野は決意する。 「よし、俺がもう一度、封印する! ただし報酬は、村中のカップ数データで」 村長「持ってけドロボー!!」 封印はどうにか成功。 ただし、代償として霊野の顔はしばらく“作り笑い”のままだった。 「顔が、引きつる……」 「だが……それでも、おっぱいは裏切らない……!」 封印が終わったころ、山の中にふわりと現れた少女ツグミが言った。 「ねえ、霊野さん……次、壊すのは“地獄の門”にしよっか」 ――やめて。ホント、やめて。