14封印祠クラッシャー☆霊野、因習村に立つ
連載中·7·8,623字
性描写有り
――やらかしました。 何を隠そう、封印されてたっぽい祠、倒壊しました。 言い訳させて? GPSが圏外で、電波の通じない山奥。 変な木彫りの像にぶつかって転び、寄りかかったら……ゴゴゴッ!って! バキィ!って! ――気づいたら、封印が解かれてました。 「ねえ霊野(れいの)さん、何か……空気変わってませんか?」 「たしかに。あと、あそこのカップ数、Eです。間違いない」 「そっちじゃねえよ!!」 村はすぐさまざわつき始めた。 「数百年封印していた祠が壊れた?」「なぜか生きた鶏が逆さに吊られてる!」「あと、夜な夜な“おっぱいはどこだぁ〜”って声が山に響くんだが?」 それ全部、霊野のせいでした。 「いや待ってくれ! 俺じゃない! 確かに“おっぱい霊”を降霊させたけど、彼は自立型霊だから勝手に動いてるだけで――」 「封印しろや」 「でも……彼の霊視能力、すごいんだよ? 半径50m以内なら確実に――」 「封印しろや」 さらに、村の住人が次々と**“笑顔のまま石化”**する現象が発生。 霊野がその霊に聞いたところ、こう言った。 「うん、あの祠の中にいたのは“笑顔を強制する神”だったんだよね。お通夜でも笑顔、火事でも笑顔。ずっとニコニコ。顔面神経、お疲れ様ってやつ」 最終的に、霊野は決意する。 「よし、俺がもう一度、封印する! ただし報酬は、村中のカップ数データで」 村長「持ってけドロボー!!」 封印はどうにか成功。 ただし、代償として霊野の顔はしばらく“作り笑い”のままだった。 「顔が、引きつる……」 「だが……それでも、おっぱいは裏切らない……!」 封印が終わったころ、山の中にふわりと現れた少女ツグミが言った。 「ねえ、霊野さん……次、壊すのは“地獄の門”にしよっか」 ――やめて。ホント、やめて。
15躯骸(くがい)
連載中·4·6,826字
残酷描写有り暴力描写有り
すべては、“あの一家”が来た日から狂い始めた。 人口わずか1400人、地図からも忘れられた山間の村に、突如として現れたのは、鳳髄(ほうずい)と名乗る資産家一家。 彼らは村外れに異様なほど豪奢な洋館を建て、村人との交流を一切絶ち、ただ静かに、どこか異国めいた暮らしを始めた。 その空気は、誰もが薄々感じ取っていた。 鳳髄家は、何かが“違う”――。 やがて、一家の一人息子・祥太郎の変死体が、崖下で発見される。 村人たちは奇妙なほど淡々と、「不運な事故だった」と言い合い、鳳髄家の者たちもまた、まるで台本でもあるかのように、感情のない顔で葬儀を済ませた。 ――あの一家には、“死”すらも予定調和なのだろうか? その違和感を見逃さなかったのが、元探偵・氷室響也。 数年前、東京から逃れるようにこの村へ越してきた彼だけが、鳳髄家と、この村に漂う不気味な沈黙の意味を疑い始める。 そして、次に消えたのは、村に住む一人の少年――西山結翔。 まるで“何か”に吸い寄せられるように起こった、ふたつの事件。 氷室が探り当てたのは、村の古層に封じられ、誰も触れようとしなかった“闇”の記憶。 それは、開けてはならない扉だった。 彼が目を逸らさなければよかったと後悔するのは、もう少し先のことになる。
34ACIKS
性描写有り
完結済·9·2,530字
残酷描写有り暴力描写有り
52サロン/バースデイ
性描写有り
完結済·3·786字
残酷描写有り暴力描写有り
83きみ歌うことなかれ、闇の旋律を きみ語ることなかれ、魔の戦慄を
完結済·31·10万字
暴力描写有り
『きみ歌うことなかれ、闇の旋律を きみ語ることなかれ、魔の戦慄を』 最果ての城の姫サーガ Episode 03 (他のエピソードを未読でも愉しめます) ⭐︎⭐︎⭐︎ 実話怪談を蒐集しているわたしの元へ、ある日、平川と名乗る刑事から連絡があった。 行方不明になった男性が残したパソコンから、わたしとのメールのやり取りの履歴が発見されたので、事情を聞きたいのだと言う。 その男性はわたしに奇怪な体験を教えてくれたのだが、その直後に、不可解な状況で姿を消してしまったらしい。 そこにあるはずなのに、どうしても見つからない家。 見えない何かにぶつかる女。 大雪の日に魔物に連れ去られた、まだ幼い妹。 それぞれの怪異が一つに繋がる時、異界の扉が開く。 ︎登場人物 ・蒼井冴夜(あおいさや) 主人公 実話怪談作家 ・平川篤史(ひらかわあつし) 神奈川県警生活安全課勤務の刑事 ・田中宏樹 "見つからない家"体験者 ・白井幸仁 "赤いあかいアカイ"体験者 ・野々村 ITエンジニア "穴の底"体験者 ・大西麗子 ぶつかる女 ・莉音(りおん) 蒼井冴夜の妹 りっちゃん 五歳の時に雪鬼に連れ去られ、行方不明になった ・ピート 冴夜がかわいがっている猫 ⭐︎⭐︎⭐︎ 最果ての城の姫サーガ →Episode00 「最果ての城の姫」 https://m.neopage.com/book/31749001422587800 →Episode01 「虐殺の愛を、きみへ。」 https://m.neopage.com/book/31756710322666200
97扉鬼
完結済·81·34.3万字
残酷描写有り暴力描写有り
「どんな願いも叶うおまじない、知ってるの。わたし、オカルトとか都市伝説とかおまじないとか……そういうのちょっと詳しいのよね」  女子高校生、金沢えりいには片思いの相手がいる。幼稚園の時からの幼馴染の少年、翠川織葉だ。  ところが彼と同じ高校に通い始めてほどなくして、織葉が見知らぬ少女と仲睦まじくしている様を目撃してしまう。失恋したかもしれない――ショックを受けるえりいに救いの手を差し伸べたのは、同じクラスの優等生・紺野彩音だった。  彼女は都市伝説やオカルトが大好きらしい。彩音から教えてもらったのは、“扉鬼”という都市伝説であり、おまじないだった。  そのおまじないを実行すると、夢の中で不思議な空間に誘われるという。いくつもの扉があるその世界で“本物の扉と、それを開く鍵”を見つけた者は、どんな願いでも叶うというのだ。  織葉に振り向いて欲しい気持ちと、彼に頼らない強い人間になりたい気持ち。えりいは彩音に誘われるがまま、扉鬼のおまじないを試してしまう。  それが、世界さえ滅ぼしかねない、恐ろしい呪いであるとは露知らず。  これは、終わらない悪夢の世界に閉じ込められた少女の、呪いと恋と、成長の物語。 ※更新は基本「火・木・土・日」の予定です。